死後手続き

死亡届の提出方法・期限・書き方を完全解説 — 戸籍法第86条準拠【2026年版】

死亡届の提出方法・期限・書き方を完全解説 — 戸籍法第86条準拠【2026年版】

大切な方を亡くされ、心からお悔やみ申し上げます。
深い悲しみの中、何から手をつければいいか分からず、途方に暮れていらっしゃる方もいるかと思います。そのような中でも、ご家族の死後に最初に行うべき手続きの一つが「死亡届の提出」です。

この手続きには期限が定められており、精神的に大変な時期に、さらに時間的なプレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。しかし、どうかご安心ください。このガイドでは、死亡届の提出について、やり方・期限・必要書類・書き方のポイントまで、一つずつ丁寧に解説していきます。

すべてを一人で抱え込まず、専門家や窓口を頼ることも大切です。前もって全体の流れを知っておくことで、焦らず対処できますよ。この情報が、少しでも皆様のお力になれれば幸いです。



【PR】本記事にはプロモーションが含まれます。
  1. この記事でわかること
  2. まず確認すべき【最重要】死亡届の提出期限
  3. STEP別手順|死亡届提出の流れ
    1. STEP 1:死亡診断書(死体検案書)の受け取り
    2. STEP 2:死亡届の記入
      1. 死亡届 書き方のポイント
    3. STEP 3:必要書類を揃えて市区町村役場へ提出
      1. 提出できる窓口(いずれか一つで可)
    4. STEP 4:埋火葬許可証の受け取り
  4. 必要書類一覧チェックリスト
  5. おくやみワンストップ窓口を活用する|複数手続きを1か所でまとめて
    1. おくやみ窓口とは
    2. おくやみ窓口で対応してもらえる主な手続き
    3. おくやみ窓口の利用方法
    4. おくやみ窓口がない自治体の場合
  6. 期限カレンダー|死亡届提出後にやること一覧
    1. 〈手続き期限一覧表〉
  7. 死亡届 記入実例|項目別の書き方ガイド
    1. 記入が必要な10項目
    2. 本籍が不明な場合の調べ方
  8. よくある失敗と対処法
    1. ❌ 失敗1:死亡届の記入欄を間違えた
    2. ❌ 失敗2:シャチハタで押印してしまった
    3. ❌ 失敗3:時間外に提出したが火葬許可証がもらえなかった
    4. ❌ 失敗4:年金の停止手続きを忘れ、過払いが発生した
    5. ❌ 失敗5:相続放棄前に遺品整理をしてしまった
  9. 特殊ケース別の対応|国外・船舶・身元不明・事故
    1. ケース1: 国外で亡くなった場合
    2. ケース2: 船舶内で亡くなった場合
    3. ケース3: 身元不明者の場合
    4. ケース4: 事故・事件・自殺の疑いがある場合
    5. ケース5: 公共交通機関事故・災害死亡の場合
    6. ケース6: 生活保護受給者だった場合
  10. 代行依頼する場合の流れ
    1. ① 葬儀社への代行依頼
    2. ② 行政書士・司法書士への相談
  11. よくある質問(FAQ)
    1. Q1. 死亡届は誰が提出しなければいけませんか?
    2. Q2. 7日以内に提出できなかった場合はどうなりますか?
    3. Q3. 死亡届を提出すると、住民票は自動的に消えますか?
    4. Q4. 海外で亡くなった場合、死亡届はどこに提出しますか?
    5. Q5. 死亡届の提出後、すぐに火葬できますか?
  12. まとめ
  13. 専門家への相談案内
    1. Q6. 死亡届を提出すると、運転免許証やパスポートはどうなりますか?
    2. Q7. 死亡届の控えはもらえますか?必要ですか?
    3. 参考・出典
      1. この記事の関連情報

この記事でわかること

  • 死亡届の提出期限と提出先
  • 死亡届の具体的な「書き方」と提出方法
  • 提出に必要な書類チェックリスト
  • 死亡後7日以内〜10ヶ月以内の手続き期限カレンダー
  • よくある失敗とその対処法
  • 葬儀社・専門家に代行依頼する場合の流れ
  • よくある質問(FAQ)4問

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まず確認すべき【最重要】死亡届の提出期限

前もって知っておくことで、焦らずに対処できます。まずは最低限これだけ押さえてください。

項目 内容
提出期限 死亡の事実を知った日から7日以内(国外で亡くなった場合は3ヶ月以内
提出先① 死亡地の市区町村役場
提出先② 故人の本籍地の市区町村役場
提出先③ 届出人(手続きを行う方)の所在地の市区町村役場
受付時間 24時間365日受付(ただし時間外は埋火葬許可証の即時発行ができない場合あり)
期限超過の場合 過料(最大5万円程度)の対象となる場合があります

この7日という期限は、休祝日も含めてカウントされます。ただし「追い立てられる」のではなく、知っておくことで準備をスムーズに進められます。葬儀社に相談すれば多くの場合、代行サポートを受けることができます。

出典:e-Gov 法令検索(戸籍法 第86条)法務省 戸籍届出について

▼ 手続きの流れ(図解)
1
現状の確認・情報収集
必要書類・窓口・期限を調べる
2
必要書類の準備
戸籍・印鑑証明・各種証明書を揃える
3
窓口・担当者への申請
役所・金融機関・保険会社に提出
4
手続き完了・確認
受理証・通知書などを受け取り保管

STEP別手順|死亡届提出の流れ

死亡届の提出は、主に以下の4つのSTEPで進みます。一つずつ確認していきましょう。


STEP 1:死亡診断書(死体検案書)の受け取り

所要時間目安:数時間〜1日

死亡届を提出するためには、まず「死亡診断書」または「死体検案書」が必要です。

亡くなった状況 発行される書類 発行者
病院・診療所で亡くなった場合 死亡診断書 担当医師
自宅・施設など(かかりつけ医がいる場合) 死亡診断書 かかりつけ医
事故・突然死・孤独死など(医師が死因を確認できない場合) 死体検案書 警察の依頼を受けた医師

書類を受け取ったら、以下の項目に誤りがないかぜひ確認しましょう。

  • 故人の氏名・生年月日
  • 死亡日時・死亡場所
  • 死亡の原因(記載内容の確認)

万一誤りがある場合は、発行した医師に訂正を依頼してください。


STEP 2:死亡届の記入

所要時間目安:30分〜1時間

受け取った死亡診断書(死体検案書)の右側が「死亡届」になっています。左側(医師が記入した部分)には一切書き込まないよう注意しましょう。

死亡届 書き方のポイント

① 届出人(手続きを行う方)について

以下のいずれかの方が届出人になれます(戸籍法 第87条)。

  • 故人の配偶者、親、子、兄弟姉妹などの親族
  • 同居人・家主・地主・家屋管理人
  • 公設所の長(病院・施設など)

届出人は氏名・住所・本籍地・故人との続柄を記入し、署名・押印(認印で可。シャチハタは不可)します。

  • 配偶者が届出人の場合:「夫」または「妻」と記入
  • それ以外:「長男」「長女」「母」など該当する続柄を記入

② 故人の情報について

  • 氏名・生年月日・死亡日時・死亡場所
  • 本籍地・世帯主の氏名・世帯主との続柄
  • 住所(住民登録していた住所)

③ 埋火葬許可申請について

死亡届の提出と同時に、埋火葬(まいかそう)許可の申請も行います。これは「火葬または埋葬の許可を申請する書類」です。希望する火葬場の名称や火葬を行う予定日時を記入するため、火葬場の予約を事前に済ませておくとスムーズです。

知っておくと安心です:記入の際に迷ったら、市区町村役場の戸籍窓口で確認することができます。また、葬儀社のスタッフが記入をサポートしてくれる場合もあります。

【関連】葬儀の手配と費用について詳しくはこちら


STEP 3:必要書類を揃えて市区町村役場へ提出

所要時間目安:1時間〜半日

書類の準備ができたら、市区町村役場(戸籍課・市民課など)へ提出します。

提出できる窓口(いずれか一つで可)

  1. 死亡地の市区町村役場
  2. 故人の本籍地の市区町村役場
  3. 届出人の所在地の市区町村役場

多くの場合、葬儀社が代行してくれます。ご自身で提出することも可能ですが、時間外窓口では埋火葬許可証の即時発行ができない市区町村もあるため、事前に確認しておくと安心です。

専門家からのアドバイス(行政書士):身寄りのない単身者(おひとりさま)の場合、死亡後の手続き(死亡届、葬儀、不動産解約、各種サービス解約など)を担ってくれる人がいない可能性があります。生前に行政書士や弁護士と「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」を締結しておくことで、死後の手続きを第三者に委託できます。費用は50〜100万円程度が目安とされていますが、地域や内容によって異なります。なお、死後事務委任契約と遺言書は別物です。財産の分配には遺言書が、事務的な手続きには死後事務委任契約が必要となる点にご注意ください。


STEP 4:埋火葬許可証の受け取り

所要時間目安:即日

死亡届が受理されると、「埋火葬許可証(まいかそうきょかしょう)」が発行されます。これは「火葬・埋葬を行う許可が下りたことを証明する書類」です。

  • この許可証がなければ、火葬や埋葬を行うことができません
  • 火葬場へ提出する必要があるため、紛失しないよう大切に保管しましょう
  • 火葬後は「火葬執行証明書」として返却され、のちに納骨の際にも使用します

必要書類一覧チェックリスト

漏れがないか、一つずつ確認してみてください。

□ 死亡届(死亡診断書または死体検案書と一体になっているもの)
□ 届出人の印鑑(認印で可。シャチハタは不可)
□ 届出人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
□ (必要に応じて)火葬場の予約確認書または使用許可申請書
□ (場合によっては)故人の住民票の写し

知っておくと安心です:上記書類は基本的なものです。市区町村によって追加書類を求められる場合があります。不明な点は提出前に役場に電話確認するのがおすすめです。

専門家からのアドバイス(弁護士):孤独死・孤立死が発覚した場合、賃貸物件では大家から特殊清掃費用を相続人に請求されるケースがあります。原則として、相続放棄をすれば賠償義務を負いません。ただし、相続放棄の前に遺品整理などの「相続財産の処分行為」を行ってしまうと、民法第921条の「法定単純承認(ほうていたんじゅんしょうにん)=相続を承認したとみなされること」に該当し、相続放棄ができなくなるリスクがあります。「少し整理しただけ」であっても対象になる場合があるため、遺品整理業者へ依頼する前にぜひ弁護士へご相談ください。(参考:e-Gov 民法 第921条・第938条


おくやみワンストップ窓口を活用する|複数手続きを1か所でまとめて

【結論】近年、多くの自治体で「おくやみ窓口」が設置されており、死亡届に関連する複数手続き (年金停止・健保資格喪失・葬祭費申請など) を1か所でまとめて行えます。事前予約制が多いので、電話で確認してから訪問するとスムーズです。

おくやみ窓口とは

大切な方を亡くされた遺族が、複数の窓口を回らなくて済むよう、市区町村が「死亡関連の手続きをまとめて受付」する仕組みです。総務省「自治体DX推進計画」(2020年〜) のもと全国に広がっており、2026年現在、200を超える自治体で導入されています。

おくやみ窓口で対応してもらえる主な手続き

  • 住民票の世帯主変更
  • 国民健康保険の資格喪失届
  • 後期高齢者医療制度の資格喪失届
  • 介護保険の資格喪失届
  • 国民年金の死亡届・受給停止
  • 葬祭費の申請
  • 水道・下水道の名義変更
  • 固定資産税納税義務者の変更

おくやみ窓口の利用方法

  1. 市区町村のウェブサイトで「おくやみ窓口」「おくやみコーナー」を検索
  2. 電話で予約 (混雑回避のため事前予約制が多い)
  3. 必要書類リストを事前に伝えてもらう
  4. 来庁日に窓口で一括手続き (1〜2時間が目安)

おくやみ窓口がない自治体の場合

窓口未設置の自治体でも、市区町村役場の「市民課」「戸籍係」に「死亡関連の手続きをしたい」と伝えれば、必要な部署を順番に案内してもらえます。葬儀後の手続き全体については 死亡後の手続き一覧 もご参照ください。

このセクションのまとめ

  • おくやみ窓口があれば1〜2時間で複数手続き完了
  • 事前予約 + 必要書類確認をしてから訪問するとスムーズ

無理なさらないでください。あなたのペースで進めましょう。

期限カレンダー|死亡届提出後にやること一覧

死亡届の提出(7日以内)は最優先事項ですが、その後も続く手続きがあります。前もって知っておくことで、焦らずに対処できます。

〈手続き期限一覧表〉

手続き名 期限 窓口・担当 備考・根拠
死亡届提出 死亡を知った日から7日以内 市区町村役場(戸籍課) 火葬には埋火葬許可証が必要。国外は3ヶ月以内。出典
火葬許可申請 死亡届と同時 市区町村役場 火葬場の予約後に申請するとスムーズ
年金受給権者死亡届 死亡日から10日以内(国民年金)/ 14日以内(厚生年金) 年金事務所・年金相談センター 年金の種類によって期限が異なります。出典
健康保険の資格喪失届 死亡日から14日以内 加入していた健康保険組合または市区町村役場 国民健康保険は市区町村役場へ
介護保険被保険者証の返還 死亡日から14日以内 市区町村役場 介護保険料の精算も確認。出典
世帯主変更届 死亡日から14日以内 市区町村役場 故人が世帯主だった場合のみ
相続放棄の申述 死亡を知った日から3ヶ月以内 家庭裁判所 熟慮期間の延長申請も可能。慎重に判断を
準確定申告 死亡日から4ヶ月以内 税務署 故人に所得があった場合、相続人が申告・納税。出典
相続税の申告 死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内 税務署 遺産総額が基礎控除額を超える場合に必要。出典
相続登記 相続を知った日から3年以内 法務局 2024年4月1日から義務化。出典

これらの手続きは、「しなければならない」というよりも、知っておくことで損をせずに済む大切な情報です。一度に全部こなす必要はありません。優先順位を決めて、できるところから進めましょう。

【関連】相続手続きの全体の流れと優先順位について詳しくはこちら


死亡届 記入実例|項目別の書き方ガイド

【結論】死亡届の記入欄は決まった項目があり、間違いやすい点もパターン化されています。下記の項目別ガイドを参考に、落ち着いて記入してください。葬儀社の担当者がチェックしてくれるので、不安があれば率直に聞いて大丈夫です。

記入が必要な10項目

項目 記入のポイント よくある間違い
① 氏名 戸籍謄本記載の正式な漢字で 通称名・略字での記入
② 生年月日 和暦・西暦どちらでも可 明治・大正期は読み間違い注意
③ 性別 男・女のいずれかに○ 記入漏れに注意
④ 死亡日時 死亡診断書と完全に一致させる 分単位の入力ミス
⑤ 死亡場所 病院名・住所まで具体的に 「自宅」だけ書いて住所欠落
⑥ 故人の住所 住民票上の住所を正確に マンション号室の記載漏れ
⑦ 故人の本籍 戸籍謄本で確認 住所と本籍を混同
⑧ 配偶者の有無 いる・いないに○ 死別・離別を「いる」と誤記
⑨ 死亡時の世帯の主な仕事 該当する区分を選択 わからなければ空欄でOK
⑩ 届出人 署名・押印 届出人本人が直筆 + 認印 シャチハタ使用 (NG)

本籍が不明な場合の調べ方

戸籍謄本(こせきとうほん)・運転免許証(本籍記載がある旧式のみ)・マイナンバーカードの券面確認 (本籍は記載されていないが本人確認書類として有効) などで確認できます。どうしてもわからない場合は、お住まいの市区町村役所で「住民票の写し (本籍記載入り)」を取得すれば確認できます。

このセクションのまとめ

  • 記入欄は10項目。一つひとつ確認しながら書けば大丈夫
  • 分からない項目は空欄で持参 → 役所窓口で相談OK

完璧に書こうとせず、あなたのペースで一つずつ進めましょう。

よくある失敗と対処法

実際に手続きを進める中で起こりやすいトラブルを、事前に知っておきましょう。

❌ 失敗1:死亡届の記入欄を間違えた

対処法:修正液は使用不可です。二重線と訂正印(届出人の印鑑)で訂正するか、役場の窓口に相談しましょう。不安な場合は鉛筆で下書きしてから清書する方法もあります。

❌ 失敗2:シャチハタで押印してしまった

対処法:シャチハタ(浸透印)は戸籍書類に使用できません。認印(三文判)を持参して、役場窓口で対応してもらいましょう。事前準備の段階で認印を用意しておくと安心です。

❌ 失敗3:時間外に提出したが火葬許可証がもらえなかった

対処法:多くの市区町村では24時間受付ですが、埋火葬許可証の発行は翌開庁日になる場合があります。火葬の予約日程に影響することがあるため、できる限り開庁時間内に提出することをおすすめします。事前に役場に電話確認しておくと安心です。

❌ 失敗4:年金の停止手続きを忘れ、過払いが発生した

対処法:年金受給者が亡くなった場合、手続きが遅れると年金が過払いになり、後から返還を求められることがあります。死亡後は速やかに年金事務所へ連絡しましょう。なお、未支給年金(まだ受け取っていなかった分)は相続人が請求できる場合があります。(出典:厚生労働省

❌ 失敗5:相続放棄前に遺品整理をしてしまった

対処法:前述の通り、「法定単純承認」に該当する行為をすると、相続放棄ができなくなる可能性があります。遺品整理・不動産の売却・預金の引き出しなどは、相続の方針を決める前に行わないよう注意してください。迷ったら弁護士や司法書士に相談することをおすすめします。


特殊ケース別の対応|国外・船舶・身元不明・事故

【結論】通常と異なる状況での死亡届は、それぞれ手続きが異なります。一人で判断せず、警察・領事館・役所・専門家にご相談ください。

ケース1: 国外で亡くなった場合

国外死亡の場合、「死亡の事実を知った日から3か月以内」に届出が必要です (戸籍法第86条第1項但書)。提出方法は2通り:

  1. 現地の在外公館 (日本大使館・領事館) で受理
  2. 帰国後、本籍地または届出人の所在地の市区町村役場へ提出

現地の死亡証明書 (英文等の場合は日本語訳を添付) が必要です。詳しくは 外務省「在外公館での死亡届」 をご確認ください。

ケース2: 船舶内で亡くなった場合

航海中の船舶内で死亡した場合は、船長が死亡の事実を航海日誌に記録し、寄港後24時間以内に「船舶死亡」として最寄りの市区町村役場に届け出ます (戸籍法第93条)。一般の遺族が対応するケースは少なく、船舶会社・運輸会社が対応するのが通常です。

ケース3: 身元不明者の場合

身元不明の遺体を発見した場合や、身元不明のまま亡くなった方の場合、警察・市区町村が「行旅死亡人 (こうりょしぼうにん) 届」を行います。墓地・埋葬等に関する法律 (墓埋法) 第9条に基づき、市区町村が火葬・埋葬を行います。遺族が後日判明した場合は警察・市区町村に申し出てください。

ケース4: 事故・事件・自殺の疑いがある場合

事故・事件・自殺が疑われる場合は、警察が検視 (けんし) を行います。医師による「死亡診断書」ではなく、警察医・監察医による「死体検案書 (したいけんあんしょ)」が発行されます。

  • 司法解剖 (しほうかいぼう) が行われる場合: 遺体引き渡しに数日〜1週間以上かかることがあります
  • 行政解剖 (ぎょうせいかいぼう) の場合: 監察医制度のある地域 (東京23区・大阪市・神戸市・横浜市・名古屋市) で行われます
  • 解剖が行われた場合の費用は原則公費負担

このケースでは7日以内の提出期限を一時的に延長してもらえる場合があります。役所に「警察対応中につき遅れる可能性がある」と事前に相談してください。

ケース5: 公共交通機関事故・災害死亡の場合

大規模事故・自然災害による死亡の場合、自治体・警察・国土交通省などが連携して対応にあたります。被災者支援法 (災害救助法・被災者生活再建支援法) による支援も併せて確認してください。

ケース6: 生活保護受給者だった場合

生活保護を受けていた方が亡くなった場合、葬祭費用は「葬祭扶助 (そうさいふじょ)」として支給されます (生活保護法第18条)。お住まいの市区町村の福祉事務所にご相談ください。葬祭扶助の場合は「直葬 (ちょくそう)」が標準で、火葬と最低限の儀式のみとなります。

このセクションのまとめ

  • 通常と異なる状況では一人で判断しない
  • 警察・領事館・市区町村の専門窓口に相談
  • 解剖等で時間がかかる場合は役所に事情を伝えれば柔軟に対応してもらえる

無理なさらないでください。あなたのペースで進めましょう。

代行依頼する場合の流れ

死亡届の提出は、ご自身で行うことが基本ですが、葬儀社や専門家に代行してもらうことも可能です。

① 葬儀社への代行依頼

ほとんどの葬儀社では、死亡届の提出をサービスの一環として代行してくれます。

流れ:
1. 葬儀社のスタッフに「死亡届の提出も代行をお願いしたい」と伝える
2. 死亡診断書(死体検案書)と届出人の印鑑を預ける
3. 葬儀社が役場へ提出し、埋火葬許可証を受け取ってくれる
4. 火葬当日に許可証を火葬場へ持参してもらう

費用は葬儀費用に含まれている場合がほとんどで、別途請求されないケースが多いですが、事前に確認しておきましょう。

② 行政書士・司法書士への相談

死亡届そのものの代行は葬儀社が担うことが多いですが、その後の相続手続き・遺言書の確認・各種名義変更などは、行政書士・司法書士・弁護士への相談が有効です。

専門家 主な相談内容 費用目安(地域差あり)
行政書士 相続手続き全般のサポート・書類作成 5〜30万円程度
司法書士 相続登記(不動産の名義変更) 5〜15万円程度
弁護士 相続トラブル・相続放棄・遺産分割協議 着手金10〜30万円程度
税理士 相続税申告・準確定申告 遺産総額の0.5〜1%程度

※上記はあくまで目安です。実際の費用は内容や地域によって大きく異なります。複数の専門家に見積もりを取ることをおすすめします。


よくある質問(FAQ)

Q1. 死亡届は誰が提出しなければいけませんか?

A. 戸籍法では、故人の配偶者・親・子・兄弟姉妹などの親族のほか、同居人・家主・施設の長なども届出人になれます(戸籍法 第87条)。ただし、実際には葬儀社が代行するケースが大半です。親族全員が集まれない状況でも、代表の一人が手続きを進めれば問題ありません。

Q2. 7日以内に提出できなかった場合はどうなりますか?

A. 提出が遅れた場合、戸籍法第135条に基づき、最大5万円以下の過料(行政上のペナルティ)が科される場合があります。ただし、やむを得ない事情がある場合は役場の担当者に相談することで、柔軟に対応してもらえるケースもあります。「期限が過ぎてしまった」と気づいたら、すぐに市区町村役場に連絡しましょう。(出典:e-Gov 戸籍法

Q3. 死亡届を提出すると、住民票は自動的に消えますか?

A. 死亡届が受理されると、市区町村役場が住民票の記録を更新し、「住民票の除票(じょひょう)」が作成されます。ただし、別途「住民異動届」が必要な場合もあるため、役場の窓口で確認しましょう。なお、住民票の除票は相続手続きなどで必要になることがあります。

Q4. 海外で亡くなった場合、死亡届はどこに提出しますか?

A. 国外で亡くなった場合は、死亡を知った日から3ヶ月以内に以下のいずれかへ提出できます。
– 現地の日本大使館・領事館(現地で手続きを完結させる場合)
– 帰国後、故人の本籍地または届出人の所在地の市区町村役場

現地での手続きには現地の死亡証明書(日本語訳付き)が必要になる場合があります。詳細は法務省のウェブサイトでご確認ください。

Q5. 死亡届の提出後、すぐに火葬できますか?

A. 死亡届が受理されて埋火葬許可証が発行された後、火葬を行うことができます。ただし、法律上、死後24時間を経過しなければ火葬できないとされています(墓地、埋葬等に関する法律 第3条)。また、火葬場の予約状況によっては、数日待つ場合もあります。(出典:e-Gov 法令検索


まとめ

死亡届の提出は、大切な方を亡くされた直後に行う、最初の公的手続きです。この記事の要点を改めて整理します。

死亡届 提出のポイント まとめ

確認項目 内容
提出期限 死亡を知った日から7日以内(国外は3ヶ月以内)
提出先 死亡地・故人の本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村役場
必要書類 死亡診断書(死体検案書)・認印・本人確認書類
代行 葬儀社に依頼できる場合がほとんど
受け取るもの 埋火葬許可証(火葬にぜひ必要)
その後の手続き 年金・健康保険・相続など、期限ごとに順次対応

すべてを一気に完璧にこなそうとしなくても大丈夫です。まずは死亡届の提出と火葬の手配を最優先に進め、その後の手続きは一つずつ取り組んでいきましょう。

【関連】死後手続きの全体スケジュールと優先順位について詳しくはこちら


専門家への相談案内

死亡届の提出後には、相続・年金・税金・不動産など、多くの手続きが続きます。「何をどの順番でやればいいか分からない」「専門的な判断が必要なことがある」という方は、一人で抱え込まず、専門家に相談することをおすすめします。

相談内容 相談先
相続全般・遺言書の確認 弁護士・行政書士
不動産の名義変更(相続登記) 司法書士
相続税・準確定申告 税理士
年金・健康保険の手続き 年金事務所・市区町村窓口
生活支援・介護制度の相談 地域包括支援センター(厚生労働省

初回相談が無料の専門家事務所も多くありますので、まずは気軽に連絡してみてください。

あなたは一人ではありません。 頼れる専門家や窓口が、ぜひ力になってくれます。どうか無理をせず、周りのサポートを借りながら、一歩ずつ進んでいただければと思います。

Q6. 死亡届を提出すると、運転免許証やパスポートはどうなりますか?

死亡届を提出しても、運転免許証・パスポートは自動的に失効しません。遺族が返却手続きを行う必要があります。運転免許証は最寄りの警察署または運転免許センターへ、パスポートは都道府県のパスポートセンターへ返却してください。返却しないまま放置しても法的な罰則はありませんが、悪用防止のため早めの返却を推奨します。詳しくは 死亡後の手続き一覧 もご参照ください。

Q7. 死亡届の控えはもらえますか?必要ですか?

死亡届の原本控えは、提出時に役所で「死亡届の記載事項証明書」として交付申請できます (有料・350円程度)。生命保険・遺族年金・相続手続きで「死亡を証明する公的書類」が必要になることが多いため、できれば申請しておくことをおすすめします。同時に「除籍謄本 (じょせきとうほん)」も取得しておくと、銀行口座の手続き等で活用できます。喪主の役割全体については 喪主がやること完全ガイド もあわせてご覧ください。葬儀全体の費用については 葬儀費用の相場と内訳 を参考にしてください。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件については弁護士・税理士・葬儀の専門家にご相談ください。
掲載情報は2026年現在のものです。法改正等により変更となる場合があります。

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