離婚後 相続 権利 どうなる
本記事にはプロモーションが含まれます。
(読了目安:約10分)
離婚後の相続権はどうなる?元配偶者・子ども・再婚ケース別に弁護士監修で解説【2026年版】
大切な方を亡くされたばかりで、心身ともに大変つらい状況の中、このページをお訪ねくださったことと思います。悲しみが癒えないうちから「相続」という現実的な問題と向き合わなければならない状況は、本当に大変なことです。どうか無理をしないでください。
「離婚が絡む相続は、いったい誰に何の権利があるの?」「元配偶者が亡くなったけれど、子どものことが心配…」そんな不安を抱えていらっしゃる方のために、このページでは状況別に丁寧に整理しました。一度に全部理解しようとしなくて大丈夫です。あなたのペースで、必要な部分だけ確認していきましょう。

まずやること3つ(今日中に確認しておくと安心です)
混乱した状況の中で「何から手をつければいいか」と迷うのは、当然のことです。まず今日できることを、3つだけに絞りました。焦らず、あなたのペースで進めていきましょう。
① 故人の財産状況の概略をつかむ
預貯金通帳・不動産登記書類・保険証券・借入れの明細など、心当たりのあるものを探し、財産と負債の大まかな全体像を把握します。全部見つからなくても大丈夫です。まずは「手がかり」を集めることが第一歩です。
② 相続人が誰かを確認する
故人の戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人(法律で定められた相続できる人)を特定します。離婚後の元配偶者には原則として相続権はありませんが、子どもや再婚相手、養子縁組の有無によって相続人の範囲は変わります。
③ 無料相談窓口に連絡してみる
法テラスや弁護士会の無料相談窓口に、まずは電話で問い合わせてみましょう。「まだ何も決まっていない」という状態でも相談できます。話すだけで、今後の方向性が見えてくることがあります。
✅ 今日確認したいことチェックリスト
- □ 故人の通帳・不動産書類・保険証券などを探す
- □ 故人の戸籍謄本を取り寄せ、相続人を特定する
- □ 無料相談窓口の連絡先を調べる、または電話してみる
状況別・あなたのケースはどれ?
離婚が絡む相続では、「誰が亡くなったのか」「自分はどういう立場か」によって、相続権の有無がまったく異なります。まず、あなたの状況に近いケースを確認してみてください。
ケース① 元配偶者が亡くなった|原則として相続権なし
離婚が成立した元配偶者が亡くなった場合、あなたには原則として相続権はありません。民法第890条では、配偶者の相続権は「婚姻関係が継続していること」を前提としており、離婚によって婚姻関係が解消された時点で、その権利も消滅します(民法 e-Gov法令検索)。
ただし、以下の場合には間接的に影響を受ける可能性があります。
- 元配偶者との間に子どもがいる場合:子どもは血縁関係のある親の相続人となります(民法887条)。あなたが親権者であれば、未成年の子どもの相続手続きをサポートする立場になります。
- 故人が遺言書で遺贈(いぞう)を指定していた場合:故人の遺言書に「元配偶者に財産を遺贈する」と明記されていれば、法定相続人ではなく「受遺者(じゅいしゃ)=遺言で財産を受け取る人」として財産を受け取れる場合があります。
ケース② 離婚した親が亡くなった|子どもには相続権がある
親が離婚していても、子どもは親の相続人です。血縁関係(親子関係)は、離婚によって変わりません。親権の有無も関係ありません(民法887条)。
- 親権がなくても相続できます:親権は「子どもを育てる権利・義務」に関するものであり、相続権とは別の問題です。
- 認知された子ども(非嫡出子)も相続人です:婚姻関係のない親から生まれた子どもであっても、故人が生前に認知していれば、嫡出子(ちゃくしゅつし:婚姻中に生まれた子)と同等の相続権があります(民法900条4号)。
- 複数の相続人がいる場合:故人に再婚相手や他の子どもがいる場合は、全員で遺産分割協議を行うことになります。
ケース③ 再婚相手・連れ子が絡む複雑なケース
再婚している場合、相続関係はより複雑になりがちです。整理すると、以下のようになります。
| 関係性 | 相続権の有無 | 備考 |
|---|---|---|
| 再婚した現在の配偶者 | あり | 婚姻関係が継続している配偶者は常に相続人(民法890条) |
| 再婚相手の連れ子(養子縁組なし) | なし | 血縁・法的親子関係がないため |
| 再婚相手の連れ子(養子縁組あり) | あり | 養子縁組により法律上の子どもとなる(実子と同等) |
| 前の婚姻の子ども | あり | 離婚後も血縁関係は継続。実子と同等の相続権 |
養子縁組の有無は、相続関係に大きな影響を与えます。ご自身の状況を正確に把握するためにも、専門家への相談をご検討ください。
【関連】 養子縁組が相続に与える影響について詳しくはこちら →「養子縁組と相続の関係」記事(内部リンク)
時系列の対応手順|亡くなった当日から10か月の流れ
大切な方を亡くされた後は、悲しみの中でも多くの手続きが必要になります。期限があるものもありますが、「前もって知っておくことで、焦らずに対処できます」。まずは全体の流れを把握しておきましょう。

| 時期 | やること | 主な窓口 | 期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 死亡直後〜数日以内 | 死亡届の提出 | 市区町村役場 | 死亡を知った日から7日以内(国内) |
| 葬儀の手配・実施 | 葬儀社 | — | |
| 遺言書の有無を確認 | 自宅・公証役場・法務局 | できるだけ早めに | |
| 1週間〜1か月 | 相続人の確定(戸籍収集) | 市区町村役場 | — |
| 相続財産・負債の調査 | 金融機関・法務局・税務署 | 相続放棄の期限に注意 | |
| 相続放棄・限定承認の検討 | 家庭裁判所 | — | |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所 | 相続を知った日から3か月以内(延長申請可) |
| 4か月以内 | 準確定申告(故人の所得税申告) | 税務署 | 相続を知った翌日から4か月以内 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納税 | 税務署 | 相続を知った翌日から10か月以内 |
| 遺産分割協議書の作成・署名 | 相続人全員・司法書士等 | 相続税申告前が理想 | |
| 不動産の名義変更(相続登記) | 法務局 | 2024年4月より義務化・3年以内 |
参考: 相続手続きの詳細は法務省のページでも確認できます。
離婚後の相続で特に気をつけたいこと
1. 遺言書と遺留分(いりゅうぶん)の問題
遺言書があれば相続争いを防げると思われがちですが、内容によっては新たなトラブルの原因になることもあります。
遺留分とは:配偶者・子ども・直系尊属(親・祖父母など)に対して、法律が保障している「最低限もらえる相続の割合」のことです(民法1042条)。たとえ遺言書で「全財産を特定の人に」と記していても、遺留分を侵害する内容であれば、他の相続人から「遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)」を起こされる可能性があります。
⚠️ 注意:兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条)。遺留分の対象は「配偶者・子ども・直系尊属」のみです。
✕ よくある誤解:「遺言書があれば揉めない」は必ずしも正しくありません。遺留分を考慮した内容でなければ、後から請求を受けるケースがあります。
📖 根拠:民法1042条〜1049条(e-Gov法令検索)
離婚後のお子様の遺留分が侵害されている可能性がある場合は、早めに弁護士にご相談ください。
2. 相続放棄の「3か月」の期限と落とし穴
故人に多額の借金があった場合など、財産を相続したくないときは「相続放棄」という手続きが選択肢になります。ただし、厳格な期限があります。
- 期限:相続の開始を「知った日」から3か月以内に家庭裁判所へ申述(しんじゅつ=申し出ること)する必要があります(民法915条)。
- 起算点(きさんてん)は「死亡日」ではなく「知った日」:故人の死亡を後から知った場合は、その時点から3か月が始まります。
- 借金の存在を後から知った場合:借金を知った時点を起算とする例外が認められるケースもあります(最高裁昭和59年4月27日判決)。
- 期限の延長申請も可能:3か月では判断が難しい場合、家庭裁判所に伸長(しんちょう)を申請できます。
✕ よくある誤解:「3か月を過ぎたら放棄できない」は必ずしも正しくありません。事情によっては例外が認められる場合もあります。
お子様が相続人となるケースで、借金を引き継がせたくない場合は、特に注意が必要です。迷ったらまず専門家に相談してみてください。
3. 認知症の親が残した遺言書の有効性
故人が認知症を患っていた場合、遺言書の有効性が問われることがあります。
- 遺言能力(いごんのうりょく)=意思能力がない状態で作成された遺言書は無効となる場合があります(民法963条)。
- ただし「認知症=即無効」ではなく、作成時点の判断能力が問われます。軽度認知症でも有効な遺言書を作成できるケースがあります。
- 公証人が関与する公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)は、意思確認のプロセスを経るため有効性が高いとされています。
⚠️ 備え:遺言書作成時には、かかりつけ医の診断書やカルテを保存しておくと、後のトラブル防止につながります。
4. 相続税の申告が必要なケース
相続した財産の総額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告・納税が必要です(国税庁 相続税について)。
基礎控除額の計算式:
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
たとえば法定相続人が3人なら、基礎控除額は「3,000万円+1,800万円=4,800万円」となります。この金額以下であれば、相続税はかかりません。
- 申告期限:相続開始を知った翌日から10か月以内
- 期限を過ぎると延滞税などのペナルティが発生する場合があります
- 相続税の計算は複雑なため、税理士への相談をおすすめします
【関連】 相続税の基礎控除・申告方法について詳しくはこちら →「相続税の基礎知識と計算方法」記事(内部リンク)
離婚後の相続手続きにかかる費用の目安
相続手続きにはさまざまな費用が発生することがあります。以下はあくまで目安であり、地域や依頼する専門家、財産の規模によって大きく異なります。事前に複数の専門家に見積もりを取ることをおすすめします。

| 手続きの種類 | 費用の目安(参考) | 依頼先 |
|---|---|---|
| 弁護士への相続相談(初回) | 無料〜1万円程度/回 | 弁護士・法テラス |
| 遺産分割協議のサポート | 30万〜100万円程度(財産額による) | 弁護士 |
| 相続放棄の手続き | 5万〜20万円程度 | 弁護士・司法書士 |
| 相続登記(不動産名義変更) | 10万〜30万円程度(物件数による) | 司法書士 |
| 相続税申告 | 20万〜100万円以上(財産額による) | 税理士 |
| 戸籍謄本・住民票等の取得 | 数百〜数千円程度 | 市区町村役場 |
※ 上記はいずれも目安です。地域差・案件の複雑さによって変動します。費用については事前に必ずご確認ください。
相談できる窓口一覧
「誰かに話を聞いてほしい」「どの専門家に相談すればいいかわからない」という方のために、相談窓口をまとめました。一人で抱え込まないでください。
| 窓口名 | 相談内容 | 費用 | 連絡方法 |
|---|---|---|---|
| 法テラス(日本司法支援センター) | 法律全般(弁護士紹介・費用立替制度あり) | 無料(収入要件あり) | 電話・オンライン・面談 |
| 各都道府県の弁護士会 | 相続・遺言・遺産分割など法律問題 | 初回30分無料〜5,500円程度 | 電話・来所 |
| 司法書士会の無料相談 | 相続登記・遺産分割協議書作成など | 無料(相談会の場合) | 電話・来所 |
| 税理士会の無料相談 | 相続税の申告・計算など | 無料(相談会の場合) | 電話・来所 |
| 市区町村の法律相談 | 相続・離婚・遺言など | 無料(予約制) | 役所窓口・電話 |
| 家庭裁判所 | 相続放棄・遺産分割調停など | 印紙代等の実費のみ | 直接申立て |
法テラス:0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)
法務省ポータル:https://www.moj.go.jp/
よくある質問(FAQ)
Q1. 離婚した元夫(元妻)が亡くなった場合、私に相続権はありますか?
A. 原則としてありません。民法890条では、配偶者の相続権は婚姻関係が継続していることが条件です。離婚により婚姻関係が解消された時点で、元配偶者としての相続権も消滅します。ただし、故人が遺言書で「元配偶者に遺贈する」と記していた場合は、受遺者(遺言で財産を受け取る人)として財産を受け取れる場合があります(e-Gov法令検索)。
Q2. 離婚した親の子どもとして、相続権はあるのでしょうか?
A. あります。親が離婚しても、子どもと親の血縁関係は変わりません。親権の有無も関係なく、実の子どもであれば相続権があります(民法887条)。もし故人に再婚相手や他の子どもがいる場合は、全員で遺産分割協議を行うことになります。長年連絡を取っていなかった場合でも、相続権は存在します。
Q3. 相続放棄をすれば、子どもに借金が引き継がれなくなりますか?
A. 正しく手続きを行えば、借金を引き継がずに済む場合があります。相続放棄は、相続開始を知った日から原則3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります(民法915条)。未成年の子どもが相続人の場合は、親権者が法定代理人として手続きを行います。ただし、一度相続放棄を行うと撤回できないため、慎重に判断してください。不明な点は弁護士にご相談ください。
Q4. 再婚相手の連れ子に財産を残したい場合、どうすればよいですか?
A. 大きく2つの方法が考えられます。①養子縁組:連れ子と養子縁組を行うことで、法律上の親子関係が生まれ、実子と同等の相続権が生じます。②遺言書の作成:養子縁組をしていない場合でも、遺言書で連れ子への遺贈を記載することができます。ただし、他の法定相続人の遺留分を侵害しない範囲でのご検討が重要です。どちらの方法が適しているかは、ご家族の状況によって異なるため、弁護士や司法書士にご相談ください。
Q5. 遺産分割協議がまとまらない場合はどうなりますか?
A. 相続人全員の合意が得られない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停(ちょうてい)を申し立てることができます。調停でも解決しない場合は、審判(しんぱん)という裁判所による決定手続きに移行します。離婚という背景がある場合、相続人同士の関係が複雑になりがちです。早い段階で弁護士に相談することで、感情的な対立を防ぎながら手続きを進められる場合があります。
まとめ
この記事でお伝えした、離婚後の相続権に関する重要なポイントをまとめます。
- 元配偶者には原則として相続権がない(民法890条)。ただし、遺言による遺贈は例外。
- 離婚後も子どもの相続権は変わらない(民法887条)。親権の有無は関係なし。
- 再婚・養子縁組の有無で相続人の範囲が大きく変わる。
- 相続放棄は「知った日から3か月以内」が原則。期限の延長申請も可能。
- 相続税の申告は10か月以内。基礎控除を超える場合は税理士への相談を。
- 不動産の相続登記は2024年4月より義務化。3年以内に手続きが必要。
- 遺留分侵害額請求に注意。遺言書があっても内容次第でトラブルになる場合がある。
複雑な状況に感じられるかもしれませんが、一つひとつ確認していけば、必ず前に進めます。あなたは一人ではありません。
専門家への相談案内
「状況が複雑すぎて、自分ではどうしたらいいかわからない」という方は、ぜひ専門家に相談してみてください。相談することは、何も決めることではありません。「話を聞いてもらうこと」から始めるだけで、気持ちが楽になることがあります。
まず相談してみたい方へ:
- 法テラス(日本司法支援センター):収入要件を満たせば弁護士費用の立替制度があります。0570-078374
- 弁護士会の法律相談:初回無料〜5,500円程度の目安。各都道府県の弁護士会にお問い合わせください。
- 市区町村の無料法律相談:お住まいの役所の窓口でご確認ください。
離婚後の相続は、感情的にも手続き的にも複雑になりがちな問題です。早めに専門家に相談することで、後悔のない選択ができるよう、どうかご自身を大切にして進めていただければと思います。
📖 参考法令・出典
– 民法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/
– 国税庁 相続税:https://www.nta.go.jp/
– 法務省 相続手続き:https://www.moj.go.jp/
> ※費用・価格はあくまで参考値です。地域・業者・個別の状況によって大きく異なります。必ず複数の業者・専門家に確認してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件については弁護士・税理士・葬儀の専門家にご相談ください。
掲載情報は2026年現在のものです。法改正等により変更となる場合があります。