遺贈寄付は、ご自身の財産の一部、または全てを、特定の団体や活動に役立ててほしいという思いを形にする大切な手段です。大切な方を亡くされたばかりの方、ご自身の終活を考え始めたばかりの方にとって、遺贈寄付の手続きは複雑に感じられ、何から手をつければ良いのか、不安を感じるかもしれません。しかし、一つひとつのステップを理解し、必要に応じて専門家のサポートを得ることで、あなたの尊い意思を確実に未来へつなげることができます。
このページでは、遺贈寄付の手続きの流れ、必要な費用、受けられる税制優遇、そして遺言書の書き方や家族の理解を得るためのポイントまで、具体的な手順を分かりやすく解説します。すべてを一人で抱え込まず、できることから少しずつ、あなたのペースで進めていきましょう。
【PR】本記事にはプロモーションが含まれます。遺贈寄付とは?|生前の意思を社会貢献へつなぐ方法
遺贈寄付とは、遺言書を通じて、ご自身の財産を個人ではなく、NPO法人や公益法人、地方公共団体などの法人や団体に贈与することです。これにより、生前に抱いていた社会貢献への思いを実現し、特定の活動や事業を支援することができます。
遺贈寄付は、財産を渡す相手によって大きく「特定遺贈」と「包括遺贈」に分けられます。
* 特定遺贈:特定の財産(例:自宅の土地建物、預貯金のうち〇〇万円)を指定して寄付する方法です。寄付する財産を明確に指定できるため、誤解が生じにくいのが特徴です。
* 包括遺贈:財産の割合(例:全財産の〇〇%)を指定して寄付する方法です。遺言書作成後に財産の内容が変わっても対応しやすいですが、寄付先が相続人と同じ権利義務を持つため、他の相続人との調整が必要になる場合があります。
寄付先としては、以下のような団体が考えられます。
* NPO法人(特定非営利活動法人):社会的な課題解決に取り組む多様な分野の団体。
* 公益社団法人・公益財団法人:学術、芸術、医療、福祉など公益性の高い事業を行う法人。
* 地方公共団体:国や地方自治体。ふるさと納税制度を利用した遺贈寄付も可能です。
* 学校法人、社会福祉法人:教育や福祉の分野で活動する法人。
遺贈寄付NPOの選び方と注意点
寄付先を選ぶ際には、ご自身の関心のある分野や、支援したい活動内容に合致しているかを確認することが大切です。また、団体の信頼性や活動実績も重要な判断基準となります。
* 活動内容の透明性: 寄付金がどのように使われるのか、活動報告が公開されているかを確認しましょう。
* 財務状況の健全性: 団体の財務情報が公開されており、健全な運営が行われているかを確認しましょう。
* 認定NPO法人・公益法人: これらの法人は、一定の基準を満たし、税制上の優遇措置が受けられる場合が多いです。寄付する側も税制優遇を受けられる可能性があります。
* 事前相談の重要性: 遺贈寄付を受け入れている団体では、専門の窓口を設けている場合があります。事前に相談し、寄付の意向や財産の内容を伝えておくことで、スムーズな手続きにつながります。
遺贈寄付は、ご自身の意思を社会貢献へとつなぐ素晴らしい方法ですが、一方で家族の理解を得ることも非常に重要です。生前に家族と十分に話し合い、ご自身の思いを伝えておくことで、後のトラブルを避けることができます。
STEP別手順|遺贈寄付を実現するまでの流れ
遺贈寄付を行うには、遺言書の作成が不可欠です。ここでは、遺贈寄付を実現するための具体的なステップを順を追って解説します。

STEP1: 寄付先の選定と事前相談
まずは、ご自身の思いを託したい団体や活動を選びましょう。環境保護、医療支援、教育、文化振興など、多岐にわたる分野の中から、共感できる活動をしているNPO法人や公益法人、地方公共団体などを検討します。
ポイント:
* 選定した団体が遺贈寄付を受け入れているか、受け入れ体制が整っているかを確認します。
* 寄付先の窓口に事前に連絡し、遺贈の意向、寄付したい財産の種類、遺言書作成の意思などを相談しましょう。この段階で、寄付の使途に関する希望を伝えることも可能です。
* 団体によっては、遺言書作成に関する情報提供や、弁護士・司法書士の紹介を行っている場合もあります。
STEP2: 遺言書の作成準備
遺贈寄付は、遺言書にその旨を明記することで効力が発生します。遺言書は、民法で定められた形式に従って作成しなければ無効となるため、慎重な準備が必要です。
遺言書の種類:
* 公正証書遺言:公証役場で公証人が作成する遺言書です。証人2名以上の立ち会いのもと作成され、原本が公証役場に保管されるため、偽造や紛失のリスクが低く、最も安全で確実な方法とされています。
* 専門家によると: 公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思能力を確認しながら作成するため、後に「認知症で判断能力がなかった」と争われるリスクが低いという利点があります。
* 自筆証書遺言:遺言者自身が全文、日付、氏名を自筆し、押印する遺言書です。手軽に作成できますが、形式不備で無効になったり、紛失・偽造のリリスクがあったりする点に注意が必要です。2020年7月からは法務局で保管する制度も始まりました。
弁護士の見地:
「遺言書は『全財産を〇〇に』だけでは不十分」です。「全財産を長男に相続させる」という遺言書は一見有効に見えますが、遺留分(いりゅうぶん)を無視した内容だと、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクがあります。遺言書作成時は必ず遺留分を考慮した内容にすることが実務上の鉄則です。
⚠ 注意点: 遺留分は配偶者・子・直系尊属が対象。兄弟姉妹には遺留分なし(民法1042条)。
✕ よくある誤解: 「遺言書があれば揉めない」は誤り。内容次第では遺留分侵害額請求で争いが生じます。
根拠: 民法1042条〜1049条
ご家族がいらっしゃる場合、遺留分を侵害する内容の遺言書を作成すると、後のトラブルにつながる可能性があります。遺贈寄付を検討する際は、ご家族との話し合いを重ね、遺留分に配慮した内容とすることが望ましいでしょう。
STEP3: 遺言書の作成
選択した方法で遺言書を作成します。公正証書遺言の場合は、公証役場での手続きが必要です。自筆証書遺言の場合は、ご自身で作成し、必要であれば法務局に保管を依頼します。
弁護士の見地:
「認知症の親が作った遺言書の有効性」について、遺言能力(意思能力)がない状態で作成された遺言書は無効です。ただし「認知症=遺言無効」ではなく、作成時点の判断能力が問題となります。軽度認知症でも意思能力があれば有効な遺言は作れます。公証人が関与する公正証書遺言は意思確認プロセスがあるため有効性が高いです。
⚠ 注意点: 遺言作成時にはかかりつけ医の診断書・カルテを保存しておくと、後の紛争防止になります。
✕ よくある誤解: 認知症診断後は一切の法律行為ができないと思われているが、軽度であれば能力が認められるケースも多いです。
根拠: 民法963条、判例多数
ご自身の判断能力に不安がある場合は、医師の診断書を取得しておくなど、後のトラブルを避けるための対策を講じることが重要です。
STEP4: 遺言書の保管・執行者の選任
作成した遺言書は、安全に保管することが重要です。公正証書遺言の場合は公証役場に保管されます。自筆証書遺言の場合は、ご自身で保管するか、法務局の保管制度を利用しましょう。
また、遺言書に書かれた内容を故人の意思通りに実現する「遺言執行者」を選任することも検討しましょう。遺言執行者は、弁護士や司法書士などの専門家、または信頼できるご家族に依頼することができます。遺言執行者がいることで、手続きがスムーズに進み、相続人の負担を軽減できます。
STEP5: 遺言書の検認(自筆証書遺言の場合)
遺言者が亡くなった後、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きが必要です(法務局に保管された自筆証書遺言は検認不要)。検認は、遺言書の内容を相続人全員に確認させ、現状を保全するための手続きです。この手続きを経ずに遺言を執行すると、過料(罰金)が科される場合があります。
STEP6: 財産の寄付実行
遺言執行者が選任されている場合、執行者が遺言書の内容に従って、寄付先に財産を引き渡します。不動産の名義変更や預貯金の払い出しなど、必要な手続きを進めます。
【関連】遺言書の種類と選び方について詳しくはこちら
必要書類一覧チェックリスト
遺贈寄付の手続きを進める上で、様々な書類が必要になります。特に遺言書作成時には多くの書類を準備する必要がありますので、事前に確認し、漏れがないように準備しましょう。

遺言書作成時に必要な書類(公正証書遺言の場合)
□ 遺言者ご本人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
□ 遺言者ご本人の実印
□ 遺言者ご本人の戸籍謄本(発行から3ヶ月以内)
□ 遺贈寄付先の法人の登記事項証明書(法人登記簿謄本)
□ 寄付先の法人の代表者の資格証明書(代表者事項証明書など)
□ 寄付したい財産に関する資料(不動産登記簿謄本、固定資産評価証明書、預貯金通帳のコピー、有価証券の残高証明書など)
□ 証人2名以上の身分証明書と住民票(公証役場で紹介してもらうことも可能)
□ 遺言執行者を選任する場合は、その方の氏名・住所・生年月日がわかる書類
書類が揃わない場合の代替手段・猶予規定の解説
* 戸籍謄本や印鑑証明書が間に合わない場合: 市区町村役場の窓口で即日発行してもらえることが多いですが、遠方の場合や時間がない場合は、郵送請求も可能です。ただし郵送の場合は日数がかかるため、余裕をもって準備しましょう。
* 財産に関する資料: 不動産の評価証明書などは、毎年発行される時期が限られている場合があります。最新のものが手に入らない場合は、前年度のものでも公証人と相談の上、利用できることがあります。
* 証人が見つからない場合: 公証役場で証人を紹介してもらうことができます(別途費用がかかる場合があります)。
上記は一般的な例であり、具体的な状況や寄付内容によって必要な書類は異なります。必ず事前に公証役場や依頼する専門家、寄付先の団体に確認しましょう。
期限カレンダー|遺贈寄付に関する手続きのスケジュール
遺贈寄付に関する手続きには、明確な期限が設けられているものと、期限のないものがあります。特に遺言書作成はご自身の意思能力が求められるため、早めの準備が安心につながります。

| 手続き名 | 期限 | 窓口・担当者 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 遺言書作成 | 明確な期限なし | 公証役場、弁護士、司法書士 | ご自身の意思能力があるうちに。早めの準備が安心。 |
| 自筆証書遺言の法務局保管申請 | 明確な期限なし | 法務局 | 保管制度利用時。遺言書作成後いつでも可能。 |
| 自筆証書遺言の検認請求 | 遺言者の死亡後、速やかに | 家庭裁判所 | 法務局保管の遺言書は不要。 |
| 相続放棄の申述 | 相続の開始を知った日から3ヶ月以内 | 家庭裁判所 | 遺贈寄付により遺産が減り、相続人の負担が増える場合など。 |
| 遺言執行者の選任申立て | 明確な期限なし | 家庭裁判所 | 遺言書で指定がない場合、相続人等が申立て可能。 |
| 相続税の申告・納税 | 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内 | 税務署 | 遺贈寄付された財産は非課税となる場合が多い。 |
弁護士の見地:
「相続放棄の3ヶ月の起算点は『知った日』から」です。相続放棄の期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。死亡日からではなく、相続人が被相続人の死亡を知った日が起算点。また借金の存在を知らなかった場合、借金の存在を知った日から起算できるケースもあり、期限を過ぎても放棄できる場合があります。
⚠ 注意点: 3ヶ月の伸長申請(家庭裁判所)も可能。放棄を検討するなら早めに弁護士へ相談。
✕ よくある誤解: 「3ヶ月過ぎた=放棄できない」は必ずしも正しくない。事情によっては例外があります。
根拠: 民法915条・919条、最高裁昭和59年4月27日判決
ご自身の意思能力が衰える前に遺言書を作成することが最も重要です。また、ご自身の死後、遺贈寄付によって相続人の負担が増える可能性を考慮し、相続放棄の期限についても把握しておくことが大切です。
遺贈寄付にかかる費用と税制優遇
遺贈寄付には、遺言書作成費用や遺言執行費用などがかかります。また、遺贈寄付には税制上の優遇措置が設けられているため、その内容を理解しておくことも大切です。

遺贈寄付にかかる費用
| 項目 | 費用目安(参考値) | 備考 |
|---|---|---|
| 公正証書遺言作成費用 | 3万円〜10万円程度 | 遺贈する財産の価額、公証人手数料令に基づく。財産額が大きいほど高くなる傾向。 |
| 自筆証書遺言保管制度利用料 | 3,900円(2026年時点) | 法務局に保管する場合。 |
| 弁護士・司法書士への遺言書作成サポート費用 | 10万円〜30万円程度 | 遺言書の内容や専門家によって異なる。 |
| 遺言執行者への報酬 | 遺産総額の1〜3%程度 | 最低報酬額が設定されている場合が多い。内容や専門家によって異なる。 |
| 不動産の名義変更費用 | 登録免許税、司法書士報酬など | 遺贈する不動産の評価額や専門家報酬によって異なる。 |
※上記は参考値・目安です(地域・業者によって大きく異なります)。正確な費用は、依頼する専門家や公証役場に直接ご確認ください。
遺贈寄付の税制優遇
遺贈寄付は、税制上の優遇措置が適用される場合があります。これにより、寄付者側も寄付先側もメリットを享受できます。
-
寄付者(遺贈者)側の税制優遇
- 相続税の非課税: 遺言によって国や地方公共団体、特定の公益法人(認定NPO法人、公益社団法人・公益財団法人など)に寄付された財産は、相続税の課税対象から外れます。これにより、相続財産全体の相続税負担を軽減できる可能性があります。ただし、適用には一定の条件があります。
- 所得税の寄付金控除: 遺贈寄付ではなく、生前に寄付を行う「特定寄付」の場合に適用されます。遺言による寄付では、寄付者本人が控除を受けることはできません。
-
寄付先側の税制優遇
- 法人税の非課税: 遺贈寄付を受けたNPO法人や公益法人などは、その寄付金に対して法人税が非課税となる場合があります。これにより、寄付された資金を活動に最大限活用できます。
遺贈寄付 税制優遇 条件
相続税の非課税措置を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
* 寄付先が国、地方公共団体、または特定の公益法人(認定NPO法人、公益社団法人・公益財団法人など)であること。
* 相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)までに、実際に寄付が完了していること。
詳細な条件や手続きについては、税理士や税務署にご確認ください。
よくある失敗と対処法|家族の理解と遺留分に配慮
遺贈寄付は社会貢献につながる素晴らしい行為ですが、手続きやその後の相続において、いくつかの注意点があります。特に、ご家族の理解を得ることや、遺留分への配慮は非常に重要です。
家族の反対と遺贈寄付 家族 反対への対処法
遺贈寄付は、ご自身の財産を家族以外の団体に贈与する行為であるため、ご家族が「なぜ家族に遺さないのか」と反対するケースがあります。
対処法:
* 生前からの対話: ご自身の遺贈寄付への思いや、なぜその団体を支援したいのかを、生前からご家族に丁寧に説明し、理解を求めることが最も重要です。
* 遺留分への配慮: 遺留分(民法1042条)とは、法定相続人(配偶者、子、直系尊属)に最低限保証される遺産の割合です。この遺留分を侵害する内容の遺言書を作成すると、ご家族から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。遺留分を考慮した上で、遺贈する財産を決定することが、トラブルを避けるために不可欠です。
* 一部寄付の検討: 全財産を寄付するのではなく、一部を遺贈寄付とし、残りを家族に相続させるなど、バランスの取れた遺言内容を検討することも有効です。
遺言書の不備・無効化のリスク
遺言書は厳格な形式が求められるため、不備があると無効になる可能性があります。
対処法:
* 専門家への相談: 弁護士や司法書士に遺言書作成を依頼するか、公正証書遺言を選択することで、形式不備のリスクを大幅に減らせます。
* 意思能力の確保: 遺言作成時の意思能力が問われることがあります。特に高齢の方や認知症の診断を受けている方は、医師の診断書を準備するなど、意思能力があったことを証明する準備をしておきましょう。
期限を過ぎた場合の救済措置
遺贈寄付に関する手続きで、特に相続放棄の期限を過ぎてしまった場合など、救済措置が適用されるケースがあります。
対処法:
* 相続放棄の期限延長: 相続放棄の期限である「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」を過ぎてしまっても、家庭裁判所に申し立てることで、期間を伸長できる場合があります。
* 専門家への相談: 期限を過ぎてしまった場合でも、事情によっては対応が可能なケースがあります。諦めずに弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。
よくある書類ミス
遺言書作成時や遺言執行時に、必要書類の不備や記載ミスが発生することがあります。
対処法:
* チェックリストの活用: 上記の「必要書類一覧チェックリスト」などを活用し、必要な書類を事前に全て揃え、記載内容に誤りがないか複数回確認しましょう。
* 原本とコピーの区別: 必要な書類が原本かコピーかを確認し、間違えないように準備しましょう。
* 専門家の確認: 提出前に弁護士や司法書士に書類の確認を依頼することで、ミスのリスクを減らせます。
代行依頼する場合の流れと費用目安
遺贈寄付の手続きは、専門知識を要する部分が多く、ご自身で全てを行うには負担が大きいと感じる方もいらっしゃるでしょう。その場合、弁護士や司法書士、信託銀行などの専門家に代行を依頼することができます。
専門家の役割と選び方
- 弁護士: 遺言書作成の支援、遺言執行、遺留分侵害額請求など、相続全般に関する幅広い法的サポートが可能です。複雑なケースや相続人間で争いが生じる可能性がある場合に特に頼りになります。
- 司法書士: 遺言書作成の支援(公正証書遺言の作成補助、自筆証書遺言のチェック)、不動産の名義変更手続きなどが専門です。
- 信託銀行: 遺言書の保管、遺言執行、財産管理など、遺言に関する総合的なサービスを提供しています。
選び方のポイント:
* 実績と専門性: 遺贈寄付や相続に関する実績が豊富で、専門知識を持った事務所・機関を選びましょう。
* 費用: 事前に費用体系を明確に提示してくれるか確認しましょう。
* 相性: 担当者とのコミュニケーションがスムーズに行えるか、信頼できると感じられるかどうかも重要です。
* オンライン申請・マイナンバー活用の可否: 一部の手続きではオンライン申請やマイナンバーカードを活用できる場合がありますが、専門家への依頼では、多くの場合、書面での手続きが中心となります。オンライン対応の可否は、個別の依頼先にご確認ください。
代行依頼のメリット・デメリット
メリット:
* 手続きの確実性: 法律に基づいた正確な手続きが行われ、遺言書が無効となるリスクを減らせます。
* 精神的負担の軽減: 複雑な手続きや書類作成の負担から解放され、安心して任せることができます。
* トラブル回避: 遺留分や相続に関するトラブルを未然に防ぐためのアドバイスを受けられます。
デメリット:
* 費用: 専門家への報酬が発生するため、費用がかかります。
* 時間: 専門家との打ち合わせや書類準備に時間がかかる場合があります。
代行依頼の費用目安
| 依頼先 | サービス内容 | 費用目安(参考値) |
|---|---|---|
| 弁護士 | 遺言書作成、遺言執行、相続全般の相談 | 遺言書作成:10万円〜30万円程度 遺言執行:遺産総額の1〜3%程度(最低報酬あり) |
| 司法書士 | 遺言書作成(公正証書遺言の補助含む)、不動産登記 | 遺言書作成:5万円〜15万円程度 不動産登記:数万円〜(不動産の価額による) |
| 信託銀行 | 遺言書作成・保管、遺言執行、財産管理 | 遺言書作成・保管:10万円〜30万円程度 遺言執行:遺産総額の1〜3%程度(最低報酬あり) |
※上記は参考値・目安です(地域・業者によって大きく異なります)。サービス内容や遺産の規模によって変動しますので、複数の専門家から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1: 遺贈寄付は家族の同意がなくてもできますか?
A: 遺言書による遺贈寄付は、ご自身の意思に基づいて行うため、法的には家族の同意は必須ではありません。しかし、遺留分(民法1042条)を侵害する内容の場合、家族から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。後のトラブルを避けるためにも、生前に家族と話し合い、理解を得る努力をすることが望ましいでしょう。
Q2: 遺贈寄付した財産に税金はかかりますか?
A: 国や地方公共団体、特定の公益法人(認定NPO法人、公益社団法人・公益財団法人など)に遺贈寄付された財産は、相続税の非課税対象となります。これにより、遺贈者側の相続税負担が軽減される場合があります。ただし、適用には条件がありますので、詳細は税理士や税務署にご確認ください。
Q3: 遺言書がない場合でも遺贈寄付は可能ですか?
A: いいえ、遺言書がない場合は遺贈寄付を行うことはできません。遺贈寄付は、遺言書を通じてご自身の財産を団体に贈与する行為であるため、遺言書が必須となります。遺言書がない場合、財産は法定相続人に相続されます。
Q4: 寄付先のNPOが倒産したらどうなりますか?
A: 遺言者が亡くなる前に寄付先団体が倒産・消滅した場合、その遺贈は効力を失い、遺贈予定だった財産は法定相続人に相続されます。遺言執行中に寄付先が倒産した場合も同様です。このような事態に備え、遺言書に第二の寄付先を予備的に指定しておくことも一つの方法です。
Q5: 遺言書作成後に心境が変わった場合、変更できますか?
A: はい、遺言書は何度でも変更・撤回することができます。新しい遺言書を作成することで、以前の遺言書の内容を変更したり、全て撤回したりすることが可能です。ただし、変更・撤回も民法で定められた形式に従って行う必要がありますので、専門家に相談することをおすすめします。
遺贈寄付の手続きは、ご自身の思いを形にする大切なプロセスです。複雑な手続きや書類準備に不安を感じる場合は、一人で抱え込まず、まず専門家へ相談することをおすすめします。専門家へ相談するだけでも、具体的な見通しが立ち、焦らず手続きを進めることができます。
まとめ|一人で抱え込まず、窓口を頼ってください
遺贈寄付は、ご自身の生きた証を社会貢献へとつなぐ、非常に意義深い行為です。しかし、その手続きは遺言書の作成から財産の引き渡し、税制上の配慮まで多岐にわたり、複雑に感じられるかもしれません。

この記事で解説したポイントを改めて確認し、あなたの遺贈寄付がスムーズに進むよう、ぜひご活用ください。
【遺贈寄付の手続きチェックリスト】
□ 遺贈寄付の目的と寄付先を明確にする
□ 寄付先団体と事前に相談し、受け入れ体制を確認する
□ 遺言書の種類(公正証書遺言か自筆証書遺言か)を決定する
□ 遺言書作成に必要な書類を準備する
□ 遺留分に配慮した遺言内容を検討し、家族と話し合う
□ 遺言執行者を選任するか検討する
□ 必要に応じて、弁護士や司法書士などの専門家に相談・依頼する
大切な方を亡くされたばかりの方、ご自身の終活を検討されている方にとって、手続きは精神的な負担を伴うものです。すべてを一人で抱え込まず、公証役場や寄付先の団体、そして弁護士や司法書士といった専門家、さらには信頼できるご家族を頼ってください。あなたの尊い思いが、確実に未来へとつながるよう、心から願っています。
【関連】遺言書に関する総合ガイドはこちら
この記事の監修について
本記事は「お葬式.info 編集部」が、行政書士・司法書士・葬儀業界経験者・僧侶を含む監修者チームの助言のもと、公的統計・法令・専門書を根拠に作成しています。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。編集方針・監修者一覧は編集ポリシーをご確認ください。
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。費用・制度は変更される場合がありますので、最新情報は各専門家・行政機関へご確認ください。
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