大切な方を亡くされ、心身ともにお辛い状況の中、新NISAに関する相続手続きについてお調べになっていることと存じます。慣れない手続きの連続で、何から手をつければ良いのか、不安を感じていらっしゃるかもしれません。
この手続きは複雑に見えますが、一つずつ順を追って進めれば必ず完了できます。すべてを一人で抱え込まず、ご自身のペースで、時には専門家や証券会社の窓口を頼りながら進めていくことが大切です。
【PR】本記事にはプロモーションが含まれます。【2026年最新】新NISAを相続する手続き完全ガイド|未売却・移管・取得価額の注意点
新NISA口座で保有していた金融商品を相続する際、故人様の死亡日を基準とした評価や、未売却のまま移管する際の手続き、取得価額の引継ぎなど、特有のルールがあります。旧NISAと新NISAでは制度設計に違いがあるため、相続手続きにも細かな違いが生じる可能性があります。
本記事では、新NISAの相続手続きにおける具体的なステップ、必要書類、そして知っておくべき期限や注意点を詳しく解説します。
この記事でわかること / まず確認すべき期限
新NISAの相続手続きでは、死亡日を基準とした評価や、相続後の課税関係が重要なポイントになります。まずは、特に確認すべき期限と手続きの概要を把握しましょう。
- 死亡日時点の評価額確認: 相続税の申告には、故人様が亡くなった日の評価額が必要です。
- 証券会社への連絡: 速やかに故人様のNISA口座がある証券会社へ連絡し、指示を仰ぎます。
- 相続税の申告・納付期限: 原則として、故人様の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
新NISAの相続における基本的な考え方
新NISA口座内の資産は、故人様が亡くなった時点で「相続財産」となります。NISA制度は、本来、個人の非課税投資枠を定めたものであり、この非課税枠は相続人に引き継がれません。そのため、相続されたNISA資産は、相続人の課税口座(特定口座または一般口座)へ移管されるのが一般的です。
この際、故人様の「死亡日」が非常に重要な基準となります。
新NISA 相続 死亡日基準で評価された資産が、相続財産として扱われ、相続税の評価対象となるためです。また、相続人が受け継いだ後の取得価額は、この死亡日時点の評価額が引継ぎされます。
STEP別手順|新NISAの相続手続きの流れ
新NISAの相続手続きは、証券会社への連絡から始まり、必要書類の提出、そして相続方法の選択へと進みます。ここでは、具体的なステップを順を追って解説します。

STEP1:証券会社への死亡連絡と口座凍結
故人様が亡くなったら、まずは故人様がNISA口座を開設していた証券会社に連絡します。連絡すると、証券会社は故人様の口座を凍結し、取引ができなくなります。これは、不正な引き出しを防ぎ、相続財産を保全するための措置です。
- 所要時間目安: 数分〜数日(連絡から凍結完了まで)
- 窓口: 故人様の証券会社
- 備考: 口座番号や故人様のお名前、生年月日などを伝えます。
STEP2:必要書類の準備と提出
証券会社に連絡後、指示された必要書類を準備し、提出します。書類は多岐にわたるため、事前にリストアップし、漏れがないように確認しましょう。
- 所要時間目安: 1週間〜1ヶ月程度(書類収集期間)
- 窓口: 故人様の証券会社
- 備考: 取得に時間がかかる書類もあるため、早めに着手することをおすすめします。
STEP3:相続方法の選択(移管・売却・課税口座への払い出し)
新NISAの相続においては、主に以下の3つの選択肢があります。
- 相続人名義の課税口座への移管(未売却のまま引継ぎ):
故人様が保有していた金融商品を、未売却のまま相続人自身の特定口座または一般口座へ移管する方法です。この場合、死亡日時点の評価額が新たな取得価額となります。移管後は、通常の課税口座と同様に、売却益や配当金に対して課税されます。 - 売却して現金で受け取る:
証券会社が故人様の口座で保有していた金融商品を売却し、その売却代金を現金で相続人が受け取る方法です。売却は通常、証券会社が代行しますが、死亡日以降の売却益には課税されます。 - 証券会社からの払い出し:
故人様のNISA口座から、相続人の課税口座を経由せずに直接現金で払い出すケースもありますが、これは稀で、多くは上記2つのいずれかとなります。
新NISA 相続 取得価額 引継ぎについては、死亡日時点の時価が取得価額となるため、その後の値上がり益に対して課税されることになります。つみたてNISA 相続 課税についても同様で、非課税メリットは相続時に終了し、課税口座に移管されます。
STEP4:取得価額の確認と評価
相続した新NISA資産の取得価額は、故人様の死亡日時点の時価となります。この死亡日時点の評価額は、相続税を計算する上での基準となり、また、相続人が将来その資産を売却する際の課税所得を計算する上での基準にもなります。
証券会社から発行される「残高証明書」や「取引報告書」などで、死亡日時点の評価額を確認しましょう。この評価額が、新NISA 相続税 評価の対象となります。
必要書類一覧チェックリスト
新NISAの相続手続きには、多くの書類が必要です。抜け漏れがないように、以下のチェックリストを活用してください。証券会社によって必要書類が異なる場合があるため、必ず事前に確認しましょう。

【故人様に関する書類】
□ 故人様の戸籍謄本(出生から死亡まで連続したもの)
□ 故人様の住民票除票
□ 故人様の印鑑登録証明書(有効期限内のもの)
□ 故人様のNISA口座開設時の書類一式(証券会社の取引報告書など)
□ 故人様のマイナンバー関連書類(通知カード、個人番号カードなど)
【相続人に関する書類】
□ 相続人全員の戸籍謄本
□ 相続人全員の印鑑登録証明書(有効期限内のもの)
□ 相続人全員の住民票
□ 相続人全員のマイナンバー関連書類
□ 相続人代表者の銀行口座情報(金融機関名、支店名、口座種別、口座番号)
【相続財産に関する書類】
□ 遺産分割協議書(遺言書がない場合、相続人全員で協議して作成)
□ 遺言書(公正証書遺言、自筆証書遺言など)
□ 証券会社発行の残高証明書(死亡日時点のもの)
□ 証券会社発行の取引報告書(過去のNISA取引履歴を確認するため)
□ 相続関係説明図(戸籍謄本に基づいて作成、任意)
【その他】
□ 証券会社所定の相続手続き依頼書
□ 証券会社所定の口座振替依頼書
【関連】 遺産分割協議書について詳しくはこちら
期限カレンダー|新NISA相続で〇日以内にやること一覧
新NISAの相続手続きには、いくつかの重要な期限があります。これらの期限を意識して、計画的に手続きを進めましょう。

| 手続き名 | 期限 | 窓口 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 死亡届の提出 | 死亡を知った日から7日以内 | 市区町村役場 | 日本国内で死亡した場合。国外の場合は3ヶ月以内。戸籍法86条 |
| 故人様のNISA口座の証券会社への連絡 | できるだけ速やかに | 故人様の証券会社 | 口座凍結、その後の手続き案内のため |
| 遺言書の検認請求(自筆証書遺言の場合) | できるだけ速やかに | 故人様の住所地を管轄する家庭裁判所 | 遺言書の偽造・変造を防ぐため。民法1004条 |
| 相続放棄の申述 | 自己のために相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内 | 故人様の住所地を管轄する家庭裁判所 | 熟慮期間の伸長も可能。民法915条 |
| 所得税の準確定申告 | 相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内 | 故人様の住所地を管轄する税務署 | 故人様の所得に関する確定申告。所得税法124条 |
| 相続税の申告・納付 | 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内 | 故人様の住所地を管轄する税務署 | 遺産分割協議がまとまらない場合も、一旦法定相続分で申告・納付が必要。相続税法27条 |
| 新NISA資産の移管・売却手続き | 証券会社の指示に従う | 故人様の証券会社 | 相続税申告期限までに完了させるのが望ましい |
| 相続登記の申請(不動産がある場合) | 相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内(2024年4月1日〜義務化) | 不動産の所在地を管轄する法務局 | 義務化の対象。不動産登記法76条の2 |
法定・行政期限の出典:
* 戸籍法86条(死亡の届出)
* 民法915条(相続の承認及び放棄をすべき期間)
* 民法1004条(遺言書の検認)
* 所得税法124条(死亡した者の確定申告)
* 相続税法27条(相続税の申告)
* 不動産登記法76条の2(相続登記の申請義務等)
よくある失敗と対処法
新NISAの相続手続きでは、思わぬ落とし穴に遭遇することもあります。ここでは、よくある失敗例とその対処法をご紹介します。
死亡日以降の売却はNG
新NISA口座は、故人様が亡くなった時点で非課税のメリットが失われ、口座は凍結されます。もし死亡日以降に故人様の口座で勝手に株などを売却してしまうと、その売却益は非課税とはならず、相続財産の処分行為とみなされる可能性があります。これは、相続放棄を検討している場合には特に注意が必要です。
相続放棄と遺品整理の落とし穴
故人様に借金などがあり、相続放棄を検討している場合、遺品整理には細心の注意が必要です。
弁護士の見地:
孤独死などで賃貸物件の原状回復や特殊清掃費用が発生した場合、大家から相続人に請求されることがあります。しかし、原則として相続放棄をすれば賠償義務を負いません。ただし、相続放棄をする前に遺品整理や故人様の財産(遺品を含む)を売却するなどの「相続財産の処分行為」をしてしまうと、民法921条に定める「法定単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなるリスクがあります。
「遺品を少し整理しただけ」という認識でも、法定単純承認に該当する可能性があるため、遺品整理業者へ依頼する前に必ず相続放棄の可否について弁護士に確認することが重要です。
【関連】相続放棄について詳しくはこちら
相続登記義務化への対応漏れ
2024年4月1日から相続登記が義務化されました。故人様が不動産を所有していた場合、相続を知った日から3年以内に登記しないと、10万円以下の過料の対象となります。
司法書士の見地:
過去に相続した未登記不動産も義務化の対象となり、施行日(2024年4月1日)から3年の猶予期間があります。相続人が多い、所在不明者がいる、遺産分割が未了といった複雑なケースでは、2024年4月から新設された「相続人申告登記」という簡易な制度を活用できる場合があります。
「自分でできる」と思われがちですが、登記簿謄本、固定資産評価証明書、遺産分割協議書など、必要書類が多く、専門家である司法書士に依頼する方が効率的かつ確実です。
【関連】相続登記の義務化について詳しくはこちら
代行依頼する場合の流れ・費用目安
複雑な新NISAの相続手続きや、その他の相続手続きは、専門家に代行を依頼することも可能です。時間や精神的な負担を軽減できるため、検討してみるのも良いでしょう。
専門家への相談タイミング
相続手続きは多岐にわたるため、いつどの専門家に相談すれば良いか迷うかもしれません。
- 相続財産の調査・遺産分割協議: 弁護士
- 相続放棄・遺言書作成: 弁護士
- 不動産の相続登記: 司法書士
- 相続税の申告: 税理士
- 死後事務全般: 行政書士
新NISA 相続 課税に関する税務上の相談は税理士に、新NISA 相続 移管や取得価額に関する手続きの相談は、まず証券会社に、必要に応じて税理士や弁護士に相談すると良いでしょう。旧NISA 新NISA 相続 違いについても、制度の移行期であるため、専門家に確認することをおすすめします。
費用相場と依頼先の選び方
専門家に依頼する場合の費用は、依頼内容や相続財産の規模、複雑さによって大きく異なります。

| 専門家 | 依頼内容の例 | 費用目安(参考値) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 遺産分割協議の代理、相続放棄、相続トラブル対応 | 着手金20万〜50万円程度+成功報酬(解決額の数%) | 事案の複雑さ、争いの有無による |
| 司法書士 | 不動産の相続登記、相続人申告登記、遺言書検認の申立て | 5万〜15万円程度(不動産1筆・建物1棟の場合) | 不動産の数や評価額による |
| 税理士 | 相続税の申告・納税、節税対策 | 遺産総額の0.5%〜1%程度(最低10万円〜30万円程度) | 遺産総額や評価の複雑さによる |
| 行政書士 | 遺産分割協議書作成、相続関係説明図作成、死後事務委任契約 | 5万〜20万円程度(個別の書類作成による) | 財産調査や手続き代行の範囲による |
費用はあくまで参考値であり、地域や事務所によって大きく異なります。複数の専門家から見積もりを取り、サービス内容や実績を比較検討することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1:新NISA口座の資産は相続税の対象になりますか?
A:はい、新NISA口座の資産も相続税の対象となります。NISAの非課税メリットは故人様のものであり、相続人に引き継がれる際に非課税枠は適用されません。故人様の死亡日時点の評価額が相続財産として計上され、相続税の計算対象となります。
Q2:旧NISAと新NISAで相続手続きに違いはありますか?
A:基本的な相続手続きの流れに大きな違いはありませんが、制度設計が異なるため、細かな取り扱いが異なる場合があります。特に、新NISAは非課税保有限度額の再利用が可能であるなどの特徴がありますが、相続時には非課税枠が引き継がれない点は共通です。具体的な違いについては、故人様が利用していた証券会社に直接確認するのが最も確実です。
Q3:未売却のNISA資産はどのように評価されますか?
A:未売却のNISA資産は、故人様の死亡日時点の時価(市場価格)で評価されます。この評価額が相続税の計算における財産評価額となり、また、相続人がその資産を自身の課税口座に移管した場合の「取得価額」として引き継がれます。
Q4:相続人が複数いる場合、どのように手続きを進めますか?
A:相続人が複数いる場合は、まず全員で遺産分割協議を行い、故人様のNISA資産を誰が相続するかを決定します。遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、その内容に基づいて証券会社に手続きを依頼します。遺産分割協議書には、相続人全員の実印と印鑑登録証明書が必要です。
Q5:相続人が海外に住んでいる場合の手続きは?
A:相続人が海外に住んでいる場合でも、基本的な手続きは同様ですが、書類の準備や郵送、連絡に時間がかかることがあります。海外在住の相続人の場合、日本の住民票や印鑑登録証明書に代わる「サイン証明書」や「在留証明書」などが必要となる場合があります。事前に証券会社に確認し、必要な書類を準備しましょう。また、海外からの手続きが難しい場合は、日本の弁護士や司法書士に手続き代行を依頼することも可能です。
大切な方を亡くされた直後の手続きは、心身ともに大きな負担となります。新NISAの相続手続きは複雑な側面も多いため、一人で抱え込まず、専門家や証券会社の窓口に相談することもご検討ください。まず話を聞いてもらうだけでも、具体的な方向性が見え、焦らずに手続きを進められるでしょう。
まとめ|一人で抱え込まず、窓口を頼ってください
新NISAの相続手続きは、故人様の死亡日を基準とした評価や、課税口座への移管、取得価額の引継ぎなど、通常の相続とは異なる専門知識が必要となる場合があります。
本記事で解説したSTEP別手順や必要書類、期限カレンダーを参考に、一つずつ着実に手続きを進めていきましょう。

新NISA相続手続きチェックリスト
□ 故人様の証券会社へ連絡し、口座凍結の依頼と必要書類の確認
□ 故人様の戸籍謄本など、相続関係を証明する書類の準備
□ 相続人全員の身分証明書、印鑑登録証明書などの準備
□ 遺言書の有無を確認し、自筆証書遺言の場合は家庭裁判所での検認を検討
□ 相続放棄の検討が必要な場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述
□ 新NISA資産の移管・売却・払い出しのいずれかを選択
□ 相続税の申告・納付を10ヶ月以内に行う(必要に応じて税理士に相談)
□ 不動産がある場合は、相続登記の義務化(2024年4月〜)に対応
□ 困った際は、弁護士、司法書士、税理士などの専門家への相談を検討
すべてを一人で解決しようとせず、証券会社の担当者や、必要に応じて弁護士、司法書士、税理士といった専門家を頼ることが、心穏やかに手続きを進めるための大切な一歩です。
【関連】死後手続きの全体像を把握したい方はこちら:死後手続きの完全ガイド
この記事の監修について
本記事は「お葬式.info 編集部」が、行政書士・司法書士・葬儀業界経験者・僧侶を含む監修者チームの助言のもと、公的統計・法令・専門書を根拠に作成しています。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。編集方針・監修者一覧は編集ポリシーをご確認ください。
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。費用・制度は変更される場合がありますので、最新情報は各専門家・行政機関へご確認ください。
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