大切なご家族の将来や、ご自身の老後の安心について考え始める時、不安を感じるのは自然なことです。特に認知症への備えは、多くの方が関心を寄せるテーマでしょう。ご自身が判断能力を失ってしまった時、財産管理や介護の手続きを誰に任せるか、どのように進めるべきか、お悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、認知症になる前にご自身で将来に備えることができる「任意後見制度」について、手続きの流れ、かかる費用、必要な書類、そして法定後見制度との違いを分かりやすく解説します。
すべてを一人で抱え込む必要はありません。この記事を通じて、任意後見制度の全体像を掴み、もし不安な点があれば、専門家や窓口を頼るきっかけにしていただければ幸いです。
【PR】本記事にはプロモーションが含まれます。認知症になる前に備える「任意後見制度」とは?法定後見との違い
任意後見制度は、ご自身が元気なうちに、将来判断能力が不十分になった場合に備えて、誰にどのような支援をしてもらいたいかをあらかじめ契約で決めておく制度です。この契約を「任意後見契約」と呼び、支援を任せる相手を「任意後見人」と言います。
この制度の大きなメリットは、ご自身の意思を尊重して、信頼できる人に財産管理や生活に関する事務(介護施設との契約、医療費の支払いなど)を委ねられる点です。
任意後見制度の基本
任意後見契約は、ご自身が選んだ任意後見人に対し、特定の事柄について代理権を与える契約です。具体的には、以下のような内容を契約で定めます。
- 財産管理:預貯金の管理、不動産の売買、公共料金の支払いなど。
- 身上監護(しんじょうかんご):介護や医療に関する契約、施設への入所手続き、日用品の購入など。
任意後見契約は、必ず公正証書で作成することが民法で義務付けられています(民法第424条第1項)。これにより、契約内容の明確化と法的効力の確保が図られます。
実際に任意後見が開始されるのは、ご本人の判断能力が不十分になったと家庭裁判所が判断し、「任意後見監督人(にんいこうけんかんとくにん)」を選任した時点からです。任意後見監督人は、任意後見人が適切に職務を行っているかを監督する役割を担います。
法定後見制度との違い
任意後見制度とよく比較されるのが「法定後見制度」です。両者の主な違いを理解することは、ご自身に合った制度を選ぶ上で非常に重要です。
| 項目 | 任意後見制度 | 法定後見制度 |
|---|---|---|
| 利用開始時期 | ご本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時点 | ご本人の判断能力が不十分になった後、家庭裁判所が後見人等を選任した時点 |
| 後見人の選任 | ご本人が元気なうちに、ご自身で任意後見人を選任 | 家庭裁判所がご本人の状況に応じて後見人等を選任(親族が選ばれることも) |
| 契約内容・権限 | ご本人が元気なうちに、契約で内容を自由に決定 | 法律で定められた権限(財産管理、身上監護)を家庭裁判所が決定 |
| 監督人 | 任意後見監督人が必ず選任される | 原則として監督人は選任されない(必要に応じて選任) |
| 費用 | 公証役場での契約費用、任意後見監督人への報酬など | 申立て費用、鑑定費用、後見人等への報酬など |
| 取り消し | 原則として任意後見監督人選任後はできない(正当な理由があれば解除可) | 家庭裁判所の判断による |
法定後見制度は、すでに判断能力が不十分になってしまった方が利用する制度で、家庭裁判所が本人の状況に応じて「後見人」「保佐人」「補助人」を選任します。後見人は、ご本人の意思ではなく、裁判所の判断で選ばれるため、ご自身の意向を反映させたい場合は、認知症になる前に任意後見契約を結ぶことが大切です。

【関連】法定後見制度について詳しくはこちら
STEP別手順|任意後見契約手続きの流れ
任意後見契約を結び、実際に後見が開始されるまでにはいくつかのステップがあります。ご自身のペースで、一つずつ確認していきましょう。
STEP1:任意後見人を選ぶ
まず、最も重要なのが、将来ご自身の財産管理や身上監護を任せたい「任意後見人」を選ぶことです。任意後見人には、特別な資格は必要ありません。ご家族、親族、友人など、ご自身が信頼できる人であれば誰でも選任できます。ただし、未成年者や破産者などは任意後見人にはなれません(民法第426条)。
選任のポイントは、財産管理能力があるか、ご自身の生活状況や価値観を理解してくれるか、そして何よりも誠実に職務を遂行してくれる信頼関係があるか、という点です。
STEP2:公証役場で任意後見契約を締結する
任意後見契約は、必ず公証役場で公正証書として作成します。公証役場では、公証人が契約内容をご本人と任意後見人になる方からヒアリングし、契約書を作成してくれます。
契約締結時には、ご本人と任意後見人になる方が公証役場に出向き、本人確認書類や印鑑証明書などを持参する必要があります。この際、公証人がご本人の意思能力(契約内容を理解し、判断する能力)を確認します。
弁護士の見地: 認知症と診断された後でも、軽度であれば意思能力が認められるケースも多いです。公証人が関与する公正証書遺言(または任意後見契約)は、意思確認プロセスがあるため有効性が高いと言えます。遺言作成時には、かかりつけ医の診断書やカルテを保存しておくと、後の紛争防止に役立ちます。
公証役場での手続きが完了すると、契約内容は法務局に登記されます。これにより、第三者も任意後見契約が締結されていることを確認できるようになります。
STEP3:任意後見監督人選任の申立て
ご本人の判断能力が不十分になったと認められる状態になったら、家庭裁判所に「任意後見監督人選任の申立て」を行います。この申立ては、ご本人、配偶者、四親等内の親族、または任意後見人になる方が行うことができます。
申立ての際には、医師の診断書やご本人の財産に関する書類など、様々な書類を提出する必要があります。家庭裁判所はこれらの書類や面談を通じて、ご本人の判断能力の状態を確認し、任意後見監督人を選任します。
STEP4:任意後見開始
家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時点で、任意後見契約の効力が発生し、任意後見が開始されます。任意後見人は、契約で定めた内容に従って、ご本人の財産管理や身上監護の事務を開始します。
任意後見監督人は、任意後見人が適切に職務を行っているかを定期的にチェックし、家庭裁判所に報告します。これにより、任意後見人による不正や不適切な対応を防ぐ仕組みが機能します。
任意後見契約にかかる費用目安と内訳
任意後見契約には、いくつかの費用が発生します。ここでは、それぞれの費用の目安と内訳をご紹介します。地域や依頼する専門家によって費用は大きく異なるため、あくまで参考としてご確認ください。
公証役場での費用
任意後見契約を公正証書で作成する際に、公証役場に支払う費用です。
- 基本手数料:約11,000円
- 登記嘱託手数料:約1,400円(法務局への登記を公証人が嘱託する費用)
- 印紙代:約2,000円
- 正本・謄本代:約250円/枚
合計で15,000円〜20,000円程度が目安となります。
任意後見監督人の報酬
任意後見監督人は、任意後見が開始された後に家庭裁判所が選任する人で、任意後見人の職務を監督します。この任意後見監督人には、原則として報酬を支払う必要があります。
- 月額報酬:2万円〜3万円程度が目安です。
- ご本人の財産額や任意後見監督人の職務内容によって変動します。
- ご本人の財産が5,000万円を超える場合は、月額5万円程度になることもあります。
この報酬は、任意後見開始後にご本人の財産から支払われることになります。
専門家への依頼費用
ご自身で手続きを進めるのが不安な場合や、複雑な契約内容を検討したい場合は、弁護士や司法書士といった専門家に相談・依頼することができます。
- 相談費用:無料〜1時間5,000円程度
- 契約書作成支援費用:5万円〜20万円程度
- 契約内容の検討、公証役場での手続きサポートなど。
- 任意後見人就任費用:専門家が任意後見人になる場合の費用。月額2万円〜5万円程度が目安です。
- 財産管理や身上監護の事務を専門家が代行する場合に発生します。
これらの費用は、依頼する専門家や依頼内容によって大きく異なります。事前に見積もりを取ることをお勧めします。

| 費用の種類 | 目安金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 公証役場での契約費用 | 15,000円〜20,000円 | 基本手数料、登記嘱託手数料、印紙代など |
| 任意後見監督人の報酬 | 月額20,000円〜30,000円 | 任意後見開始後、ご本人の財産から支払われる |
| 専門家への相談費用 | 無料〜5,000円/時間 | 初回相談を無料としている事務所も多い |
| 専門家への契約書作成支援費用 | 50,000円〜200,000円 | 契約内容の複雑さや依頼範囲により変動 |
| 専門家が任意後見人になる場合の報酬 | 月額20,000円〜50,000円 | 専門家が財産管理・身上監護を行う場合 |
任意後見契約に必要な書類チェックリスト
任意後見契約の締結や任意後見監督人選任の申立てには、様々な書類が必要です。手続きをスムーズに進めるために、早めに準備を始めましょう。
契約締結時に必要な書類
公証役場で任意後見契約を締結する際に、ご本人と任意後見人になる方がそれぞれ準備する書類です。
□ ご本人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
□ ご本人の印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
□ ご本人の実印
□ ご本人の戸籍謄本(発行後3ヶ月以内のもの)
□ ご本人の住民票(発行後3ヶ月以内のもの)
□ 任意後見人になる方の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
□ 任意後見人になる方の印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
□ 任意後見人になる方の実印
□ 任意後見人になる方の住民票(発行後3ヶ月以内のもの)
□ 任意後見契約書案(ご自身で作成する場合)
任意後見監督人選任申立てに必要な書類
ご本人の判断能力が不十分になり、任意後見を開始する際に、家庭裁判所に提出する書類です。
□ 任意後見監督人選任申立書
□ 申立人(ご本人、配偶者、四親等内の親族、任意後見人予定者など)の戸籍謄本
□ ご本人の戸籍謄本
□ ご本人の住民票
□ 任意後見契約公正証書の写し
□ ご本人の財産に関する資料(預貯金通帳の写し、不動産の登記簿謄本、有価証券の残高証明書など)
□ ご本人の収支に関する資料(年金振込通知書、給与明細、医療費の領収書など)
□ ご本人の健康状態に関する資料(医師の診断書、介護保険認定書など)
□ 任意後見人予定者の住民票
□ 任意後見人予定者の身分証明書(破産者ではないことの証明書)
□ 任意後見人予定者の戸籍謄本(場合によっては不要)
これらの書類は、家庭裁判所のウェブサイトで最新の情報を確認し、準備を進めることが重要です。
期限カレンダー|任意後見手続きのスケジュール
任意後見契約自体に厳密な期限はありませんが、任意後見監督人の選任申立てなど、手続きの各段階で必要な期間や注意点があります。
| 手続き名 | 目安期間/期限 | 窓口 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 任意後見人選任 | 随時 | ご本人と任意後見人予定者 | ご本人が意思能力があるうちに |
| 公証役場での契約締結 | 書類準備後1ヶ月程度 | 公証役場 | 公正証書作成 |
| 法務局への任意後見登記 | 公証役場での契約締結後、公証人が嘱託 | 法務局 | 契約内容が公示される |
| 任意後見監督人選任申立て | ご本人の判断能力が不十分になった後、速やかに | 家庭裁判所 | 申立てから選任まで1〜3ヶ月程度 |
| 任意後見開始 | 任意後見監督人選任後 | 家庭裁判所 |
弁護士の見地: 相続放棄の期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。死亡日からではなく、相続人が被相続人の死亡を知った日が起算点となります。また、借金の存在を知らなかった場合、借金の存在を知った日から起算できるケースもあり、期限を過ぎても放棄できる場合があります(民法915条、最高裁昭和59年4月27日判決)。任意後見とは異なりますが、期限に関する重要な情報として知っておくと安心です。3ヶ月の伸長申請(家庭裁判所)も可能ですので、放棄を検討するなら早めに弁護士へ相談することをお勧めします。
よくある失敗と対処法|取り消しや契約解除はできる?
任意後見契約は将来にわたる重要な契約だからこそ、事前にリスクや注意点を理解しておくことが大切です。
遺言書との内容の不一致によるトラブル
任意後見契約と遺言書の両方を作成している場合、その内容に矛盾があるとトラブルの原因になることがあります。例えば、任意後見契約で特定の財産処分を委任しているにもかかわらず、遺言書でその財産を別の人物に遺贈すると定めているようなケースです。
弁護士の見地: 遺言書は「全財産を長男に相続させる」といった内容だけでは不十分な場合があります。遺留分(いりゅうぶん)を無視した内容だと、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクがあります。遺言書作成時は必ず遺留分を考慮した内容にすることが実務上の鉄則です。遺留分は配偶者・子・直系尊属が対象で、兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条)。「遺言書があれば揉めない」という誤解もよくありますが、内容次第では遺留分侵害額請求で争いが生じる可能性もあります。
対処法: 任意後見契約と遺言書を作成する際は、必ず内容を整合させましょう。定期的に見直し、状況の変化に合わせて修正することも重要です。専門家と相談しながら作成することで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
任意後見契約の解除・取り消しについて
任意後見契約は、原則として、任意後見監督人が選任され、任意後見が開始された後は、一方的に解除することはできません。これは、ご本人の保護を目的としているためです。
- 任意後見開始前:ご本人の判断能力があるうちは、いつでも合意によって解除できます。また、一方的に解除したい場合は、公証役場で公正証書の形で解除通知を行う必要があります。
- 任意後見開始後:正当な理由(任意後見人の不正行為、任意後見監督人との対立など)がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て解除することができます(民法第452条)。
任意後見 取り消し できる?
任意後見契約の「取り消し」は、契約の意思表示に瑕疵(詐欺、強迫など)があった場合に限定されます。一般的には、上記のように「解除」という形で契約を終了させることになります。
認知症と遺言能力の判断
ご自身が認知症と診断された後に遺言書を作成した場合、その有効性が争われることがあります。
弁護士の見地: 遺言能力(意思能力)がない状態で作成された遺言書は無効です。ただし、「認知症=遺言無効」ではなく、作成時点の判断能力が問題となります。軽度認知症でも意思能力があれば有効な遺言は作れます。公証人が関与する公正証書遺言は意思確認プロセスがあるため有効性が高いと言えます。認知症診断後も一切の法律行為ができないと思われがちですが、軽度であれば能力が認められるケースも多いです。
対処法: 認知症の診断を受けている方が遺言書を作成する際は、必ず医師の診断書やカルテを保存しておきましょう。遺言作成時のご本人の精神状態を記録しておくことで、後の紛争を防ぐ有力な証拠となります。
専門家へ依頼する場合の流れと費用目安
任意後見契約の手続きは、ご自身で進めることも可能ですが、法律的な知識が必要となる場面も多く、専門家に依頼することで安心かつスムーズに進めることができます。
依頼できる専門家
任意後見契約に関する手続きをサポートしてくれる専門家には、主に以下の種類があります。
- 弁護士:法律全般の専門家であり、複雑な契約内容の検討や、将来的な紛争予防に関するアドバイス、家庭裁判所での申立て手続きの代理が可能です。任意後見人として就任することもできます。
- 司法書士:登記手続きや家庭裁判所への書類作成・提出の専門家です。任意後見契約の公正証書作成サポートや、任意後見監督人選任申立て書類の作成を依頼できます。任意後見人として就任することも可能です。
- 行政書士:書類作成の専門家であり、任意後見契約書の原案作成や、公証役場での手続きに関する相談が可能です。ただし、登記や裁判所への申立ては業務範囲外となります。
依頼した場合の費用相場
専門家に依頼した場合の費用は、依頼内容や専門家の事務所によって異なります。
| 依頼内容 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 任意後見契約書作成支援 | 50,000円〜200,000円 | 契約内容の検討、公証役場での手続き同行など |
| 任意後見監督人選任申立て支援 | 100,000円〜300,000円 | 家庭裁判所への申立書作成、必要書類収集サポートなど |
| 専門家が任意後見人に就任 | 月額20,000円〜50,000円 | 財産管理、身上監護の事務代行 |
専門家選びのポイント
専門家を選ぶ際は、以下の点に注目して比較検討しましょう。
- 実績と経験:任意後見制度に関する豊富な経験があるか。
- 料金体系:見積もりを明確に提示してくれるか、追加料金の有無など。
- 相性:ご自身の話に耳を傾け、親身になって相談に乗ってくれるか。
- 説明の分かりやすさ:専門用語を避け、平易な言葉で説明してくれるか。
複数の専門家に相談し、ご自身が最も信頼できると感じる専門家を選ぶことが大切です。初回相談を無料としている事務所も多いので、まずは気軽に問い合わせてみるのも良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1: 任意後見契約はいつから効力が生じますか?
A1: 任意後見契約自体は、公証役場で公正証書を作成した時点で成立します。しかし、実際にその効力が発生し、任意後見人が職務を開始するのは、ご本人の判断能力が不十分になったと家庭裁判所が判断し、「任意後見監督人」を選任した時点からです。
Q2: 任意後見人は途中で変更できますか?
A2: 任意後見人が職務を継続できなくなった場合や、不適切な職務遂行があった場合など、正当な理由があれば、家庭裁判所の許可を得て任意後見人を変更することができます(民法第450条)。ただし、ご本人の判断能力がすでに不十分な場合は、家庭裁判所が新しい任意後見人を選任することになります。
Q3: 任意後見契約は途中で解除できますか?
A3: 任意後見が開始される前であれば、ご本人の判断能力があるうちは、双方の合意によっていつでも解除できます。また、一方的に解除したい場合は、公証役場で公正証書の形で解除通知を行う必要があります。任意後見開始後は、原則としてご本人の保護のため一方的な解除はできませんが、正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て解除することが可能です(民法第452条)。
Q4: 任意後見契約はどのような場合に無効になりますか?
A4: 任意後見契約が無効になる主なケースとしては、以下のような場合が考えられます。
- 契約時にご本人の意思能力がなかった場合:契約内容を理解し、判断する能力がなかったと認められる場合。
- 公正証書で作成されていない場合:任意後見契約は必ず公正証書で作成することが法律で義務付けられています(民法第424条第1項)。
- 詐欺や強迫によって契約が締結された場合:意思表示に瑕疵があった場合。
Q5: 任意後見と家族信託はどちらが良いですか?
A5: 任意後見と家族信託は、どちらもご自身の財産管理や将来に備えるための制度ですが、目的や特性が異なります。
- 任意後見:ご本人の判断能力が不十分になった場合に、財産管理や身上監護を任せる「人」と「内容」を事前に決めておく制度です。ご本人の保護が主な目的です。
- 家族信託:特定の財産(不動産や預貯金など)を信頼できる家族に託し、その管理・運用・処分を任せる制度です。財産承継の円滑化や、柔軟な財産管理が主な目的です。
どちらの制度が良いかは、ご自身の状況、財産の規模、将来の希望によって異なります。両方を組み合わせて利用することも可能です。まずは専門家(弁護士、司法書士など)に相談し、ご自身のケースに最適な方法を検討することをお勧めします。
まとめ|一人で抱え込まず、専門家を頼ってください
この記事では、認知症になる前にご自身で将来に備えることができる「任意後見制度」について、その手続きの流れや費用、法定後見制度との違いなどを詳しく解説しました。
任意後見制度は、ご自身の意思を尊重し、信頼できる人に将来の支援を任せられる大変有効な手段です。しかし、手続きには専門的な知識が必要となる場面も多く、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
大切なのは、すべてを一人で抱え込まず、必要に応じて専門家や公的窓口を頼ることです。弁護士や司法書士といった専門家は、ご自身の状況に合わせた最適なアドバイスを提供し、手続きをスムーズに進める手助けをしてくれます。
この情報が、皆様の不安を少しでも和らげ、将来への備えを進める一助となれば幸いです。

任意後見契約は、ご自身の将来を安心して過ごすための大切な準備です。複雑な手続きや契約内容で迷うことがあれば、まず専門家へ相談するだけでも、具体的な道筋が見えて安心できます。
【関連】後見制度全般に関するガイドについて詳しくはこちら
この記事の監修について
本記事は「お葬式.info 編集部」が、行政書士・司法書士・葬儀業界経験者・僧侶を含む監修者チームの助言のもと、公的統計・法令・専門書を根拠に作成しています。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。編集方針・監修者一覧は編集ポリシーをご確認ください。
※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。費用・制度は変更される場合がありますので、最新情報は各専門家・行政機関へご確認ください。
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