要介護度とは?介護保険サービス利用の第一歩
ご家族の介護について「何から手を付けたらいいのかわからない」「将来が不安」と感じていらっしゃる40代から70代の皆様、こんにちは。介護・終活情報サイト専門ライターです。
介護が必要になった時、まず知っておきたいのが「要介護度」です。要介護度とは、その方がどれくらいの介護を必要とするかを客観的に示す指標で、介護保険サービスを利用するための大切な基準となります。この要介護度によって、受けられるサービスの種類や量、そして自己負担額も大きく変わってきます。
この記事では、2026年現在の情報に基づき、要支援1・2から要介護1〜5までの違いや認定基準、具体的な状態像、そして利用できるサービスの支給限度額や費用について、わかりやすく解説します。ご自身やご家族の状況と照らし合わせながら、ぜひ今後の介護計画にお役立てください。
要介護認定の基礎知識:要支援と要介護の違い
要介護認定は、大きく分けて「要支援」と「要介護」の二つに分類されます。どちらも介護保険サービスの対象となりますが、その状態像と利用できるサービスには違いがあります。
要支援1・2:生活機能の維持・改善を目指す
要支援は、日常生活の一部に手助けが必要な方や、将来的に介護が必要となる可能性が高い方が対象です。主に「介護予防サービス」を利用し、生活機能の維持・改善を目指します。
- 要支援1の状態像:
立ち上がりや歩行などの動作に不安定さが見られるものの、ほとんどの日常生活動作(ADL)は自力で行える状態です。排泄や入浴、着替えなどで部分的な見守りや声かけ、軽い手助けがあれば問題なく生活できます。認知症の症状はほとんど見られません。
- 要支援2の状態像:
要支援1よりも少し支援の度合いが増し、立ち上がりや歩行が不安定で、一部の動作に介助が必要となることがあります。入浴や調理、掃除など、日常生活の特定の場面で定期的な介助や見守りが必要となります。認知機能の低下が少し見られる場合もあります。
支給限度額(月額、目安):
- 要支援1:おおよそ5万円台(自己負担1割の場合、約5千円台)
- 要支援2:おおよそ10万円台(自己負担1割の場合、約1万円台)
※上記は地域区分1級地の場合の概算で、2026年現在の標準的な金額です。実際の支給限度額は地域や物価変動により多少異なります。
利用できる主なサービス:
- 訪問型サービス(訪問介護のうち身体介護を含まない生活援助中心のサービスなど)
- 通所型サービス(デイサービスなど)
- 福祉用具貸与(手すり、歩行器など)
要介護1〜5:具体的な介護サービスが必要な状態
要介護は、日常生活全般にわたって介護が必要な方が対象です。状態の重さによって1から5の5段階に分けられ、数字が大きくなるほど必要な介護の度合いが高まります。
要介護度1~5の違いと認定基準・状態像
要介護認定は、市区町村への申請後、訪問調査や主治医の意見書に基づき、介護認定審査会で判定されます。この際、「要介護認定等基準時間」という指標が用いられ、介護にかかる時間によって要介護度が決定されます。
- 要介護1:約32分以上50分未満
- 要介護2:約50分以上70分未満
- 要介護3:約70分以上90分未満
- 要介護4:約90分以上110分未満
- 要介護5:約110分以上
それでは、各要介護度の状態像、支給限度額、具体的な費用例を見ていきましょう。
要介護1:部分的な介助が必要な状態
- 状態像:
立ち上がりや歩行に不安定さがあり、排泄や入浴、着替えなどで部分的な介助や見守りが必要な状態です。食事は自力で食べられることが多いですが、準備や後片付けに手助けが必要な場合があります。認知症の症状は軽度で、判断力や意思疎通に大きな問題はありません。
- 支給限度額(月額、目安):おおよそ16万円台(自己負担1割の場合、約1万6千円台)
- 具体的な費用例(自己負担1割の場合):
- 訪問介護(身体介護1時間程度を週3回、生活援助1時間程度を週2回):約1万5千円〜2万円
- 通所介護(デイサービス、週2回):約8千円〜1万円
- 福祉用具貸与(電動ベッド、車いすなど):月額数百円〜千円台
- 合計:月額約2万5千円〜3万円程度
要介護2:日常生活でより広範囲な介助が必要な状態
- 状態像:
立ち上がりや歩行が不安定で、排泄、入浴、着替え、移動などで部分的な介助が常に必要となります。食事は自力で食べられることが多いですが、見守りや一部介助が必要な場合もあります。認知症の症状は軽度から中程度で、物忘れや判断力の低下が見られることがあります。
- 支給限度額(月額、目安):おおよそ19万円台(自己負担1割の場合、約1万9千円台)
- 具体的な費用例(自己負担1割の場合):
- 訪問介護(身体介護1.5時間程度を週4回、生活援助1時間程度を週3回):約2万5千円〜3万円
- 通所介護(デイサービス、週3回):約1万円〜1万5千円
- 福祉用具貸与(電動ベッド、車いす、歩行器など):月額千円台〜数千円
- 合計:月額約3万5千円〜5万円程度
要介護3:日常生活全般にわたって全面的な介助が必要な状態
- 状態像:
立ち上がりや歩行が非常に困難で、ほとんどの日常生活動作(食事、排泄、入浴、着替えなど)に全面的な介助が必要です。移動も車いすや介助者の手助けなしには困難な場合が多いです。認知症の症状が中程度から重度で、意思疎通が難しくなることもあります。
- 支給限度額(月額、目安):おおよそ27万円台(自己負担1割の場合、約2万7千円台)
- 具体的な費用例(自己負担1割の場合):
- 訪問介護(身体介護1.5時間程度を週5回、生活援助1時間程度を週4回):約3万5千円〜4万5千円
- 通所介護(デイサービス、週3回)+短期入所生活介護(ショートステイ、月7日):約2万円〜3万円
- 福祉用具貸与(電動ベッド、車いす、体位変換器など):月額数千円
- 合計:月額約6万円〜8万円程度
- 特別養護老人ホーム入所(施設サービス費+居住費+食費の1割負担):月額約8万円〜15万円(所得に応じ変動)
要介護4:重度の介護が必要な状態
- 状態像:
日常生活のほとんどすべての動作において、全面的または常時介助が必要です。寝たきりに近い状態や、車いすでの移動も介助がなければ困難な場合が多いです。食事の摂取も困難になることがあり、誤嚥のリスクも高まります。認知症の症状が重度で、意思疎通が非常に困難になるケースも少なくありません。
- 支給限度額(月額、目安):おおよそ30万円台(自己負担1割の場合、約3万円台)
- 具体的な費用例(自己負担1割の場合):
- 訪問介護(身体介護2時間程度を週6回、生活援助1.5時間程度を週5回):約4万5千円〜5万5千円
- 通所介護(デイサービス、週2回)+短期入所生活介護(ショートステイ、月10日):約3万円〜4万円
- 福祉用具貸与(特殊寝台、車いす、床ずれ防止用具など):月額数千円
- 合計:月額約8万円〜10万円程度
- 特別養護老人ホーム入所(施設サービス費+居住費+食費の1割負担):月額約8万円〜15万円(所得に応じ変動)
要介護5:最重度の介護が必要な状態
- 状態像:
日常生活動作がほぼ不可能で、常に全面的な介助が必要な状態です。寝たきりの状態が続き、食事や排泄、体位変換などもすべて介助なしにはできません。意思疎通がほとんど不可能であったり、重度の認知症や意識障害を伴うことも多く、医療的ケアが必要となるケースも増えます。
- 支給限度額(月額、目安):おおよそ36万円台(自己負担1割の場合、約3万6千円台)
- 具体的な費用例(自己負担1割の場合):
- 訪問介護(身体介護2時間程度を週7回、生活援助2時間程度を週6回):約5万5千円〜7万円
- 訪問看護(週3回)+短期入所生活介護(ショートステイ、月14日):約4万円〜5万円
- 福祉用具貸与(特殊寝台、車いす、床ずれ防止用具、移動用リフトなど):月額数千円〜1万円
- 合計:月額約10万円〜13万円程度
- 特別養護老人ホーム入所(施設サービス費+居住費+食費の1割負担):月額約8万円〜15万円(所得に応じ変動)
- 医療機関併設型介護施設(介護老人保健施設など)入所:月額約10万円〜20万円(医療費や居住費などによる)
※記載の支給限度額は1単位10円で計算した場合の概算であり、地域によって1単位あたりの単価が異なります。また、自己負担割合は所得に応じて1割、2割、3割のいずれかとなります。自己負担が高額になった場合は「高額介護サービス費制度」の対象となり、所得に応じた上限額を超えた分は払い戻されます。
介護保険サービス利用へのステップ
介護保険サービスを利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。
- 申請:お住まいの市区町村の介護保険担当窓口で申請を行います。
- 訪問調査:市区町村の職員が自宅などを訪問し、心身の状態や生活状況について聞き取り調査を行います。
- 主治医意見書:かかりつけ医に心身の状態に関する意見書を作成してもらいます。
- 介護認定審査会:訪問調査の結果と主治医意見書をもとに、専門家が要介護度を判定します。
- 認定結果の通知:申請から約1ヶ月程度で、要介護度が記載された認定結果が郵送されます。
- ケアプラン作成:認定結果に基づき、ケアマネジャー(介護支援専門員)が利用者の状態や希望に合わせたケアプラン(介護サービス計画)を作成します。
- サービス利用開始:ケアプランに沿って介護サービスの利用を開始します。
介護度は一度認定されたら終わりではありません。心身の状態は変化するため、必要に応じて再認定の申請や区分変更の申請が可能です。
まとめ:不安を感じたらまずは相談を
要介護度とその基準、そして具体的な費用についてご理解いただけたでしょうか。介護は誰もが直面する可能性のあることです。ご自身やご家族がどのような状態にあるのか、どのような支援が必要なのかを知ることは、安心して介護生活を送るための第一歩となります。
介護に不安を感じたら、まずは地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に相談してみましょう。専門家が親身になって相談に乗ってくれます。一人で抱え込まず、適切な支援を受けながら、ご本人もご家族も心穏やかに過ごせるよう、一緒に考えていきましょう。