医療・介護・看取り

要介護5の介護保険給付限度額と介護費用

要介護5の介護保険給付限度額と介護費用
【PR】本記事には広告・プロモーションが含まれます。

要介護5とは? 最重度の介護が必要な状態像

介護保険制度における「要介護5」とは、最も重度の介護が必要な状態を指します。日常生活のほぼ全ての動作において、全面的な介助が不可欠となる状況です。

具体的には、2026年現在の要介護5の状態像として、以下のような特徴が見られます。

  • 身体的状態: ほぼ寝たきりの状態、またはそれに近い状態にあることが多く、自力での起き上がり、立ち上がり、歩行は極めて困難です。食事、排泄、入浴、着替えといった基本的な生活動作の全てにおいて、全介助が必要となります。褥瘡(床ずれ)のリスクも高く、定期的な体位変換や皮膚ケアが欠かせません。
  • 認知機能: 認知症が進行し、意思疎通が困難な場合や、自分の名前や生年月日といった個人情報も認識できないケースがあります。時間や場所の認識も難しく、見当識障害が顕著に見られることも少なくありません。
  • 行動・心理状態: 徘徊やせん妄、不穏といった行動・心理症状(BPSD)が頻繁に見られたり、昼夜逆転の生活になることもあります。これらの症状は、ご本人だけでなく、介護する家族にとっても大きな負担となります。
  • 医療ケアの必要性: 嚥下障害による誤嚥性肺炎のリスク、呼吸器・循環器系の慢性疾患の悪化、胃ろうや点滴、痰の吸引など、専門的な医療ケアが日常的に必要となるケースも多く見られます。

要介護5の状態では、ご本人の尊厳を守りながら、安全で快適な生活を送るために、専門的な知識と技術を持った介護者の継続的なサポートが不可欠となります。ご家族だけで全てを担うのは非常に困難であり、介護保険サービスを最大限に活用することが重要です。

2026年現在の要介護5の介護保険給付限度額と自己負担の目安

介護保険制度は、要介護度に応じて利用できるサービスの月額支給限度額(支給限度基準額)が定められています。この限度額の範囲内でサービスを利用した場合、原則として自己負担は1割、所得に応じて2割または3割となります。2026年現在、要介護5の月額支給限度額は、**約36,217単位**です。

この「単位」とは、介護サービスの費用を計算する際の基準となるもので、1単位あたりの単価は、地域の人件費や物価、サービスの種類によって異なりますが、全国平均ではおおよそ10円~11.4円程度とされています。ここでは分かりやすく、1単位=10円として計算してみましょう。

要介護5の月額支給限度額(約36,217単位)を1単位10円で換算すると、約362,170円分のサービスを月に利用できることになります。

このサービス費用に対する自己負担額は、所得に応じて以下のようになります。

  • 自己負担1割の方: 約36,217円(362,170円 × 10%)
  • 自己負担2割の方: 約72,434円(362,170円 × 20%)
  • 自己負担3割の方: 約108,651円(362,170円 × 30%)

この限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分の費用は全額自己負担となります。また、介護保険サービスの中には、食費や居住費、日常生活費、おむつ代など、保険給付の対象とならない費用もあります。これらは全額自己負担となるため、実際の介護費用は上記の自己負担額に加えて発生します。

介護保険の自己負担割合は、原則として前年度の所得によって決定され、毎年8月に見直されます。ご自身の負担割合は、市区町村から送付される「介護保険負担割合証」で確認できます。

要介護5で利用できる介護サービスと自己負担の目安

要介護5の状態では、ご自宅で生活を続ける「居宅サービス」と、施設に入所する「施設サービス」のいずれかを選択することになります。どちらのサービスも、要介護5の支給限度額内で手厚い支援を受けることが可能です。

1. 居宅サービス(自宅で介護を受ける場合)

自宅での生活を支えるためのサービスです。ケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて、複数のサービスを組み合わせて利用します。

  • 訪問介護: 身体介護(入浴、排泄、食事の介助など)や生活援助(調理、掃除、洗濯、買い物など)を受けられます。要介護5の場合、一日に複数回の身体介護を利用することも可能です。
  • 訪問看護: 医師の指示に基づき、看護師が自宅を訪問し、医療処置(胃ろうの管理、点滴、褥瘡ケア、服薬管理など)や健康状態の観察を行います。
  • 訪問入浴介護: 自宅で入浴が困難な場合、専用の浴槽を積んだ車両が訪問し、入浴介助を行います。
  • 通所介護(デイサービス): 日中、施設に通い、食事、入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けます。家族の介護負担軽減にもつながります。
  • 短期入所生活介護(ショートステイ): 短期間施設に入所し、介護や生活援助を受けます。家族が旅行や病気で一時的に介護できない場合などに利用されます。
  • 福祉用具貸与・購入: 特殊寝台、車いす、歩行器などの福祉用具をレンタルしたり、入浴補助用具、ポータブルトイレなどの特定福祉用具を購入する際に補助が出ます。
  • 住宅改修費の支給: 手すりの設置や段差の解消など、自宅を介護しやすいように改修する費用の一部が支給されます(上限20万円まで、自己負担1〜3割)。

居宅サービスの自己負担目安(月額・1割負担の場合):
要介護5の月額支給限度額約36,217単位を最大限利用した場合、自己負担は月額約36,217円です。例えば、訪問介護(身体介護)を週5回、訪問看護を週2回、ショートステイを月に数日利用するといった組み合わせで、この限度額に達することが考えられます。これに加えて、食費や日用品費などが実費でかかります。

2. 施設サービス(施設に入所する場合)

要介護5の方が入所できる主な施設は以下の通りです。

  • 特別養護老人ホーム(特養): 公的な施設で、重度の介護が必要な方が長期にわたって生活できます。費用は比較的安価ですが、待機期間が長い傾向にあります。
  • 介護老人保健施設(老健): 在宅復帰を目指すリハビリテーション中心の施設で、医療ケアも提供されます。入所期間は原則3ヶ月程度とされています。
  • 介護医療院: 医療と介護が一体的に受けられる施設で、長期的な療養が必要な方に適しています。

施設サービスの自己負担目安(月額・1割負担の場合):
施設サービスの場合、介護サービス費(1割負担で約3万~5万円程度)に加えて、食費、居住費(部屋代)、日常生活費などが全額自己負担となります。これらの費用は施設の種類や部屋のタイプ、サービス内容によって大きく異なりますが、合計すると月額15万円~35万円程度かかることが一般的です。

  • 特別養護老人ホーム: 介護サービス費(1割負担)+食費+居住費+日常生活費で、月額8万円~15万円程度が目安です。
  • 介護老人保健施設: 介護サービス費(1割負担)+食費+居住費+日常生活費で、月額10万円~20万円程度が目安です。
  • 介護医療院: 介護サービス費(1割負担)+食費+居住費+日常生活費で、月額15万円~35万円程度が目安です。

これらの費用はあくまで目安であり、個々の利用状況や施設によって変動します。ご自身の状況に合わせた具体的な費用については、ケアマネジャーや各施設に相談することが重要です。

要介護5の介護費用を軽減する公的支援制度

要介護5の介護費用は高額になりがちですが、国や自治体による様々な公的支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。2026年現在も利用できる主な制度をご紹介します。

1. 高額介護サービス費制度

この制度は、1ヶ月間の介護保険サービスの自己負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。これにより、毎月の自己負担が一定額以上になることを防ぎます。申請が必要な制度ですので、お住まいの市区町村に問い合わせて申請しましょう。

2026年現在の主な自己負担上限額(月額)の目安:

  • 現役並み所得者(課税所得380万円以上): 44,400円
  • 一般世帯(課税所得145万円以上380万円未満): 24,600円
  • 市町村民税世帯非課税者: 15,000円
  • 生活保護受給者など: 15,000円

※所得区分は毎年見直される可能性があります。上記は2026年現在の情報として一般的な目安です。

2. 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)

介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院)に入所している方で、所得や資産が一定基準以下の方を対象に、食費と居住費(滞在費)の自己負担額が軽減される制度です。この制度も申請が必要です。お住まいの市区町村で「介護保険負担限度額認定証」の交付を受けましょう。

所得に応じた多段階の負担軽減措置が設けられており、生活保護受給者や低所得者の方にとっては特に重要な制度です。

3. 医療費控除

確定申告を行うことで、ご自身や生計を共にする家族が支払った医療費(介護サービス費用の一部も含む)が、所得税や住民税の計算上控除される制度です。

医療費控除の対象となる主な介護サービス費用:

  • 介護老人保健施設、介護医療院の利用料(介護サービス費、食費、居住費を含む全額)
  • 訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーションの利用料
  • 医師の指示に基づく訪問介護(身体介護中心のもの)の利用料
  • 特別養護老人ホームの利用料のうち、介護サービス費および食費・居住費の半額

※居宅サービスの場合、医療系サービスと併せて利用した場合に控除対象となるものや、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいている必要があるなど、条件があります。領収書はぜひ保管し、不明な点は税務署やケアマネジャーに確認しましょう。

4. 障害者控除

要介護認定を受けている方で、身体障害者手帳をお持ちでない場合でも、お住まいの市区町村が認定する「障害者控除対象者認定書」の交付を受けることで、障害者控除の対象となる場合があります。所得税や住民税の負担が軽減されますので、該当する可能性がある場合は市区町村の窓口に相談してみましょう。

5. 地方自治体独自の助成制度

国が定める制度の他に、各地方自治体(都道府県や市区町村)が独自に、介護用品の購入費助成、見舞金、住宅改修費の上乗せ助成など、様々な支援制度を設けている場合があります。お住まいの自治体の広報誌やウェブサイト、地域包括支援センターなどで情報を収集することをお勧めします。

要介護5の方の介護は、ご本人だけでなくご家族にとっても大きな負担となります。これらの公的支援制度を積極的に活用し、専門家であるケアマネジャーと相談しながら、最適な介護サービスと経済的支援の組み合わせを見つけることが大切です。

本記事の情報は一般的な情報提供を目的としており、個別の費用・手続きを保証するものではありません。実際の費用・手続きは専門家にご相談ください。掲載情報は2026年現在のものです。
本記事の情報は執筆時点(2026年4月)のものであり、法律・制度・費用等は変更される場合があります。実際のご判断にあたっては、葬儀社・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。本記事の内容に基づいてお客様が行動した結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
医療・介護・看取りの記事一覧へ戻る