今、何をしたらいいかわからない方へ
大切な親御さんが突然倒れ、心身ともに大変な状況でこのページにたどり着かれたことと思います。今、何をしたらいいかわからず、混乱や不安でいっぱいかもしれません。大丈夫です、焦らなくていいのです。このガイドでは、介護が突然始まることになったとき、まず何をすべきか、一つずつ一緒に確認していきます。
すぐに全てを解決しようとする必要はありません。まずは今日できることから、少しずつ始めていきましょう。

まずやること3つ(今日中に確認)
親御さんが突然倒れた際、目の前の状況にパニックになるのは当然です。しかし、冷静な判断が求められる場面も少なくありません。まずは、今日中に確認・対応しておきたいことを3つのポイントに絞りました。
- 安全の確保と緊急対応:親御さんの意識や呼吸があるか確認し、必要であれば救急車を要請します。無理に動かさず、安全な状態を保ちましょう。
- 状況の把握と情報共有:何が起こったのか、時間、場所、状況、親御さんの状態(意識、呼吸、出血の有無、痛みなど)をメモし、同居家族や遠方の親族に速やかに連絡します。
- かかりつけ医への連絡:救急搬送されない場合でも、かかりつけ医がいる場合は状況を伝え、指示を仰ぎましょう。夜間・休日の場合は、緊急連絡先や地域の休日診療所を確認します。
まず今日やること3つチェックリスト
今すぐできることをチェックしていきましょう。
□ 親御さんの意識や呼吸を確認した
□ 必要に応じて119番通報した
□ 無理に動かさず、安全を確保した
□ 倒れた時の状況をメモした
□ 家族や親族に連絡し、状況を共有した
□ かかりつけ医の連絡先を確認した(救急搬送されない場合)
突然の事態にまず何をすべきか
親御さんが目の前で倒れたら、まず第一に冷静になることが重要です。意識の有無や呼吸の状態を確認し、大声で呼びかけてみましょう。反応がない場合は、速やかに救急車(119番)を呼んでください。無理に体を揺さぶったり、飲食物を与えたりすることは避けてください。
もし意識があり、動かせない状態であれば、毛布などをかけて保温し、安心させる言葉をかけながら救急車の到着を待ちます。介護が急に始まるきっかけは、こうした突然の急変が多いものです。
連絡すべき相手と準備するもの
救急車を呼んだら、または病院に搬送されたら、すぐに家族や親族に連絡を入れましょう。特に遠方に住む親族には、迅速な情報共有が求められます。
病院では、親御さんの健康状態に関する情報(持病、服用中の薬、アレルギーなど)を尋ねられます。お薬手帳、診察券、健康保険証、介護保険証(持っていれば)などを準備しておくとスムーズです。これらの情報は、その後の親 介護 どうするかを考える上で非常に重要になります。
あなたの状況はどれ?(状況分岐フロー)
親御さんが倒れた後の状況は、一人ひとり異なります。まずは、ご自身の状況が以下のどれに近いかを確認し、該当するセクションに進んでみましょう。
意識があるが動けない場合
親御さんの意識ははっきりしているものの、体が動かせない、強い痛みがあるといった状況です。
この場合、まずは救急車を呼び、専門家の診断を仰ぎましょう。無理に動かそうとせず、保温に努め、安心する言葉をかけ続けることが大切です。病院での診断後、骨折や脳梗塞などの可能性も考慮し、今後の介護方針を検討することになります。
意識がなく倒れている・急変の場合
親御さんの意識がなく、呼びかけにも反応しない、呼吸が不規則、痙攣しているなどの場合は、一刻を争う事態です。すぐに救急車を要請し、救急隊員の指示に従ってください。倒れた状況や発見時の状態を正確に伝えられるよう、メモを取っておくと良いでしょう。
夜間・休日でも対応が必要な場合
夜間や休日に急変があった場合も、対応は同じです。迷わず119番通報しましょう。病院に搬送された後、かかりつけ医が夜間・休日の緊急連絡体制を整えているか、事前に確認しておくことが重要です。
病院に搬送された後
救急搬送され、病院で治療を受けている段階です。
医師から病状や今後の治療方針について説明を受けることになります。この時、親御さんの状態によっては、延命治療の希望や、最期をどこで迎えたいかといった「人生の最終段階における医療・ケア」について考え始める必要が出てくるかもしれません。
専門家によると、アドバンス・ケア・プランニング(ACP、人生会議)は「死の準備」ではなく「生き方の確認」であると指摘されています。延命治療の拒否・受け入れだけでなく、痛みへの対処方針・最期を迎える場所・誰に看取ってほしいかなども含まれます。ACPは一度作成したら終わりではなく、状態が変化するたびに見直すことが大切です。40〜50代から準備を始めることが推奨されています(厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」)。
在宅看取りを検討している場合
もし親御さんが以前から「自宅で最期を迎えたい」と希望されていた場合、今回の急変を機に、その可能性を具体的に検討し始めるかもしれません。
医師・緩和ケア専門家によると、在宅看取りを成功させるためには以下の3つの事前準備が不可欠です。
1. かかりつけ医(訪問診療医)との事前合意:緊急時の対応や看取り後の死亡確認について、密な連携が必要です。夜間・休日の連絡体制も確認しておきましょう。
2. 訪問看護ステーションとの契約:日常的なケアや医療処置、急変時の対応などをサポートしてくれます。
3. 家族全員の意思統一:「最期は病院に運ばない」という家族全員の合意なしには、救急車を呼んでしまい病院死になるケースが多いとされています。
「在宅看取りは家族の負担が大きい」と思い込みがちですが、訪問看護・訪問介護を組み合わせることで負担軽減が可能です。
時系列の対応手順|当日〜1か月の流れ
親御さんが倒れてから、介護サービス利用開始までの大まかな流れを時系列で確認しましょう。介護 始め方 突然で戸惑うことが多いですが、一つずつ段階を踏んで進めることが大切です。

| 時期 | やること | 相談窓口・手続き先 | 期限の目安 |
|---|---|---|---|
| 当日〜数日以内 | 緊急対応、病院受診・入院、病状説明、家族への連絡 | 救急隊、病院、家族・親族 | 緊急性に合わせて |
| 退院前〜1週間以内 | 入院中の情報収集、介護保険申請の準備、地域包括支援センターへの相談 | 病院の医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター | 退院前までに |
| 1週間〜2週間以内 | 介護保険申請、要介護認定調査、ケアマネジャー選定 | 市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センター | 申請から認定まで約1か月 |
| 2週間〜1か月以内 | 認定結果通知、ケアプラン作成、介護サービス利用開始 | 市区町村、ケアマネジャー | 認定後すみやかに |
当日〜数日以内:緊急対応と情報収集
親御さんが倒れた当日や数日以内は、まず医療機関での治療と診断が最優先です。病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)は、退院後の生活や介護に関する相談に乗ってくれます。この段階で、介護保険制度の利用や地域のサービスについて情報収集を始めましょう。
【関連】 医療ソーシャルワーカーの役割について詳しくはこちら
1週間〜2週間以内:介護保険申請とケアマネジャー選定
病院での治療が落ち着き、退院のめどが立ったら、介護保険の申請をしましょう。申請は、親御さんの住民票がある市区町村の介護保険担当窓口で行います。申請後、自宅に調査員が訪れ、心身の状態や生活状況について聞き取り調査が行われます。
要介護認定の結果が出るまでには通常1か月程度かかりますが、急ぎの場合は暫定的にサービスを利用できる場合もあります。
また、介護サービスを利用するには、ケアマネジャー(介護支援専門員)を選び、ケアプランを作成してもらう必要があります。
社会福祉士・ケアマネジャーによると、ケアマネジャーの選び方が介護の質を左右すると指摘されています。初回面談で以下の点を確認することが重要です。
1. 連絡の取りやすさ:緊急時の対応や日頃の相談のしやすさ。
2. 専門分野:医療系(病院との連携に強い)か福祉系(地域サービスに詳しい)か。
3. 担当件数:担当できる利用者数に上限があるため、繁忙なケアマネは対応が遅れがち。
4. 得意なサービス種別:在宅介護、施設入所、医療ケアなど、どのサービスに詳しいか。
ケアマネジャーは無料で変更できます。合わないと感じたら、地域包括支援センターに相談して変更を検討しましょう。「ケアマネは全員同じ」という誤解がありますが、得意分野や連携先の医療機関が異なり、質にも差があります。
1か月以内:介護サービスの開始と費用
要介護認定の結果が出たら、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき、介護サービスの利用を開始します。訪問介護、デイサービス、ショートステイなど、親御さんの状態やご家族の希望に合わせたサービスが組み合わされます。
介護にかかる費用の目安
介護サービスを利用すると、費用が発生します。介護保険を利用した場合でも、自己負担割合(1割〜3割)に応じた費用がかかります。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 介護保険サービス自己負担 | 月額5,000円〜30,000円程度 | 要介護度や利用サービス量、所得によって異なる |
| 食費・日用品費 | 月額30,000円〜50,000円程度 | 自宅介護の場合 |
| 医療費(自己負担分) | 月額5,000円〜20,000円程度 | 持病や治療内容による |
| 住宅改修費 | 数万円〜数十万円程度 | 介護保険で一部補助あり(上限20万円の9割支給など) |
| 福祉用具レンタル・購入費 | 月額数千円〜10,000円程度 | 介護保険で一部補助あり |
※上記は参考値・目安です。地域・業者や利用状況によって大きく異なります。
介護費用は、親御さんの状態や利用するサービスによって大きく変動します。高額介護サービス費制度や医療費控除など、経済的な負担を軽減する制度もありますので、ケアマネジャーや市区町村の窓口に相談してみましょう。

夜間・休日でも使える相談窓口一覧
介護が急に始まると、夜間や休日でも困りごとが発生することがあります。そんな時に頼れる相談窓口を知っておくと安心です。

公的な相談窓口
公的な窓口は、無料で相談できるのが大きなメリットです。
- 地域包括支援センター
- 電話番号:各市区町村のホームページでご確認ください
- 受付時間:平日 8:30〜17:00 頃(地域により異なります)
- 費用:無料
- 概要:高齢者の総合相談窓口です。介護保険の申請支援、ケアマネジャー選び、地域のサービス紹介など、幅広く対応してくれます。緊急時や夜間・休日の連絡先を教えてくれる場合もあります。
- 市区町村の介護保険担当窓口
- 電話番号:各市区町村のホームページでご確認ください
- 受付時間:平日 8:30〜17:00 頃
- 費用:無料
- 概要:介護保険の申請や認定に関する手続き、制度についての相談ができます。
- 国民生活センター
- 電話番号:0570-064-370(消費者ホットライン188)
- 受付時間:平日 10:00〜16:00(土日祝は開所している消費生活センターを案内)
- 費用:無料
- 概要:介護サービスに関するトラブルや消費者問題の相談が可能です。
民間の相談サービス・専門職
専門的なアドバイスが必要な場合は、民間のサービスも検討しましょう。
- 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
- 電話番号:事業所により異なる
- 受付時間:事業所により異なる
- 費用:原則として介護保険適用のため自己負担なし(一部例外あり)
- 概要:ケアプランの作成や介護サービス事業者との連絡調整を行います。緊急時の連絡体制も確認しておきましょう。
- 弁護士(法律相談)
- 電話番号:各地の弁護士会、法テラス(0570-078374)
- 受付時間:弁護士会・法テラスにより異なる
- 費用:初回無料相談、有料相談
- 概要:親族間の介護トラブル、財産管理、成年後見制度など、法的な問題について相談できます。
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感情的に辛いときの現実的な対処法
親が突然倒れるという事態は、肉体的な介護負担だけでなく、精神的なストレスも非常に大きいものです。介護 急変 対応に追われる中で、ご自身の心が疲弊してしまうことも少なくありません。
完璧を目指さなくていい
「私が全てやらなければ」「完璧な介護をしなければ」と自分を追い詰める必要はありません。介護は長期戦になることが多く、一人で抱え込むと必ず限界が来ます。
「全部は無理。今日は1つだけ」という気持ちで、できる範囲で取り組むことが大切です。介護サービスを積極的に利用し、家族や友人、地域のサポートを頼ることをためらわないでください。介護者のバーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐためにも、ご自身の休息を確保することが重要です。
誰かに頼る勇気を持つ
「人に頼るのは申し訳ない」と感じるかもしれませんが、介護はチームで行うものです。ケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパー、地域包括支援センターの職員など、多くの専門家がサポートしてくれます。
また、同じような経験を持つ家族介護者同士が交流する「介護者の会」に参加してみるのも良いでしょう。悩みを共有し、共感し合える仲間がいることで、精神的な負担が軽減されることがあります。ご自身の感情を正直に話し、SOSを出す勇気を持つことが、結果として親御さんのためにもなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 介護保険の申請は、親が倒れてからすぐにできますか?
A. はい、親御さんが倒れて入院中であっても、介護保険の申請は可能です。退院後の生活を見据えて、早めに申請手続きを進めることをお勧めします。病院の医療ソーシャルワーカーや地域の地域包括支援センターがサポートしてくれます。
Q2. 遠方に住んでいる場合、どのように介護を進めれば良いですか?
A. 遠方に住んでいる場合でも、まずは親御さんの住民票がある地域の地域包括支援センターに連絡しましょう。地域の介護サービスや制度に詳しい専門家が相談に乗ってくれます。また、遠隔での情報共有や手続きを代行してくれるサービスもあります。
Q3. 介護費用が心配です。何か補助金はありますか?
A. 介護費用に関する補助金や軽減制度は複数あります。主なものとして、介護保険の自己負担額が高額になった場合に払い戻される「高額介護サービス費制度」や、医療費と介護費を合算して自己負担限度額を超えた場合に払い戻される「高額医療・高額介護合算療養費制度」などがあります。市区町村の窓口やケアマネジャーに相談し、利用できる制度を確認しましょう。
Q4. 親が介護を拒否する場合、どうすれば良いですか?
A. 親御さんが介護を拒否する場合、まずはその理由を丁寧に聞き、不安や抵抗を理解しようと努めることが大切です。無理強いは逆効果になることがあります。地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、専門家を交えて話し合うことで、親御さんの納得を得られるケースもあります。段階的に小さなサポートから始めるなど、柔軟なアプローチも有効です。
Q5. アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は具体的に何をすればいいですか?
A. ACPは、もしもの時に備えて、ご自身が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有するプロセスです。具体的には、元気なうちに「どのような生き方をしたいか」「大切にしていることは何か」を家族と話し合い、書面に残すことから始めます。延命治療の希望、痛みへの対処、最期を迎えたい場所、誰に看取ってほしいかなどを話し合いましょう。厚生労働省の「人生会議」のウェブサイトも参考になります。
まとめ|全部は無理。今日は1つだけ
親御さんが突然倒れるという事態は、まさに人生の非常事態です。介護 突然 親 倒れたという状況に直面し、今、何をすべきか分からず途方に暮れている方もいらっしゃるでしょう。
大切なのは、一人で全てを抱え込まず、少しずつ、できることから始めることです。「全部は無理。今日は1つだけ」という気持ちで、まずは緊急対応と情報収集、そして専門家への相談というステップを踏んでみてください。
このガイドが、あなたの混乱を少しでも和らげ、次の行動への一歩を踏み出す助けになれば幸いです。焦らず、ご自身と親御さんのペースで、前に進んでいきましょう。

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