あなたは今、大切なご家族の介護について、費用の面で大きな不安を感じていらっしゃるかもしれません。訪問介護の料金体系は複雑で、一体いくらかかるのか、自己負担はどのくらいになるのか、と頭を抱えている方も少なくないでしょう。
しかし、ご安心ください。一人で抱え込む必要はありません。この情報が少しでもあなたの不安を和らげ、具体的な一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

2026年最新版 訪問介護の料金体系と自己負担の全知識|費用を抑えるポイントも解説
訪問介護は、ご自宅で生活する要介護者に対して、ホームヘルパーが訪問して身体介護や生活援助を行うサービスです。介護保険が適用されるサービスと、適用されない自費サービスがあり、それぞれの料金体系や自己負担額は大きく異なります。
この記事でわかること
- 訪問介護の費用が何によって決まるのか、その内訳
- 1時間や30分あたりの具体的な料金目安と自己負担額
- 都市部と地方での料金の違いや、隠れた追加費用
- 介護費用を安く抑えるための公的支援や制度の活用方法
- 適切なケアマネジャーを選ぶことの重要性
訪問介護の費用の内訳|何にいくらかかるのか(保険適用と自己負担)
訪問介護の費用は、主に「身体介護」「生活援助」のサービス内容、利用時間、そして利用者の要介護度によって決まります。これらに加えて、事業所の所在地による地域区分や、特定の状況下で発生する加算が影響します。
身体介護と生活援助の料金体系
訪問介護のサービスは、大きく「身体介護」と「生活援助」に分けられます。それぞれのサービス内容と料金体系は異なります。
- 身体介護: 食事介助、入浴介助、排泄介助、着替え介助、体位変換など、利用者の身体に直接触れて行う介護です。専門性が高く、生活援助よりも料金が高く設定されています。
- 生活援助: 掃除、洗濯、買い物、調理など、利用者の日常生活を支援するための家事援助です。身体介護と比べて料金は低めです。
それぞれのサービスは、利用時間によって細かく区分され、それぞれに定められた単位数(サービス提供の評価基準)に基づいて費用が計算されます。1単位あたりの金額は地域によって異なりますが、おおむね10円~11.40円程度です。
訪問介護の料金相場(1時間・30分あたり)
介護保険が適用される訪問介護の料金は、サービス内容と時間によって細かく定められています。以下に、一般的な1回あたりの自己負担額の目安をご紹介します。これはあくまで参考値であり、地域や事業所、利用者の所得によって変動します。
| サービス内容 | 時間区分 | 1割負担の目安(1回あたり) | 3割負担の目安(1回あたり) |
|---|---|---|---|
| 身体介護 | 20分未満 | 167円~191円程度 | 501円~573円程度 |
| 身体介護 | 20分以上30分未満 | 250円~286円程度 | 750円~858円程度 |
| 身体介護 | 30分以上60分未満 | 395円~452円程度 | 1,185円~1,356円程度 |
| 身体介護 | 60分以上90分未満 | 573円~656円程度 | 1,719円~1,968円程度 |
| 生活援助 | 20分以上45分未満 | 183円~210円程度 | 549円~630円程度 |
| 生活援助 | 45分以上 | 230円~264円程度 | 690円~792円程度 |
※上記は介護保険サービスを利用した場合の自己負担額(1割負担、3割負担)の目安です。地域や加算の有無により大きく異なります。
※1単位10円〜11.40円で計算しています。
※厚生労働省の介護報酬に関する情報に基づいています。

介護保険サービス利用時の自己負担割合
介護保険サービスを利用する場合、利用者は原則として費用の1割、2割、または3割を自己負担します。この負担割合は、利用者の所得によって決定されます。
- 1割負担: 所得が一定基準以下の人。
- 2割負担: 合計所得金額が160万円以上220万円未満の人(単身の場合)。
- 3割負担: 合計所得金額が220万円以上の人(単身の場合)。
負担割合証は、要介護認定を受けると市区町村から送付されます。ご自身の負担割合を必ずご確認ください。
【関連】介護保険サービスの自己負担割合について詳しくはこちら
地域別相場|都市部と地方で訪問介護の料金はこれだけ違う
訪問介護の料金は、全国一律ではありません。地域によって「地域区分」が設けられており、これによって1単位あたりの単価が変動します。
地域区分による料金の違い
介護報酬の単位数は全国共通ですが、1単位あたりの単価は地域によって異なります。これは、都市部の物価や人件費が高いことを考慮したもので、「地域区分」として1級地から7級地、その他の地域に分けられています。
例えば、東京都特別区や大阪市などの1級地では1単位が11.40円、地方のその他の地域では10.00円と設定されており、同じサービスを利用しても都市部の方が自己負担額が高くなる傾向があります。
事業所ごとの料金差
介護保険が適用されるサービスの場合、基本的な料金体系は国によって定められているため、事業所による大きな差はありません。しかし、以下のような点で料金に差が出ることがあります。
- 加算の有無: 後述する特定の加算体制が整っている事業所は、その分の費用が上乗せされます。
- 保険外サービスの提供: 介護保険の適用範囲外のサービス(例:庭の手入れ、ペットの世話など)を独自に提供している事業所は、その料金設定が異なります。
複数の事業所を比較検討する際は、介護保険適用サービスだけでなく、どのような保険外サービスを提供しているか、そしてその料金も確認することが重要です。
訪問介護の費用を安くする方法|公的支援・補助金も活用
訪問介護の費用は決して安くありませんが、いくつかの公的支援や制度を活用することで、自己負担を軽減できます。
介護保険サービスの有効活用
- 高額介護サービス費制度: 1ヶ月の自己負担額が上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。所得に応じて上限額が設定されています。
- 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定): 介護保険施設に入所している方や、ショートステイを利用している方の食費・居住費の自己負担額を軽減する制度です。
- 利用者負担割合の見直し: 所得の変動があった場合は、市区町村に相談して負担割合証の見直しを依頼できる場合があります。
これらの制度は自動的に適用されるわけではなく、ご自身での申請が必要です。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して、利用可能な制度を確認しましょう。
各種助成金・軽減制度の利用
- 医療費控除: 介護サービス費と医療費を合算して、一定額を超えると所得控除が受けられます。
- 障害者控除: 身体障害者手帳の有無にかかわらず、65歳以上で要介護認定を受けている場合、市区町村が発行する「障害者控除対象者認定書」があれば控除が受けられることがあります。
- 自治体独自の助成金: 一部の自治体では、高齢者や要介護者向けの独自の助成金や補助金制度を設けている場合があります。お住まいの市区町村の窓口で確認してみてください。
ケアマネジャーとの連携で負担軽減
社会福祉士・ケアマネジャーによると、「ケアマネジャーの選び方が介護の質を左右する」と言います。ケアマネジャーはケアプランを作成する重要な役割を担いますが、担当できる利用者数に上限があるため、多忙なケアマネは対応が遅れることがあります。初回面談で以下の点を確認することが重要です。
- □ 連絡の取りやすさ
- □ 専門分野(医療系か福祉系か)
- □ 担当件数
- □ 得意なサービス種別
合わないと感じたら、ケアマネジャーは無料で変更できます。地域包括支援センターに相談して変更を検討しましょう。「ケアマネは全員同じ」という誤解は避けるべきです。得意分野や連携先の医療機関が異なり、サービスの質にも差が出ることがあります。

□ 費用を抑えるための確認リスト
- □ 介護保険の自己負担割合を確認したか
- □ 高額介護サービス費制度の対象になるか確認したか
- □ 市区町村の独自の助成金や補助金制度を調べたか
- □ 医療費控除や障害者控除の適用を検討したか
- □ ケアマネジャーと費用について十分に話し合ったか
- □ 介護保険外のサービスが必要か、その料金は適切か確認したか
隠れた追加費用|よくある追加費用ワースト5
介護保険が適用される訪問介護サービスにも、いくつかの「加算」という形で追加費用が発生することがあります。また、介護保険外のサービスを利用する際には、別途費用がかかります。
介護保険外サービスの費用
介護保険の適用範囲外のサービスは、全額自己負担となります。これには、以下のようなものが含まれます。
- 病院受診の付き添い(単なる移動の付き添いは保険適用外、医療行為や介護行為を含む場合は適用されることも)
- 庭の手入れ、ペットの世話
- 来客の応対
- 大掃除や模様替え
- 趣味活動の援助
これらのサービスは、事業所によって料金設定が大きく異なります。利用を検討する際は、必ず事前に料金を確認しましょう。
夜間・早朝・緊急時訪問の加算
訪問介護では、時間帯によって以下のような加算が発生します。
- 夜間加算: 午後6時から午後10時までの訪問は25%増し。
- 深夜加算: 午後10時から午前6時までの訪問は50%増し。
- 早朝加算: 午前6時から午前8時までの訪問は25%増し。
- 緊急時訪問介護加算: 利用者の急な体調変化などにより、緊急で訪問介護が必要になった場合に加算されます(1回あたり100単位程度)。
これらの加算は、介護保険サービスを利用した場合でも適用されるため、結果として自己負担額が増えることになります。
事業所が独自に設定する費用
一部の事業所では、以下のような費用を独自に設定している場合があります。
- キャンセル料: 予約を直前にキャンセルした場合に発生することがあります。
- 交通費: 事業所から利用者宅までの距離に応じて、実費や定額の交通費を請求される場合があります。
- 特定事業所加算: 質の高いサービスを提供するための体制が整っている事業所に認められる加算で、サービス料金が数%上乗せされます。
よくある追加費用ワースト5
- 夜間・深夜・早朝加算: 訪問時間帯による料金増。
- 緊急時訪問介護加算: 急な訪問による追加料金。
- 介護保険外サービスの利用料: 家事代行や付き添いなど。
- キャンセル料: 予約直前のキャンセル。
- 交通費: 事業所によっては別途請求される場合がある。
これらの費用も考慮して、全体の予算を立てることが大切です。
費用を抑えた実例と専門家のアドバイス
介護費用を抑えるためには、制度の活用と適切なケアプランが不可欠です。具体的な実例と専門家のアドバイスを見ていきましょう。
制度を活用した費用軽減例
Aさんは要介護3の母親を在宅で介護しており、訪問介護を週に3回(身体介護60分)利用していました。月の自己負担額は約15,000円。これに加えて、週に1回のデイサービス(自己負担約1,000円/回)も利用していました。
Aさんは高額介護サービス費制度の存在を知り、市区町村に申請。Aさんの世帯所得が低かったため、月の上限額が24,600円に設定されており、実際には自己負担額が上限を超えていませんでしたが、この制度を知ることで、もし今後サービス利用が増え、費用が高額になったとしても安心できることがわかりました。
さらに、Aさんの母親は要介護認定を受ける前から医療費控除の対象となる医療費が年間で10万円を超えていたため、介護サービス費も合わせて確定申告を行うことで、所得税の還付を受けることができました。
在宅看取りと訪問介護の組み合わせ
医師・緩和ケア専門家によると、在宅看取りを実現するには「かかりつけ医(訪問診療医)との事前合意」「訪問看護ステーションとの契約」「家族全員の意思統一」が不可欠です。特に「最期は病院に運ばない」という家族全員の合意なしには、救急車を呼んでしまい病院死になるケースが多いとのことです。
看取り後の死亡確認は訪問診療医が行うため、かかりつけ医と夜間・休日の連絡体制を事前に確認しておくことが重要です。
「在宅看取りは家族の負担が大きい」という誤解がありますが、訪問看護・訪問介護を組み合わせることで負担軽減が可能です。適切なサービス利用により、費用面でも精神面でも在宅での看取りが現実的な選択肢となります。
ACP(人生会議)で将来の費用を見据える
医師・緩和ケア専門家は、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング、人生会議)は「死の準備」ではなく「生き方の確認」である」と述べています。これは終末期医療の選択だけでなく、「どのように生きたいか」「大切にしていることは何か」を確認するプロセスです。延命治療の拒否・受け入れだけでなく、痛みへの対処方針、最期を迎える場所、誰に看取ってほしいかなども含まれます。
厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」でも推奨されています。ACPは一度作成したら終わりではなく、状態が変化するたびに見直すことが大切です。「ACPは高齢者や末期患者だけのもの」という誤解がありますが、40〜50代から準備を始めることが推奨されています。将来の介護や医療に関する希望を明確にしておくことで、不必要な医療費や介護費の発生を防ぎ、家族の負担も軽減できます。
ケアマネジャー選びの重要性
前述の通り、良いケアマネジャーを選ぶことは、適切なケアプランの作成だけでなく、利用できる公的支援の紹介や、無駄な費用を抑える上でも非常に重要です。
例えば、あるケアマネジャーは利用者の状態と家族の希望を丁寧にヒアリングし、訪問介護だけでなく、デイサービスやショートステイ、福祉用具のレンタルなどを組み合わせた最適なケアプランを提案しました。その結果、利用者は必要なサービスを過不足なく受けられ、かつ高額介護サービス費制度を最大限に活用し、自己負担を抑えることができました。ケアマネジャーの専門知識と連携能力が、費用面での安心につながる良い例です。
【関連】ケアマネジャーの選び方と役割について詳しくはこちら
よくある質問(FAQ)
Q1. 訪問介護の1時間あたりの料金はいくらですか?
A. 介護保険が適用される場合、1時間という明確な料金設定はありません。サービス内容によって時間区分が細かく分かれています。例えば、身体介護であれば「30分以上60分未満」で1割負担が395円~452円程度、生活援助であれば「45分以上」で1割負担が230円~264円程度が目安です。地域や加算の有無、自己負担割合によって大きく異なります。
Q2. 訪問介護で身体介護と生活援助では料金が違いますか?
A. はい、料金は異なります。身体介護は利用者の身体に直接触れる介助(食事、入浴、排泄など)であり、専門性が高いため、生活援助(掃除、洗濯、買い物など)よりも料金が高く設定されています。同じ時間区分でも、身体介護の方が単位数が多くなります。
Q3. 訪問介護の自己負担割合はどのように決まりますか?
A. 訪問介護の自己負担割合(1割、2割、または3割)は、利用者の所得によって決まります。要介護認定を受けた際に、市区町村から「介護保険負担割合証」が交付されますので、ご自身の負担割合を必ず確認してください。所得が上がると負担割合も増える可能性があります。
Q4. 介護保険が適用されない訪問介護サービスはありますか?
A. はい、あります。介護保険は、日常生活を送る上で直接必要な介護や生活援助に限定されます。例えば、病院受診の単なる付き添い、庭の手入れ、ペットの世話、大掃除、来客の応対などは介護保険の適用外となり、全額自己負担の自費サービスとなります。事業所によってはこれらのサービスも提供していますが、料金は独自に設定されています。
Q5. 訪問介護の事業所はどのように選べば良いですか?
A. 訪問介護の事業所選びは、ケアマネジャーに相談して紹介してもらうのが一般的です。複数の事業所のパンフレットや料金表を比較し、サービス内容、料金、評判、緊急時の対応などを確認しましょう。特に、ケアマネジャーが提携している事業所や、得意なサービス種別も考慮に入れると良いでしょう。可能であれば、見学や担当者との面談を通じて、信頼できる事業所を選ぶことが大切です。
まとめ|焦らず一つずつ確認しましょう
訪問介護の料金体系は複雑に感じられるかもしれませんが、その内訳や自己負担の仕組みを理解することで、漠然とした不安は解消されていきます。介護保険サービスは利用者の負担を軽減するための大切な制度です。高額介護サービス費制度や医療費控除など、活用できる制度は積極的に利用しましょう。

また、費用を抑えるためには、適切なケアプランの作成が不可欠です。信頼できるケアマネジャーを見つけ、ご家族の状況や希望をしっかりと伝え、最適なサービスを組み合わせることが重要です。医師や緩和ケア専門家の見地からも、在宅看取りやACPといった将来の準備が、結果的に費用負担の軽減につながることが示されています。
介護は一人で抱え込むものではありません。焦らず、一つずつ確認しながら、専門家や地域の支援機関に相談し、ご家族にとって最適な選択肢を見つけていきましょう。
訪問介護の費用は、利用者の状況やサービス内容によって大きく異なります。まず相談するだけでも、具体的な見積もりが得られ、焦らず比較できます。
【関連】介護保険制度の基礎知識について詳しくはこちら(kaigo-guide)
この記事の監修について
本記事は「お葬式.info 編集部」が、行政書士・司法書士・葬儀業界経験者・僧侶を含む監修者チームの助言のもと、公的統計・法令・専門書を根拠に作成しています。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。編集方針・監修者一覧は編集ポリシーをご確認ください。
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。費用・制度は変更される場合がありますので、最新情報は各専門家・行政機関へご確認ください。