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遺産の渡し方と方法|生前贈与・遺言・信託の使い分け

遺産の渡し方と方法|生前贈与・遺言・信託の使い分け
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ご自身の財産を大切なご家族やご縁のある方に「どのように渡すか」は、多くの方が一度は考えるテーマではないでしょうか。しかし、「遺産をどう渡せばいいのか分からない」「家族が困らないようにするには?」といった不安を感じることもあるかもしれません。

このページでは、遺産を渡す主な方法である「生前贈与」「遺言による相続」「民事信託(家族信託)」の3つに焦点を当て、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そしてどのように使い分ければ良いのかを、2026年現在の情報に基づいて分かりやすく解説します。皆さんの想いが、穏やかに次世代へと受け継がれるよう、具体的な選択肢を知るお手伝いができれば幸いです。

遺産の渡し方、主な3つの方法をご紹介

大切な財産を未来へ引き継ぐ方法は、いくつか存在します。主なものとして、以下の3つの選択肢が挙げられます。

  1. 生前贈与:ご自身の生存中に財産を譲り渡す方法です。
  2. 遺言による相続:ご自身の死後、遺言書に基づいて財産を承継させる方法です。
  3. 民事信託(家族信託):ご自身の財産を信頼できる家族等に託し、目的に沿って管理・運用してもらう方法です。

どの方法にも、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。ご自身の状況や財産の種類、そして「誰に、何を、どのように」渡したいかといった具体的な希望によって、最適な方法は変わってきます。

それぞれの方法を詳しく理解する

ここからは、上記の3つの方法について、もう少し詳しく見ていきましょう。

生前贈与:生前に財産を渡したい場合に

生前贈与は、財産を渡したい相手に、ご自身の生存中に財産を譲り渡す方法です。贈与が成立した時点で相手の財産となるため、受贈者はすぐにその財産を活用できるというメリットがあります。また、ご自身の意思で計画的に財産を渡せるため、将来の相続財産を減らし、相続税対策にもつながる可能性があります。

  • メリット:
    • 渡したい相手がすぐに財産を活用できる。
    • ご自身の意思で計画的に財産を渡せる。
    • 相続財産を減らし、将来の相続税負担の軽減につながる場合がある。
  • デメリット:
    • 贈与税の課税対象となる場合がある。
    • 相続発生前7年以内(2026年現在)に行われた贈与は、相続財産に加算される「持ち戻し」の対象となる場合がある。

知っておきたい制度:

  • 暦年贈与:年間110万円までの贈与は、原則として贈与税がかかりません(基礎控除)。計画的に利用することで、長い時間をかけて非課税で財産を渡すことが可能です。
  • 相続時精算課税制度:生涯で2,500万円までの贈与について贈与税が非課税となる制度です。この枠を超えた贈与には一律20%の贈与税がかかりますが、相続時に相続財産に加算され、相続税で精算されます。これにより、早い段階で大きな金額を渡したい場合に有効な選択肢となりえます。
  • 教育資金贈与の非課税措置、結婚・子育て資金贈与の非課税措置:一定の条件を満たすことで、それぞれ最大1,500万円、1,000万円まで非課税で贈与できる制度です。将来を担う世代を支援したい場合に活用が検討されます。

費用相場:贈与税がかかる場合、贈与額に応じて10%〜55%の税率が適用されます。専門家に相談する場合、相談料や書類作成費用などが別途発生することがあります。

出典:国税庁

遺言による相続:ご自身の意思を明確に残すために

遺言による相続は、ご自身の死後に財産を誰にどのように渡すか、その意思を「遺言書」として残す方法です。遺言書があれば、法定相続分にとらわれず、ご自身の望む通りに財産を分配できます。これにより、遺産をめぐる家族間の争いを未然に防ぎ、大切な方々への感謝やメッセージも伝えられます。

  • メリット:
    • ご自身の意思に基づいた財産分配が可能になる。
    • 遺産分割トラブルの防止につながる。
    • 相続手続きがスムーズに進むことが多い。
    • 特定の団体や個人に寄付するなど、多様な形で財産を活かせる。
  • デメリット:
    • 遺言書が無効になったり、内容に不備があったりすると、かえってトラブルの原因となる。
    • 遺留分(民法で定められた相続人が最低限受け取れる相続分)を侵害する内容だと、争いになる可能性がある。

遺言書の種類:

  • 自筆証書遺言:ご自身で全文を手書きして作成する方法です。費用はかかりませんが、法的な要件を満たさないと無効になるリスクがあります。法務局で保管してもらう制度(自筆証書遺言保管制度)を利用すれば、紛失や偽造のリスクを減らせます。
  • 公正証書遺言:公証役場で公証人が作成する遺言書です。費用はかかりますが、内容の正確性や有効性が高く、紛失の心配も少ないという特徴があります。

費用相場:自筆証書遺言は保管制度利用で数千円程度。公正証書遺言は、財産の価額や相続人の数によって異なりますが、数万円から数十万円程度が目安です。

出典:法務省

民事信託(家族信託):より柔軟な財産管理・承継を目指す方に

民事信託(家族信託)は、ご自身の財産を「信頼できる家族等(受託者)」に託し、あらかじめ定めた目的に従って財産を管理・運用・処分してもらう制度です。特に、ご自身が認知症などで判断能力を失った後の財産管理や、複数世代にわたる財産承継を希望する場合に有効な手段となり得ます。

  • メリット:
    • ご自身が認知症などになっても、受託者がスムーズに財産管理を継続できる。
    • 二次相続以降の財産の承継先まで、ご自身の意思を反映させられる(例えば「長男の死後は孫に」など)。
    • 柔軟な財産管理・運用が可能になる。
  • デメリット:
    • 契約内容が複雑で、専門家のサポートが必要となることが多い。
    • 制度自体が比較的新しく、まだ一般の認知度が低い。
    • 受託者の負担が大きい場合がある。

費用相場:信託契約の内容や財産額によって大きく異なります。専門家(弁護士、司法書士など)への報酬が数十万円から数百万円程度、その他に登記費用などが別途発生します。

出典:法務省、弁護士会、司法書士会など

あなたに合った「渡し方」を選ぶポイント

ここまで、遺産を渡す3つの方法を見てきました。では、ご自身の状況に最も適した方法を選ぶには、どのような点を考慮すればよいのでしょうか。

  • 目的を明確にする:

    「いつ(生前か死後か)」「誰に」「何を(不動産、預貯金など)」「どのように(トラブルなく、有効活用してほしいなど)」渡したいのかを具体的に考えてみましょう。

  • 財産の種類と規模:

    預貯金が主なのか、不動産があるのか、事業用資産があるのかなど、財産の種類によって適した方法は変わってきます。規模が大きい場合は、相続税対策も重要な検討事項となります。

  • ご家族の状況:

    ご家族の人数、年齢、健康状態、関係性なども考慮に入れるべきです。例えば、まだ幼い孫に財産を渡したい場合と、高齢の配偶者に安心して暮らしてほしい場合とでは、選ぶべき方法が異なります。

  • 費用と手間:

    それぞれの方法にかかる費用や、手続きの手間も考慮に入れる必要があります。特に専門家への依頼費用は、方法によって大きく異なります。

これらの要素を総合的に検討することで、ご自身の希望に合った「渡し方」の方向性が見えてくるはずです。

一人で悩まず、専門家と一緒に最適な道を探しましょう

遺産の渡し方は、ご家族の将来に深く関わる大切な決断です。どの方法が最適かは、ご自身の状況やご家族の意向によって千差万別であり、一つとして同じ正解はありません。

「どの方法が自分に合っているのか」「手続きが複雑でよく分からない」と感じることもあるでしょう。そんな時は、一人で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。弁護士、司法書士、税理士といった専門家は、皆さんの状況を丁寧にヒアリングし、法律や制度に基づいた最適なアドバイスを提供してくれます。

ososhiki.infoは、皆さんが安心して未来をデザインできるよう、情報提供を通じてお手伝いしたいと考えています。ご自身の想いを形にするための一歩を、踏み出してみてはいかがでしょうか。

参考情報:

国税庁

法務省

日本弁護士連合会

日本司法書士会連合会

日本税理士会連合会

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本記事の情報は執筆時点(2026年4月)のものであり、法律・制度・費用等は変更される場合があります。実際のご判断にあたっては、葬儀社・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。本記事の内容に基づいてお客様が行動した結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
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