墓じまい やり方 手順
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墓じまいのやり方・手順を完全解説|書類・費用・よくある失敗まで
(読了目安:約15分)
大切な方を亡くされた悲しみの中、あるいはご自身や家族の将来を真剣に考える中で、「墓じまい」というテーマにたどり着かれた方へ。慣れない手続きや聞き慣れない言葉に、不安や戸惑いを感じていらっしゃることと思います。
どうか、焦らなくて大丈夫です。「終活大全」では、そうした皆様のお気持ちに寄り添いながら、墓じまいの手続きを一つひとつ、丁寧に解説してまいります。すべてを一人で抱え込まず、できるところから、少しずつ進めていきましょう。
この記事でわかること
- 墓じまいの全体的な流れ(STEP別)
- 必要な書類の一覧と取得方法
- 費用の目安と注意点
- よくある失敗とその対処法
- 代行業者に依頼する場合の流れ
- よくある質問(FAQ)
墓じまいとは?まず基本を押さえましょう
墓じまいとは、現在のお墓を撤去し、埋葬されているご遺骨を別の場所へ移す(改葬:かいそう)一連の手続きのことです。
お墓の継承者がいない、遠方で管理が難しい、費用負担を軽くしたい……理由はさまざまですが、いずれも「大切なご先祖様の供養をどうするか」という、深い想いから生まれる決断です。後悔のないよう、慎重に、そして丁寧に進めていきましょう。
墓じまいに関する法的根拠として、遺骨の改葬は「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」第5条に基づき、必ず市区町村の許可(改葬許可)が必要です。
【前もって知っておくと安心です】確認すべき重要ポイント
手続きを進める前に、以下の点を把握しておくことで、焦らずに対処できます。
| 確認事項 | タイミング | 備考 |
|---|---|---|
| 家族・親族への相談 | 最初に | 合意形成がトラブル防止の要 |
| 菩提寺・墓地管理者への連絡 | できるだけ早めに | 関係性を大切に丁寧に伝える |
| 改葬先の選定 | 早期に | 受入証明書の取得が必要 |
| 改葬許可申請 | 工事着手前に必須 | 書類準備に時間がかかる場合あり |
| 閉眼供養(魂抜き)の手配 | 撤去工事前に | 石材店と連携して日程調整を |
STEP別手順|墓じまいの流れを徹底解説
STEP1:家族・親族との相談と合意形成
所要目安:1か月〜数か月
墓じまいは、ご先祖様に関わる大切な決断です。まずはご家族やご親族に丁寧に相談し、全員の合意を得ることが何よりも重要です。後のトラブルを防ぐためにも、事前の話し合いを大切にしてください。
話し合いで決めておきたい主な事項は以下のとおりです。
- 墓じまいを行う理由と経緯の共有
- 改葬先の方向性(樹木葬・納骨堂・永代供養墓など)
- 費用の負担割合
- 遺骨の承継者・管理者の確認
弁護士の実務的な観点から:費用負担や改葬先の決定において、親族間の公平性や合意形成は非常に重要です。後日「聞いていなかった」「同意していない」というトラブルは少なくありません。できれば合意内容を文書化しておくと安心です。
STEP2:菩提寺・墓地管理者への相談と離檀手続き
所要目安:1か月〜数か月
現在お墓がある菩提寺(ぼだいじ:先祖代々の供養をお願いしているお寺)や墓地の管理者に、墓じまい(改葬)の意思を伝えます。
菩提寺の場合(離檀の場合)
これまでのご縁と感謝を丁寧にお伝えしながら、離檀(りだん:檀家関係を終了すること)の意向を伝えましょう。なお、離檀料(お布施)を求められる場合がありますが、これは法律で定められた義務ではありません。あくまで感謝の気持ちとして包むものです。
金額に明確な基準はなく、数万円〜20万円程度が目安とされることがありますが、地域やお寺との関係性によって大きく異なります。高額な離檀料を一方的に請求されてトラブルになるケースもあるため、不安な場合は専門家へのご相談をお勧めします。
公営墓地・民間霊園の場合
管理規約に従って手続きを進めます。管理事務所に問い合わせて、必要な書類や手順を確認しましょう。
【関連】離檀料とトラブルへの対処法について詳しくはこちら
STEP3:改葬先の決定と「受入証明書」の取得
所要目安:1か月〜数か月
遺骨をどこに移すかを決め、改葬先の管理者から「受入証明書(うけいれしょうめいしょ)」を発行してもらいます。これは、改葬先が遺骨の受け入れを承諾したことを証明する書類です。
主な改葬先の選択肢は以下のとおりです。
| 改葬先の種類 | 特徴 | 費用目安(目安・地域差あり) |
|---|---|---|
| 一般墓地(新しいお墓) | 従来型のお墓。管理が続けられる | 100万円〜300万円程度 |
| 永代供養墓 | 寺院や霊園が供養を継続。継承者不要 | 10万円〜100万円程度 |
| 納骨堂 | 室内施設。アクセスしやすい | 30万円〜100万円程度 |
| 樹木葬 | 自然葬の一種。樹木の下に埋葬 | 10万円〜100万円程度 |
| 散骨 | 粉砕した遺骨を海・山などへ散骨 | 5万円〜30万円程度 |
| 手元供養 | 遺骨の一部を手元で保管 | 数千円〜数万円程度 |
※費用はあくまで目安です。地域・施設・プランにより大きく異なります。
STEP4:現在のお墓の「埋蔵証明書」の取得
所要目安:1〜2週間
現在お墓がある墓地の管理者に、「埋蔵証明書(まいぞうしょうめいしょ)」の発行を依頼します。これは、そのお墓に誰の遺骨が埋葬されているかを証明する書類です。
墓地管理者が改葬許可申請書の「埋蔵証明欄」に直接記入・押印する形式を採用している自治体もあります。事前に現在のお墓がある市区町村の窓口へ確認しておきましょう。
STEP5:自治体への「改葬許可申請」
所要目安:1〜2週間
現在のお墓がある自治体(市区町村)の窓口に、以下の書類を揃えて「改葬許可申請」を行います。申請が許可されると、「改葬許可証(かいそうきょかしょう)」が発行されます。
⚠️ 重要:改葬許可証がなければ、遺骨の取り出しや墓石の撤去は行えません。必ず事前に取得してください。(墓地、埋葬等に関する法律第5条 / 参考:e-Gov法令検索)
STEP6:閉眼供養と墓石の撤去・更地化工事
所要目安:1か月〜
改葬許可証が発行されたら、石材店に依頼して墓石の撤去と墓地の更地化(更地返還)工事を行います。
工事の前には、菩提寺や宗派のお寺に依頼して「閉眼供養(へいがんくよう)」、別名「魂抜き(たましいぬき)」を行うことが一般的です。これは、お墓に宿るご先祖様の魂を抜く儀式で、宗教的な意味合いを持ちます。
工事費用の目安は1基あたり10万円〜30万円程度ですが、墓石の大きさや立地条件、石材店によって異なります。複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
STEP7:新しい場所への納骨・開眼供養
所要目安:数日〜1か月程度
遺骨を改葬先へ持参し、納骨を行います。このとき、「改葬許可証」を改葬先の管理者に提出する必要があります。
また、新しい供養先での「開眼供養(かいがんくよう)」、別名「魂入れ(たましいいれ)」を行うことが一般的です。これで墓じまいの一連の流れは完了となります。
必要書類一覧チェックリスト
書類の抜け漏れは手続きの遅れにつながります。以下のチェックリストをご活用ください。
| 書類名 | 入手先 | 備考 |
|---|---|---|
| ☐ 改葬許可申請書 | 現在のお墓がある市区町村の窓口・HP | 自治体ごとに書式が異なる場合あり |
| ☐ 埋蔵証明書 | 現在の墓地管理者 | 申請書の証明欄に記入してもらう形式もあり |
| ☐ 受入証明書 | 改葬先の墓地・施設管理者 | 申請書の証明欄に記入してもらう形式もあり |
| ☐ 申請者の本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど | コピー可の自治体が多い |
| ☐ 申請者の印鑑 | 認印で可 | 自治体によっては不要な場合も |
| ☐ 委任状(代理人の場合) | 自治体の書式に従い作成 | 代理申請の場合に必要 |
よくある書類ミスと対処法
- 記載漏れ・誤字脱字:故人の氏名・生年月日・死亡年月日は戸籍を確認しながら正確に記入を
- 押印忘れ:申請者・墓地管理者・改葬先管理者それぞれの押印が必要な箇所を確認
- 書式の取り違え:必ず申請先の自治体が指定する書式を使用すること
- 証明書の日付の前後:埋蔵証明書や受入証明書の日付が申請日より後になっていないか確認
書類が揃わない場合:自治体によっては、代替書類(使用許可証・施設との契約書など)での対応や、個別相談に応じてくれるケースもあります。まずは窓口へご相談ください。
期限カレンダー|前もって知っておくことで、焦らずに対処できます
墓じまいの手続きに法律上の厳密な期限はありませんが、改葬許可証の取得は工事着手前に必須です。以下を参考に、余裕を持ったスケジュールを立てておきましょう。
| 時期の目安 | やること | 窓口・依頼先 |
|---|---|---|
| 3〜6か月前 | 家族・親族への相談・合意形成 | 家族間で |
| 3〜6か月前 | 菩提寺・墓地管理者への相談 | 菩提寺・霊園管理事務所 |
| 2〜4か月前 | 改葬先の選定・契約・受入証明書の取得 | 改葬先施設 |
| 2〜3か月前 | 埋蔵証明書の取得・改葬許可申請 | 現在の墓地管理者・市区町村窓口 |
| 1〜2か月前 | 閉眼供養の手配・石材店への発注 | 菩提寺・石材店 |
| 当日〜1か月以内 | 墓石撤去・更地化工事 | 石材店 |
| 工事後〜 | 改葬先への納骨・開眼供養 | 改葬先施設・お寺 |
よくある失敗と対処法
❌ 失敗①:親族の同意を得ないまま進めてしまった
対処法:墓じまいを決めたら、まず関係者全員に連絡し、話し合いの場を設けましょう。遠方の親族にはオンライン通話も有効です。合意の記録として、メールや文書を残しておくと安心です。
❌ 失敗②:菩提寺への連絡が直前になってしまった
対処法:お寺との関係は長年にわたるものです。早めに丁寧にお伝えすることで、離檀の交渉もスムーズに進みやすくなります。「いきなり告げる」のではなく、相談するスタンスで臨みましょう。
❌ 失敗③:改葬許可証を取得する前に工事を依頼してしまった
対処法:改葬許可証は工事着手前に必ず取得が必要です。法律上の要件であり(墓地、埋葬等に関する法律第5条 / 参考:e-Gov法令検索)、許可証なしに遺骨を移動させると法律違反になる場合があります。石材店への発注前に必ず取得を確認してください。
❌ 失敗④:石材店を1社しか比較しなかった
対処法:工事費用は業者によって大きく差が出る場合があります。少なくとも2〜3社から見積もりを取り、作業内容・金額・アフターフォローを比較してから決定しましょう。
❌ 失敗⑤:改葬先を急いで決めて後悔した
対処法:改葬先は「自分が定期的にお参りできるか」「費用の継続負担は可能か」「宗教・宗派の制限はないか」などを慎重に確認しましょう。焦って決める必要はありません。
代行依頼する場合の流れ
「手続きが複雑で不安」「遠方で自分では動けない」という場合は、墓じまいの代行サービスを利用することも一つの選択肢です。
代行依頼できる主な業者・専門家
| 種別 | 依頼できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 石材店 | 墓石撤去・更地化工事、書類サポート | 工事以外のサポートは業者による |
| 墓じまい専門業者 | 書類手続き代行・改葬先の提案・工事一括 | 費用が割高になる場合あり |
| 行政書士 | 改葬許可申請などの書類手続き代行 | 法律書類の作成が得意 |
| 弁護士 | 親族間トラブル・離檀料交渉など | 法的紛争が絡む場合に心強い |
代行依頼の流れ
- 相談・見積もり依頼:複数の業者に連絡し、内容・費用を比較
- 契約・依頼内容の確認:何を代行してもらうか明確に書面で確認
- 書類収集のサポート:自治体への申請書類の取得・記入をサポートしてもらう
- 改葬許可申請の代行:業者または行政書士が窓口へ提出
- 工事・納骨の立ち会い:希望する場合は立ち会いを依頼できる業者もあり
- 完了報告の受け取り:工事完了証明書などを受け取り、内容を確認
注意:代行業者の選定は慎重に。実績・口コミを確認し、契約前に「何をどこまでやってくれるか」を必ず書面で確認しましょう。
【関連】墓じまいの費用相場と費用を抑えるポイントについて詳しくはこちら
墓じまいにかかる費用の目安
墓じまい全体でかかる費用の目安を以下にまとめます。ただし、地域・施設・状況によって大きく異なりますので、あくまで参考程度にとどめ、個別に見積もりを取ることをお勧めします。
| 費用項目 | 費用目安(地域差あり) |
|---|---|
| 閉眼供養(魂抜き)のお布施 | 3万円〜10万円程度 |
| 墓石撤去・更地化工事費 | 10万円〜30万円程度(1基あたり) |
| 離檀料(お布施) | 0円〜20万円程度(任意) |
| 改葬許可申請手数料 | 無料〜1,500円程度(自治体による) |
| 遺骨の運搬費 | 数千円〜数万円程度 |
| 改葬先への納骨費用 | 改葬先の種類により大きく異なる |
| 合計目安 | 30万円〜100万円以上になる場合も |
費用の節約を検討する場合は、「墓じまいの費用を抑える方法」について専門家にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 墓じまいをするのに、全員の同意は法律上必要ですか?
A. 法律上、墓じまい(改葬)に際して親族全員の同意を義務付ける規定は現状存在しません(参考:e-Gov法令検索)。ただし、実際には親族間のトラブルになるケースが多いため、できる限り全員の合意を得ることを強くお勧めします。特に、遺骨の管理を引き継ぐ「承継者」がいる場合は、その方の同意は実務上不可欠となる場合があります。
Q2. 菩提寺に断られた場合はどうすればよいですか?
A. 菩提寺が改葬に応じないケースはまれですが、全くないわけではありません。法律上、墓地の使用者には改葬を請求する権利があります。丁寧な話し合いを重ねることが第一ですが、それでも解決しない場合は、弁護士や行政書士などの専門家に相談することをお勧めします。
Q3. 遠方に住んでいて手続きが難しいのですが、代理人に依頼できますか?
A. はい、可能です。代理人が手続きを行う場合は委任状が必要になります。また、石材店や墓じまい専門業者・行政書士などに代行を依頼する方法もあります。まずは現在のお墓がある自治体の窓口へ、代理申請の方法について確認してみましょう。
Q4. 墓じまい後、遺骨の一部を手元に残しても良いですか?
A. はい、「手元供養」として遺骨の一部を手元に保管することは認められています。ただし、自宅で保管する場合は「改葬許可証」の対象外となる場合があり、また散骨など他の方法を選ぶ際には別途手続きが必要になるケースがあります。改葬先の管理者や自治体に確認しておくと安心です。
Q5. 墓じまいを検討しているが、先祖に申し訳ない気持ちがあって踏み出せません。
A. そのようなお気持ちは、とても自然なことです。墓じまいは「お墓を放棄する」のではなく、「より適切な形でご先祖様を供養し続ける」ための選択です。形が変わっても、供養の気持ちは変わらず伝わります。焦らず、ご自身とご家族のペースで考えていただければと思います。不安なことがあれば、専門家やお寺のご住職にご相談されることもお勧めです。
Q6. 認知症の親がお墓の承継者の場合、手続きはどうすればよいですか?
A. 認知症=意思能力がないとは限りません。弁護士の実務的見地では、「作成時点の判断能力」が重要とされており、軽度であれば意思能力が認められるケースも多いとされています(参考:民法963条)。ただし、判断が難しい場合は、かかりつけ医の診断書を保管しておくことや、成年後見制度(せいねんこうけんせいど:判断能力が不十分な方を法的に支援する制度)の利用を検討することをお勧めします。詳しくは弁護士へご相談ください。
まとめ
墓じまいの主な手順を改めて整理します。
- 家族・親族との相談と合意形成
- 菩提寺・墓地管理者への連絡と離檀手続き
- 改葬先の決定と受入証明書の取得
- 現在の墓地からの埋蔵証明書の取得
- 自治体への改葬許可申請・改葬許可証の受け取り
- 閉眼供養・墓石撤去・更地化工事
- 新しい場所への納骨・開眼供養
手続きの数は多く感じられるかもしれませんが、一つひとつは決して難しいものではありません。前もって知っておくことで、焦らず、ご自身のペースで進めることができます。
大切なのは、ご先祖様への想いを忘れずに、ご家族みんなで丁寧に向き合うことです。どうかひとりで抱え込まないでください。
専門家への相談案内
墓じまいに関して「親族と意見が合わない」「菩提寺との交渉がうまくいかない」「費用が高すぎると感じる」など、お困りのことがあれば、ひとりで悩まずに専門家へご相談ください。
| 相談したい内容 | 相談先 |
|---|---|
| 書類手続きをサポートしてほしい | 行政書士 |
| 親族トラブル・離檀料交渉 | 弁護士 |
| 工事・改葬先の提案 | 石材店・墓じまい専門業者 |
| 供養の方法・宗教的な相談 | 菩提寺・宗派のお寺 |
| 総合的な終活の相談 | 終活カウンセラー・FP |
「終活大全」では、読者の皆様が安心して終活に向き合えるよう、引き続き情報をお届けしてまいります。一人じゃない、相談できる場所があると、少しでも感じていただけたなら幸いです。
※宗派・地域・寺院によって作法・費用・名称が大きく異なります。必ず担当の寺院・神社・教会に直接ご確認ください。
> ※費用・価格はあくまで参考値です。地域・業者・個別の状況によって大きく異なります。必ず複数の業者・専門家に確認してください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件については弁護士・税理士・葬儀の専門家にご相談ください。
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