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介護保険の使い方【2026年版】申請から利用まで

介護保険の使い方【2026年版】申請から利用まで
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介護保険の使い方【2026年版】申請から利用まで

今、大切な方の介護に直面し、不安や疲労でいっぱいになっていらっしゃるかもしれません。あるいは、すでに介護生活の中で「もっと早く知っていれば」と感じた経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。まずは、毎日を懸命に過ごされているあなたへ、心からのねぎらいを伝えさせてください。

介護保険の手続きは「複雑で取っつきにくい」と感じる方が多いのは当然のことです。しかし、この制度は本来、あなたや大切な方が住み慣れた場所で、できる限り自分らしく生き続けるための「社会の支え」として存在しています。急いで全部を理解しようとしなくても大丈夫です。このページでは、介護保険の申請からサービス利用までの流れを、2026年版の最新情報や今後の制度改正の動向も踏まえながら、あなたの負担を少しでも減らせるよう、できる限りわかりやすく整理しました。ぜひ、必要な情報から少しずつ確認してみてください。

📘 出典:本記事の制度情報は厚生労働省「介護・高齢者福祉」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/)を参照しています。

介護保険とは?支え合いの制度を深く理解する

介護保険は、高齢化社会が進む日本において、誰もが安心して老後を迎えられるよう、社会全体で費用を分かち合う仕組みです。介護が必要になった方が、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるよう、必要な介護サービスを費用の一部負担で利用できます。

介護保険の目的と対象者

介護保険の最も大切な目的は、介護が必要となった方が、できる限り自立した日常生活を送れるように支援することです。そして、生活の質(QOL:クオリティ・オブ・ライフ=その人が「よい生活だ」と感じられる度合い)を向上させることを目指しています。

対象者は大きく2種類に分かれます(2026年現在)。

区分 対象者 利用条件
第1号被保険者 65歳以上の方 原因を問わず、要介護・要支援認定を受ければ利用可能
第2号被保険者 40〜64歳で医療保険に加入している方 特定疾病(がん末期・関節リウマチなど加齢が原因とされる16種類の疾病)によって介護が必要になった場合のみ利用可能

⚠️ 40〜64歳の方の場合、「特定疾病」に該当するかどうかが利用の可否を左右します。まずは主治医にご確認ください。

介護保険料と自己負担割合

介護保険は、加入者からの保険料と公費(税金)で運営されています。

  • 介護保険料の徴収
    第1号被保険者(65歳以上)の保険料は、お住まいの市区町村が決定し、原則として年金からの天引きや納付書での支払いとなります。2024年度の全国平均月額は約6,225円ですが、市区町村や所得によって異なります。高齢化の進行に伴い、2026年度以降も保険料は上昇傾向が予測されます。
    第2号被保険者(40〜64歳)の保険料は、加入している医療保険の保険料と合わせて徴収されます。
  • サービス利用時の自己負担割合
    介護保険サービスを利用する際、原則としてかかった費用の1割を自己負担します。ただし、所得に応じて2割または3割負担となる場合があります。
    例えば、単身で年金収入とその他の所得を合わせた年間所得が220万円以上の方は2割負担、340万円以上の方は3割負担となるのが一般的です。世帯の状況によって基準は異なりますので、ご自身の負担割合は市区町村の窓口で確認できます。

介護保険で受けられる主なサービス

介護保険で受けられるサービスは、利用者の状態や生活環境に応じて多岐にわたります。大きく分けて以下の3種類があります。

サービス区分 内容の例 具体的なサービス内容
居宅サービス
(自宅で受けるもの)
訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具レンタル・購入費支給、住宅改修費支給 など
  • 訪問介護(ホームヘルプ):ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護(入浴・排泄・食事介助など)や生活援助(掃除・洗濯・買い物など)を行います。
  • デイサービス(通所介護):日中の間、施設に通い、食事、入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けます。
  • ショートステイ(短期入所生活介護):短期間施設に入所し、介護や機能訓練を受けます。家族の介護負担軽減や病気・冠婚葬祭時などに利用されます。
  • 福祉用具レンタル・購入費支給:車いすや特殊寝台などのレンタル費用、入浴補助用具などの購入費用の一部が支給されます。
  • 住宅改修費支給:手すりの取り付けや段差解消など、自宅を介護しやすいように改修する費用の一部が支給されます。
施設サービス
(施設に入所して受けるもの)
特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院 など
  • 特別養護老人ホーム(特養):常時介護が必要で自宅での生活が困難な方が入所し、生活全般の介護を受けます。入居待機期間が数ヶ月から数年かかることもあります。
  • 介護老人保健施設(老健):病状が安定し、リハビリテーションを中心とした医療ケアや看護、介護を受けながら在宅復帰を目指す施設です。入所期間は原則3ヶ月程度とされています。
  • 介護医療院:長期的な医療と介護を必要とする方が入所し、医療的なケアと生活施設としての機能を提供します。
地域密着型サービス
(住み慣れた地域で受けるもの)
小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)など
  • 小規模多機能型居宅介護:訪問、通い、宿泊の3つのサービスを柔軟に組み合わせて利用できる複合型サービスです。
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム):認知症の方が共同生活を送りながら、介護や機能訓練を受けます。地域に密着した少人数制の施設です。

【関連】地域包括支援センターの役割と相談できることについて詳しくはこちら

地域包括支援センターは、高齢者の総合相談窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーといった専門職が連携し、介護予防、権利擁護、総合相談支援など、多岐にわたるサポートを提供しています。介護保険の申請代行や、地域の介護サービスに関する情報提供も行っていますので、困ったことがあればまず相談してみることをお勧めします。

要介護認定の申請からサービス利用開始までの全ステップ

介護保険サービスを利用するには、まず「要介護認定(ようかいごにんてい)」という手続きが必要です。「どの程度の介護が必要か」を公的に確認するプロセスで、これによって利用できるサービスの種類や量が決まります。手順を一つずつ、できるときに確認していきましょう。

介護保険サービス利用までの流れ
1
要介護認定の申請

市区町村窓口へ書類を提出
2
認定調査・主治医意見書作成

心身の状態を確認
3
一次判定・二次判定

コンピュータ判定と介護認定審査会
4
認定結果の通知

要支援・要介護度が決定
5
ケアプランの作成

ケアマネジャーと相談し計画を立案
6
サービス利用開始

計画に基づきサービスを利用

ステップ1:要介護認定の申請

お住まいの市区町村の窓口(介護保険課など)に要介護認定の申請を行います。地域包括支援センターや居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが在籍する事業所)でも申請の相談・代行が可能です。特に手続きが難しいと感じる場合や、時間が取れない場合は、これらの機関に相談することをお勧めします。

申請に必要なもの(一般的な例)

  • 介護保険被保険者証(65歳以上の方)
  • 医療保険の被保険者証(40〜64歳の方)
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
  • マイナンバー確認書類
  • 主治医の情報(病院名・医師名)

💡 手続きが難しいと感じる場合は、地域包括支援センター・民生委員・ケアマネジャーに代行を依頼できます。一人で抱え込まないでください。

ステップ2:認定調査と主治医意見書の作成

申請後、市区町村の担当者がご自宅などを訪問し、心身の状態を確認する「認定調査」が行われます。この調査では、食事・排泄・入浴・着替えなどの身体能力、認知機能、精神状態など約80項目が確認されます。ご本人だけでなく、日頃の介護状況を知るご家族も同席し、普段の様子を具体的に伝えることが重要です。

同時に、市区町村から依頼を受けた主治医が、病状や心身の状態、医療的な見地からの意見をまとめた「主治医意見書」を作成します。これは、認定審査会での判断材料の一つとなります。

ステップ3:一次判定・二次判定(介護認定審査会)

認定調査の結果と主治医意見書に基づき、要介護度の判定が行われます。

  • 一次判定:認定調査のデータがコンピュータに入力され、全国一律の基準で要介護度が一次的に判定されます。
  • 二次判定:一次判定の結果と主治医意見書、認定調査票の特記事項などを基に、「介護認定審査会」で総合的に審査・判定が行われます。この審査会は、保健・医療・福祉の専門家で構成され、個々の状況に応じた適切な要介護度を決定します。

申請から結果通知までの期間は、通常30日程度が目安ですが、地域や申請状況によっては1ヶ月半〜2ヶ月程度かかる場合もあります。

ステップ4:認定結果の通知

介護認定審査会の結果に基づき、市区町村から「介護保険被保険者証」が送付されます。この被保険者証には、認定された要介護度(要支援1・2、要介護1〜5、または非該当)、サービスの有効期間、負担割合などが記載されています。

要介護認定の有効期間は、新規申請の場合で原則6ヶ月、更新申請の場合は原則12ヶ月〜24ヶ月です。有効期間満了前に更新手続きが必要となりますので、忘れずに確認しましょう。

ステップ5:ケアプランの作成

要介護認定の結果が出たら、介護保険サービスを利用するための「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成します。

  • 要支援1・2と認定された方:地域包括支援センターの担当者(保健師など)が「介護予防ケアプラン」を作成します。
  • 要介護1〜5と認定された方:居宅介護支援事業所のケアマネジャーが「ケアプラン」を作成します。

ケアマネジャーは、ご本人やご家族の希望、心身の状態、生活環境などを考慮し、最適なサービスを提案してくれます。ケアプランの作成費用は、介護保険から全額支給されるため、利用者の自己負担はありません。

ステップ6:サービス利用開始

作成されたケアプランに基づき、介護保険サービスの利用が開始されます。サービス利用開始後も、ケアマネジャーは定期的に利用状況を確認し、必要に応じてケアプランの見直しを行います。ご自身の状態や生活状況に変化があった場合は、遠慮なくケアマネジャーに相談しましょう。

介護保険サービス利用時の費用と負担軽減策

介護保険サービスは自己負担割合が設定されていますが、月々の利用料には上限があり、一定額を超えた場合は払い戻しされる制度もあります。これらの負担軽減策を理解し、賢く利用することが大切です。

サービス利用の月額支給限度額

要介護度に応じて、介護保険から支給されるサービス費には月々の限度額(区分支給限度額)が設けられています。この限度額の範囲内でサービスを利用した場合、自己負担割合に応じた費用を支払います。限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分の費用は全額自己負担となります。

月額支給限度額の目安(2026年現在、地域によって単価が異なるため参考値)

  • 要支援1:約50,320円
  • 要支援2:約105,310円
  • 要介護1:約167,650円
  • 要介護2:約197,050円
  • 要介護3:約270,480円
  • 要介護4:約309,380円
  • 要介護5:約362,170円

例えば、要介護1の方が月に10万円分のサービスを利用し、自己負担割合が1割の場合、自己負担額は1万円となります。

高額介護サービス費制度

介護保険サービスを利用した際の自己負担額が、一定の上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度が「高額介護サービス費」です。これにより、介護費用が高額になったとしても、家計への負担が過度にならないよう配慮されています。

月々の自己負担上限額の目安(2026年現在)

  • 一般世帯(課税所得がある方):44,400円
  • 住民税非課税世帯(世帯全員が住民税非課税):24,600円
  • 生活保護受給者・老齢福祉年金受給者等:15,000円

この上限額は所得段階によって細かく設定されています。申請は、市区町村の窓口で行います。対象となる方には、利用月の数ヶ月後に市区町村から案内が届くことが一般的ですが、ご自身で確認し申請することも可能です。

特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)

特別養護老人ホームなどの施設サービスを利用する場合、サービス費用以外に食費や居住費(滞在費)がかかります。この食費・居住費についても、低所得者の方を対象に負担を軽減する制度が「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」です。

この制度を利用するには、市区町村に申請して「介護保険負担限度額認定証」の交付を受ける必要があります。認定証を施設に提示することで、食費・居住費が軽減された自己負担額で利用できるようになります。

医療費控除との関連

介護保険サービスの中には、医療費控除の対象となるものもあります。例えば、訪問看護や介護老人保健施設・介護医療院の利用料、居宅サービスで医療系サービスと併用している場合の自己負担額などが該当します。

対象となる費用を領収書などで確認し、確定申告時に医療費控除の申請を行うことで、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。詳細は税務署や税理士にご相談ください。

2026年に向けた介護保険制度の主な変更点と注意点

介護保険制度は、日本の高齢化社会の進展に合わせて常に見直しが行われています。2026年度以降の制度運営に向けて、現在議論されている主な変更点や、今後注目すべきポイントについて解説します。

今後の制度改正の動向と「2025年問題」

日本は2025年に団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」を迎え、さらに2040年には高齢者人口がピークを迎えることが予測されています。これに伴い、介護ニーズが大幅に増加し、介護保険制度の持続可能性が大きな課題となっています。

このため、政府は2024年の介護保険法改正議論において、2026年度以降の制度運営に関する様々な論点を提示しています。主な検討事項は以下の通りです。

  • 自己負担割合の見直し
    現行の1割・2割・3割負担に加え、2割負担の対象を拡大したり、3割負担の対象となる所得基準を見直したりする可能性が議論されています。これは、制度の財源確保と給付と負担のバランスを図るための重要な論点です。
  • 軽度者(要支援1・2、要介護1)へのサービス給付の見直し
    特に生活援助サービス(掃除、洗濯、買い物など)について、市町村が実施する総合事業への移行や、サービス内容の限定などが検討されています。これは、介護保険財源をより重度の介護が必要な方に重点的に配分しようとする動きの一環です。
  • 多床室の室料負担
    特別養護老人ホームなどの多床室(相部屋)を利用する際の室料について、原則自己負担とする方向性が議論されています。現行では多床室の居住費は介護保険給付に含まれるため、変更されれば利用者負担が増える可能性があります。
  • 利用者のニーズに応じた多様なサービス展開
    介護ロボットやICT(情報通信技術)を活用した見守り・介護支援、介護予防サービスの強化など、技術を活用した効率的で質の高い介護サービスの提供が推進されています。

これらの改正は、2026年度以降に順次施行される可能性があります。介護保険の利用を検討されている40〜70代の方々にとっては、将来的な負担増につながる可能性もあるため、今後の動向には特に注意が必要です。

常に最新情報を確認する重要性

介護保険制度は、社会情勢や高齢化の進展に合わせて常に変化しています。本記事でご紹介した情報も、2026年現在の一般的な制度内容ですが、今後数年で具体的な変更が行われる可能性は十分にあります。介護保険の利用を検討する際は、ぜひお住まいの市区町村の介護保険窓口や、地域包括支援センターに最新の情報を確認するようにしてください。

また、介護保険制度以外にも、自治体独自の介護サービスや高齢者支援制度が存在する場合があります。これらの情報も積極的に収集し、ご自身やご家族にとって最適な支援を見つけることが、安心して介護生活を送るための鍵となります。

まとめ:未来への備えとして介護保険を理解しよう

介護は、いつか誰もが直面する可能性のある人生の大きなテーマです。介護保険制度は、その不安を社会全体で支え合うための大切な

本記事の情報は執筆時点(2026年4月)のものであり、法律・制度・費用等は変更される場合があります。実際のご判断にあたっては、葬儀社・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。本記事の内容に基づいてお客様が行動した結果について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
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