借金がある 相続 どうすればいい
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借金がある相続、どうすればいい?【2026年版】焦らず一緒に考えましょう
大切な方を亡くされたばかりの今、心からお悔やみ申し上げます。
深い悲しみの中にいるにもかかわらず、故人様の「借金」という問題まで抱えることになってしまった。そのお気持ちは、どれほど重くつらいものかと思います。
でも、大丈夫です。焦らなくていいです。
このページでは、借金がある相続(マイナスの遺産を含む相続)に直面したあなたが、一つずつ、少しずつ、穏やかに問題解決へ進めるよう、具体的な対処法をわかりやすくお伝えしていきます。今日できることから、一緒に確認していきましょう。

借金がある相続で、まずやること3つ(今日中に確認)
今すぐにすべてを解決しようとする必要はありません。まずは以下の3つを、できる範囲で確認してみてください。
| # | 今日やること | 具体的な行動 |
|---|---|---|
| ① | 故人の財産状況をざっくり把握する | 銀行通帳・郵便物・契約書・クレジット明細などを確認。プラスとマイナス、両方の財産を洗い出す |
| ② | 「相続放棄の期限」を頭に入れる | 相続放棄できる期間は、相続の開始を知った日から原則3か月以内(民法915条)。まずこの期限だけ覚えておく |
| ③ | 一人で判断せず、専門家への相談を予約する | 弁護士・司法書士・法テラスなどに相談の予約を入れる。無料相談から始めて構いません |
📌 ポイント:「相続放棄の期限(3か月)」はあくまで目安として知っておくだけで十分です。「知らなかった」「財産調査中だった」などの事情があれば、期間の延長が認められる場合もあります(民法915条1項ただし書)。焦って動く必要はありませんが、前もって知っておくことで、心に余裕が生まれます。
【関連】相続放棄の期限・手続きについて詳しくはこちら
借金がある相続、あなたはどのケース?【状況別チェック】
相続と借金の問題には、さまざまなパターンがあります。あなたの状況に近いものを確認してみてください。
ケース① 借金の方がプラス財産より多そう
→ 「相続放棄」または「限定承認」を検討する段階です。後ほど詳しく説明しますが、相続放棄をすれば、故人の借金を引き継がずに済む場合があります。
ケース② プラス財産の方が多く、借金も返せそう
→ 「単純承認(通常の相続)」 で問題ないケースが多いです。ただし、隠れた借金がないか慎重に確認してから手続きを進めることをおすすめします。
ケース③ 財産も借金も、まだよくわからない
→ まずは財産調査を進めることが先決です。後述の「財産調査の方法」を参考にしてください。調査中でも、3か月の期限が心配な場合は、家庭裁判所に「期間の伸長申請(きかんのしんちょうしんせい)」を行うことができます。
ケース④ 借金があることを、亡くなってから時間が経ってから知った
→ 「相続の開始を知った時から3か月」が起算点(計算を始める時点)になるため、死亡から時間が経っていても、事情によっては相続放棄できる可能性があります。まず弁護士・司法書士にご相談ください。
借金がある相続の「3つの選択肢」をわかりやすく整理
日本の法律では、相続人には3つの選択肢が認められています。それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
| 選択肢 | 内容 | こんな場合に向いている |
|---|---|---|
| 単純承認(たんじゅんしょうにん) | プラスの財産もマイナスの財産(借金)もすべて引き継ぐ | プラス財産が借金を上回る場合、または借金がほぼない場合 |
| 相続放棄(そうぞくほうき) | すべての財産(プラス・マイナス両方)を放棄する | 借金がプラス財産を大きく上回る場合 |
| 限定承認(げんていしょうにん) | プラス財産の範囲内でのみ借金を返済する。残った借金は引き継がない | 財産があるかもしれないが、借金の規模が不明な場合など |
相続放棄について、もう少し詳しく
相続放棄は、家庭裁判所に申述(しんじゅつ=申し出ること) することで行います。相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったものとみなされます(民法939条)。そのため、故人の借金を返す必要がなくなります。
ただし注意点もあります。
- すでに相続財産を処分(使用・売却など)した場合は、単純承認したとみなされる可能性があります(法定単純承認・民法921条)。
- 相続放棄をすると、プラスの財産(預貯金・不動産等)も受け取れなくなります。
- 相続放棄によって、次の順位の相続人(例:兄弟姉妹)に相続権が移ることがあります。その方々への連絡・配慮も大切です。
限定承認は使いやすい?
限定承認は、プラス財産の範囲でしか借金を払わなくて済む便利な制度ですが、相続人全員が共同で申請する必要があるなど、手続きが複雑なため、実際には相続放棄が選ばれるケースが多い状況です。弁護士への相談をおすすめします。
時系列でわかる!借金がある相続の対応手順
前もって流れを知っておくことで、焦らずに対処できます。あくまで目安として参考にしてください。
死亡直後〜1週間
└ 死亡診断書の受け取り、死亡届の提出
└ 葬儀・法要の手配
1週間〜1か月
└ 遺言書の有無を確認(公証役場・自宅・法務局)
└ 故人の財産・借金の調査を開始
(通帳・郵便物・信用情報機関への照会など)
└ 相続人を確認(戸籍謄本の収集)
1か月〜3か月以内(重要)
└ 財産調査を継続
└ 3つの選択肢(単純承認・相続放棄・限定承認)を検討
└ 借金の方が多い場合 → 相続放棄の申述を家庭裁判所へ
└ 迷っている場合 → 弁護士・司法書士へ相談
└ 調査が終わらない場合 → 家庭裁判所へ「熟慮期間の伸長申請」
3か月以降
└ 単純承認の場合:遺産分割協議・名義変更等
└ 相続放棄完了後:次順位の相続人への連絡(必要に応じて)
└ 相続税申告(相続開始を知った日の翌日から10か月以内)
借金の調査方法【知らないと損する3ステップ】
「借金がどれくらいあるのか、全然わからない」という方のために、調査の方法をご紹介します。
ステップ1:自宅の書類・郵便物を確認する
- 金融機関・消費者金融・クレジット会社からの郵便物
- 借用書・金銭消費貸借契約書(かねのかしかりに関する契約書)
- 保証契約書(他人の借金の保証人になっていないか)
- 固定資産税の通知書(不動産の把握にも使える)
ステップ2:信用情報機関に照会する
故人の借金状況は、以下の信用情報機関(クレジット・ローンの利用履歴を管理する機関)に照会することで確認できる場合があります。
- CIC(クレジットカード・ローン系):https://www.cic.co.jp/
- JICC(日本信用情報機構)(消費者金融系):https://www.jicc.co.jp/
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)(銀行系):https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/
相続人として、被相続人(亡くなった方)の信用情報の開示請求が可能です(各機関の手続きに従って申請してください)。
ステップ3:弁護士・司法書士に財産調査を依頼する
自分での調査に限界を感じたら、専門家に依頼することも選択肢の一つです。費用は依頼内容や地域によって異なりますが、相談料は30分あたり5,000円程度が目安になることが多いです(地域差・事務所差あり)。法テラスを利用すれば、費用の立替制度(収入要件あり)を活用できる場合もあります。

【関連】相続財産の調査方法・借金の確認手順について詳しくはこちら
相続放棄の手続き、具体的にどうすればいい?
「相続放棄をしようかな」と思ったとき、具体的にどう動けばよいか、ここで整理しておきます。
相続放棄の手続きの流れ
-
必要書類を準備する
– 相続放棄の申述書(家庭裁判所の書式)
– 故人の戸籍謄本(死亡の記載があるもの)
– 申述人(放棄する人)の戸籍謄本
– ※相続順位によって必要書類が異なる場合があります -
故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述する
– 郵送での申請も可能です
– 裁判所の書式は最高裁判所HP(https://www.courts.go.jp/)からダウンロードできます -
家庭裁判所から「照会書(しょうかいしょ)」が届く
– 内容を確認し、回答を返送します -
相続放棄申述受理通知書(そうぞくほうきしんじゅつじゅりつうちしょ)が届く
– これで相続放棄の手続きが完了です
費用の目安
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 家庭裁判所への収入印紙(申述1件あたり) | 800円程度 |
| 郵便切手(裁判所に予納) | 数百円〜1,000円程度(裁判所によって異なる) |
| 弁護士・司法書士への依頼料 | 3万円〜10万円程度が目安(地域差・事務所差あり) |
※費用はあくまで目安です。依頼内容や地域によって大きく異なる場合があります。
相談できる窓口一覧【一人で悩まないで】
あなたは一人ではありません。相談できる場所がたくさんあります。
| 相談窓口 | 特徴 | 費用 |
|---|---|---|
| 法テラス(日本司法支援センター) | 収入が少ない方向け。弁護士費用の立替制度あり。0570-078374 | 相談無料(収入要件あり)、審査あり |
| 弁護士会の法律相談センター | 各都道府県の弁護士会が運営。予約制が多い | 30分5,500円程度が目安(無料相談日あり) |
| 司法書士会の無料相談 | 相続放棄・遺産分割など相続全般に対応 | 無料相談あり(要確認) |
| 市区町村の無料法律相談 | 自治体が弁護士を派遣するケースが多い | 無料(回数・時間制限あり) |
| 家庭裁判所(本人申請) | 相続放棄の申述は本人でも可能 | 印紙代・郵便代のみ |
💡 「いきなり弁護士は敷居が高い」という場合は、まず市区町村の無料法律相談や法テラスへのお電話から始めてみてください。電話でも丁寧に案内してもらえます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 亡くなった後に借金が発覚しました。相続放棄はもう間に合わないですか?
A. 相続放棄の期限は「相続の開始を知った日から3か月以内」とされています。ただし、「死亡の事実は知っていたが、借金の存在を知らなかった」という場合、借金の存在を知った時点が起算点となる可能性があると、最高裁の判例(昭和59年4月27日)は示しています。時間が経っていても、まず弁護士・司法書士にご相談ください。
Q2. 相続放棄すると、遺族年金や死亡保険金も受け取れなくなりますか?
A. 遺族年金は相続財産ではなく受給権者固有の権利のため、相続放棄の影響を受けません。死亡保険金についても、受取人が指定されている場合は相続財産ではなく受取人固有の財産として扱われるため、相続放棄をしても受け取れる場合がほとんどです。ただし、受取人が「相続人」と指定されている場合など、例外もあります。個別の状況については専門家にご確認ください。
Q3. 相続放棄をしたら、同居していた故人の家から退去しなければなりませんか?
A. 相続放棄をすると、不動産等の財産を相続する権利がなくなります。そのため、原則として退去が必要になる場合があります。ただし、相続人全員が放棄した場合には相続財産清算人(せいさんにん)が選任されるまでの間、財産の管理義務が生じるケースもあります(民法940条)。住居に関わる問題は生活に直結するため、早めに弁護士にご相談されることをおすすめします。
Q4. 故人が保証人(連帯保証人)になっていた場合、相続放棄で保証債務も免れますか?
A. 連帯保証債務(他人の借金の保証をする義務)も、故人の借金と同様に相続の対象になります。そのため、相続放棄をすることで、保証債務の引き継ぎを免れることができる場合があります。ただし、保証契約の内容や相続の状況によって異なるため、専門家への確認をおすすめします。
Q5. 生活費として故人の預貯金を引き出してしまいました。相続放棄はできますか?
A. 相続財産を「処分」した場合、単純承認とみなされる可能性があります(法定単純承認・民法921条1号)。ただし、どの程度の引き出しや使用が「処分」にあたるかは、金額・目的・状況によって判断が異なります。すでに引き出しをしてしまった場合でも、諦める前に必ず弁護士にご相談ください。
まとめ:借金がある相続は、選択肢がある。一人で抱えないで
借金がある相続に直面したとき、最初は「どうしよう」「全部自分が返さなければ」と追い詰められる方が多くいらっしゃいます。でも、日本の法律は相続人を守る選択肢を用意してくれています。
| 知っておきたいこと | ポイント |
|---|---|
| 相続放棄の期限 | 相続開始を知った日から原則3か月以内。延長申請も可能 |
| 3つの選択肢 | 単純承認・相続放棄・限定承認から状況に応じて選べる |
| 財産調査の重要性 | 隠れた借金・財産がないか、信用情報機関への照会も活用 |
| 専門家への相談 | 弁護士・司法書士・法テラスが力になってくれる |
| 焦らないこと | 前もって知っておくことが、最大の備えになる |
あなたは一人ではありません。今この瞬間、同じような状況で悩んでいる方が全国にいて、そして、その方たちを支えてきた専門家が必ずいます。
まず一本、電話やメールで相談してみてください。それだけで、気持ちが少し楽になることがあります。
【関連】相続放棄の全手続き・よくあるトラブルについて詳しくはこちら
専門家への相談案内
「状況の整理だけでも相談したい」「費用が心配で一歩が踏み出せない」——そういった方こそ、まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
法テラス(日本司法支援センター)
📞 0570-078374(平日9時〜21時、土曜9時〜17時)
収入・資産の要件を満たす場合、弁護士費用の立替制度が利用できます。
公式サイト:https://www.houterasu.or.jp/最高裁判所:相続放棄の申述書式・案内
公式サイト:https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
この記事の内容は、執筆時点(2025年7月)の法律・制度に基づいています。法律・制度は改正される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトや専門家にご確認ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスを提供するものではありません。具体的なご状況については、弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。
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