高齢の飼い主がペットを残す不安を感じている方へ
大切な家族であるペットと暮らす中で、もし自分に何かあったら、この子はどうなるのだろうか。特に高齢になると、そうした不安が募ることもあるでしょう。身寄りがなかったり、家族に負担をかけたくないと考えたりする気持ちは、決して珍しいことではありません。
今、何をしたらいいかわからない方へ。一つずつ一緒に確認します。大丈夫です、焦らなくていいです。この先どうすればよいか、具体的な方法や選択肢を、あなたの状況に合わせて見ていきましょう。一人で抱え込まず、少しずつ、できることから始めてみませんか。

まずやること3つ(今日中に確認)
大切なペットの将来について考えることは、大きな不安を伴うかもしれません。しかし、今日できる小さな一歩を踏み出すことで、その不安は少しずつ軽くなります。まずは、以下の3つのポイントを確認してみましょう。
- 1. 家族や信頼できる人に相談する:
- もし頼れる家族や友人がいるなら、率直にペットの将来について話してみましょう。具体的な引き取りを依頼するのではなく、「もしもの時」にどうすれば良いか、相談するだけでも構いません。あなたの気持ちを共有することが大切です。
- 2. ペットの情報を整理する:
- ペットの種類、年齢、性格、かかりつけの動物病院、ワクチン接種歴、持病、アレルギー、好きな食べ物など、基本的な情報をメモにまとめておきましょう。これは、将来誰かがペットの世話を引き継ぐ際に非常に役立ちます。
- 3. 公的な相談窓口や専門家を調べる:
- まずは情報収集から始めましょう。自治体の福祉窓口や、終活に関する相談を受け付けている団体、弁護士など、どのような選択肢があるのかを知ることで、具体的な次のステップが見えてきます。
まず今日やること3つチェックリスト
□ 家族や信頼できる人にペットの将来について相談する
□ ペットの基本情報(種類、年齢、病院、持病など)をまとめる
□ 公的な相談窓口や専門家(弁護士など)について調べる
あなたの状況はどれ?(状況分岐フロー)
ペットの将来に関する不安は、人それぞれの状況によって異なります。ご自身の状況に近い項目を選んで、具体的な対策を一緒に考えていきましょう。
あなたのケースに近い選択肢を選びましょう
- 自分が元気なうちに将来の準備をしたい:
- まだ元気で、時間があるうちに、ペットの引き取り先や費用、法的な手続きについて準備を進めたいと考えている方。遺言書やペット信託、老犬老猫ホームへの事前相談などが選択肢になります。
- 認知症の診断を受けた、またはその可能性がある:
- 認知症と診断された、またはその兆候があり、自分の意思能力が将来的に低下する不安を感じている方。遺言書の有効性や任意後見制度、家族との連携が重要になります。
- 家族が亡くなり、ペットの引き取り先を探している:
- ご自身の家族(親や配偶者など)が亡くなり、残されたペットの世話や引き取り先について早急に決めなければならない状況の方。相続放棄との関連や緊急時の対応、新しい引き取り先を探す方法を検討します。
- 身寄りがなく、自分の死後が心配:
- 頼れる親族がいない、または遠方に住んでおり、自分の死後にペットが一人になってしまうことを懸念している方。死後事務委任契約や自治体・社会福祉協議会への相談が考えられます。
自分が元気なうちに将来の準備をしたい場合
将来への不安を抱えながらも、元気なうちに準備を進めようと考えることは、ペットへの深い愛情の証です。ここでは、法的な手続きや施設利用など、具体的な準備方法をご紹介します。
ペットを遺贈する方法と注意点
ペットを特定の誰かに託す方法として、「遺贈(いぞう)」があります。これは遺言書を作成することで実現可能です。遺贈には「特定遺贈」と「包括遺贈」がありますが、多くの場合、特定の個人にペットを託す「特定遺贈」が考えられます。
遺言書を作成する際は、単に「全財産を〇〇に」と書くだけでは不十分なケースがあるため注意が必要です。
専門家によると:遺言書は「全財産を〇〇に」だけでは不十分
弁護士の見地では、「全財産を長男に相続させる」といった遺言書は、一見有効に見えても、遺留分(いりゅうぶん)を無視した内容だと、他の相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクがあるとのことです。遺言書作成時は必ず遺留分を考慮した内容にすることが実務上の鉄則とされています。遺留分は配偶者・子・直系尊属が対象で、兄弟姉妹には遺留分がありません(民法1042条)。「遺言書があれば揉めない」という誤解も多いですが、内容次第では遺留分侵害額請求で争いが生じる可能性もあります。
ペットを遺贈する場合も、遺贈を受ける方がペットを確実に引き取れるか、その後の飼育費用などをどうするか、具体的な取り決めを遺言書に明記することが重要です。
ペット信託の活用と費用
ペット信託とは、飼い主が亡くなった後も、ペットが安心して暮らせるように、飼育費用や世話を託すための仕組みです。「信託契約」を結び、信頼できる人や団体を「受託者」として指定し、ペットの飼育に必要な資金を預け、その資金をペットのために管理・運用してもらう制度です。
ペット信託の主な仕組み
- 委託者(飼い主): 信託財産(ペットの飼育費用など)を預け、信託契約を結ぶ人。
- 受託者: 委託者から財産を預かり、契約内容に従ってペットのために管理・運用する人や法人。
- 受益者: 信託によって利益を受ける者。ペットは法律上、受益者にはなれませんが、「ペットの世話をする人」を実質的な受益者として指定し、その世話に対して信託財産から費用を支払う形をとります。
ペット信託のメリット・デメリット
- メリット:
- 飼い主の意思が確実に反映される。
- 長期間にわたるペットの飼育費用を確保できる。
- 万が一、受託者が飼育できなくなった場合の次の受託者も指定できる。
- デメリット:
- 契約手続きが複雑で、専門家(弁護士や司法書士)のサポートが必要。
- 初期費用や信託報酬などの費用がかかる。
- 受託者選びが非常に重要。
ペット信託の費用目安
ペット信託の費用は、契約の内容や信託する財産の額、依頼する専門家(弁護士、司法書士、信託銀行など)によって大きく異なります。
| 項目 | 費用目安(参考値) | 備考 |
|---|---|---|
| コンサルティング費用 | 5万円〜30万円程度 | 契約内容の相談、設計費用 |
| 契約書作成費用 | 10万円〜50万円程度 | 公正証書作成費用を含む場合あり |
| 信託報酬(年額) | 信託財産の1〜3%程度、または月額数千円〜数万円 | 受託者への報酬。信託期間中継続して発生 |
| その他実費 | 数万円〜 | 登録免許税、公証人手数料など |
※上記は参考値です。地域や業者、契約内容によって大きく異なります。詳細は専門家にご確認ください。

【関連】ペット信託について詳しくはこちら
老犬・老猫ホームや保護施設への事前相談
もし身近にペットの引き取り手が見つからない場合、老犬・老猫ホームや、動物保護施設への事前相談も有効な手段です。これらの施設では、終身預かりや、飼い主の死後に引き取るサービスを提供している場合があります。
- 事前登録・預かり制度: 一部の施設では、飼い主が健在なうちに登録し、もしもの時にペットを預かる制度を設けています。
- 費用目安: 終身預かりの場合、初期費用として数十万円から数百万円、月額費用として数万円程度がかかるのが一般的です。施設の設備、提供されるサービス(医療ケア、食事、散歩の頻度など)、ペットの種類や年齢によって大きく変動します。
施設選びの際は、必ず現地を訪問し、施設の環境、スタッフの対応、他の動物たちの様子などを確認することをおすすめします。契約内容や費用についてもしっかりと説明を受け、納得した上で利用を検討しましょう。
家族が亡くなり、ペットの引き取り先を探している場合
突然の別れの後、残されたペットのことが心配で、どうしたら良いか途方に暮れているかもしれません。悲しみの中で大変かと思いますが、一つずつ確認していきましょう。
相続放棄とペットの引き取り義務
飼い主が亡くなった場合、ペットは法律上「物」として扱われ、遺産の一部となります。そのため、相続人が決まるまでは、相続人全員の共有財産となるのが原則です。
もし故人に借金などの負の遺産があり、相続放棄を検討している場合でも、ペットの引き取り義務との関係で疑問が生じるかもしれません。
専門家によると:相続放棄の3ヶ月の起算点は「知った日」から
弁護士の見地では、相続放棄の期限は「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」です。これは死亡日からではなく、相続人が被相続人の死亡を知った日が起算点となります。また、借金の存在を知らなかった場合など、借金の存在を知った日から起算できるケースもあり、期限を過ぎても放棄できる場合があります。3ヶ月の伸長申請(家庭裁判所)も可能なので、放棄を検討するなら早めに弁護士へ相談することが重要です。「3ヶ月過ぎた=放棄できない」というのは必ずしも正しくない、とされています。
ペットは法律上は「物」ですが、感情的には家族の一員です。相続放棄をしたとしても、人道的な観点からペットの世話をする義務がないわけではありません。ただし、法的な引き取り義務が発生するかどうかは、個別の状況によりますので、専門家への相談が不可欠です。
緊急時の対応と一時預かり
飼い主が突然亡くなった場合、まず緊急でペットを預かってくれる場所を探す必要があります。
- 親族・友人: まずは、故人と親しかった親族や友人に、一時的にでもペットを預かってもらえないか相談してみましょう。
- ペットシッター・ペットホテル: 短期間であれば、ペットシッターやペットホテルを利用することも可能です。ただし、費用がかかります。
- 動物病院: かかりつけの動物病院に相談し、一時預かりや、信頼できる保護団体・ボランティアの紹介をしてもらえる場合があります。
- ボランティア団体: 地域によっては、緊急時にペットを一時預かりしてくれる動物愛護団体やボランティアグループが存在します。インターネットで検索したり、動物病院に問い合わせてみたりすると良いでしょう。
新しい引き取り先を探す方法
一時預かりの目処が立ったら、落ち着いて新しい引き取り先を探すことになります。
- 保護団体・シェルター: 多くの動物保護団体が、新しい飼い主を探す活動をしています。ただし、受け入れには条件があったり、費用がかかる場合もあります。
- 里親募集サイト: インターネット上には、里親を募集する専門のサイトが多数あります。ペットの情報を詳しく掲載し、責任感のある新しい飼い主を探すことができます。
- 動物病院: かかりつけの動物病院が、里親探しを手伝ってくれるケースもあります。
- 知人・友人: 口コミで、ペットを飼いたいと考えている知人や友人がいないか尋ねてみるのも良い方法です。
新しい引き取り先を探す際は、ペットが安心して暮らせる環境を提供してくれるか、面談などを通じてしっかりと見極めることが大切です。
認知症の診断を受けた、またはその可能性がある場合
認知症と診断された、あるいはその兆候がある場合、自身の意思能力が低下する前に、ペットの将来について明確な意思表示をしておくことが非常に重要です。
遺言能力と法的な有効性
遺言書は、本人の最終的な意思を示す重要な法的な書類ですが、作成時に「遺言能力(意思能力)」がなければ無効となります。
専門家によると:認知症の親が作った遺言書の有効性
弁護士の見地では、遺言能力(意思能力)がない状態で作成された遺言書は無効とされます。ただし、「認知症=遺言無効」ではなく、作成時点の判断能力が問題となります。軽度認知症でも、意思能力があれば有効な遺言は作れるケースが多いとのことです。公証人が関与する公正証書遺言は、公証人が意思確認プロセスを行うため、有効性が高いとされています。遺言作成時には、かかりつけ医の診断書やカルテを保存しておくと、後の紛争防止に役立つでしょう(民法963条、判例多数)。
認知症の診断を受けている場合でも、病状の軽いうちであれば、適切な手続きを踏むことで有効な遺言書を作成できる可能性があります。この場合、医師の診断書を添えるなど、遺言能力があったことを証明できる準備をしておくことが望ましいです。
【関連】公正証書遺言について詳しくはこちら
早めの意思表示と家族との連携
認知症の診断を受けた場合、あるいは将来への不安がある場合は、できるだけ早く家族と話し合い、ペットの将来に関する意思を明確に伝えておくことが大切です。
- エンディングノートの活用: 法的な効力はありませんが、エンディングノートにペットの世話に関する希望、引き取り手候補、かかりつけの動物病院、食事、性格などを詳しく書き残しておくことで、家族があなたの意思を理解しやすくなります。
- 任意後見制度の活用: 任意後見制度とは、将来自分の判断能力が不十分になった場合に備え、あらかじめ自分で選んだ代理人(任意後見人)に、自分の生活や財産管理に関する事務を委任する契約を結んでおく制度です。任意後見契約の中に、ペットの飼育に関する事項を盛り込むことも可能です。これにより、自身の意思能力が低下した後も、任意後見人がペットの世話や引き取りに関する手配を進めることができます。
身寄りがなく、自分の死後が心配な場合
身寄りがなく、もし自分に何かあったらペットがどうなるかという不安は、非常に切実なものです。しかし、一人で悩む必要はありません。具体的な制度や相談窓口があります。
死後事務委任契約とペットの管理
死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の葬儀や埋葬、行政手続き、遺品整理など、様々な事務を信頼できる人に委任する契約です。この契約の中に、ペットの引き取り先の手配や、引き取り手が見つかるまでの世話、飼育費用の管理などを盛り込むことができます。
- 契約内容: 死後事務委任契約は、委任者(あなた)と受任者(信頼できる人や法人)の間で締結します。ペットの世話に関する具体的な指示(誰に引き渡すか、費用はどこから出すかなど)を契約書に明記します。
- 費用目安: 契約内容や受任者(弁護士、司法書士、専門業者など)によって異なりますが、契約書の作成費用や、死後事務の実行にかかる費用、受任者への報酬などが発生します。初期費用として数十万円、預託金として数百万円程度が必要となる場合があります。
自治体や社会福祉協議会への相談
身寄りのない方や、経済的な不安を抱えている方の場合、自治体や地域の社会福祉協議会が相談窓口となることがあります。
- 利用できる制度: 各自治体では、高齢者支援の一環として、終活に関する相談を受け付けている場合があります。ペットに関する具体的な支援制度は少ないかもしれませんが、関連する情報提供や、適切な相談窓口への橋渡しをしてくれる可能性があります。
- 社会福祉協議会: 地域に根ざした社会福祉協議会は、様々な困りごとの相談に応じています。終活や、将来への不安について相談することで、利用できる公的なサービスや民間の支援団体を紹介してもらえるかもしれません。
まずは、お住まいの地域の役所や社会福祉協議会に連絡し、相談してみることをおすすめします。
時系列の対応手順|当日〜1か月の流れ
もしもの時、何から手をつければ良いか、混乱してしまうかもしれません。ここでは、飼い主が亡くなった場合の、ペットに関する対応を時系列で整理します。焦らず、一つずつ進めていきましょう。
いざという時のために知っておくべきこと
| 時期 | やること | 窓口・相談先 | 期限(目安) |
|---|---|---|---|
| **飼い主死亡当日〜数日中** | **1. ペットの一時預かり先を確保** (親族、友人、動物病院、ペットホテルなど) |
親族、友人、かかりつけ動物病院、ペットホテル | 緊急対応 |
| **2. 遺言書やエンディングノートの確認** (ペットに関する記載の有無) |
遺品整理、弁護士、司法書士 | できるだけ早く | |
| **1週間以内** | **1. ペットの健康状態の確認** (動物病院での診察) |
かかりつけ動物病院 | 早めに |
| **2. 引き取り手候補への連絡・相談** (遺言書等で指定された人、親族、友人) |
引き取り手候補、弁護士、司法書士 | 具体的な検討開始 | |
| **3. 相続手続きとペットの処遇の検討** | 弁護士、司法書士 | 3ヶ月以内(相続放棄の場合) | |
| **1ヶ月以内** | **1. 新しい引き取り先の決定または施設入居の手続き** (保護団体、里親募集、老犬老猫ホームなど) |
動物保護団体、里親募集サイト、老犬老猫ホーム | 状況に応じて |
| **2. ペット信託や死後事務委任契約の内容実行** (契約がある場合) |
受託者、受任者、弁護士、司法書士 | 契約内容による |
※上記は一般的な流れです。個別の状況や地域の制度によって異なる場合がありますので、必ず専門家にご相談ください。

夜間・休日でも使える相談窓口一覧
緊急時や、普段忙しくて日中に相談できない場合でも、頼れる窓口はあります。一人で抱え込まず、まずは話を聞いてもらうだけでも、心が軽くなることがあります。
困ったときに頼れる場所
- 動物病院(緊急外来):
- ペットの体調が急変した場合、夜間や休日でも対応してくれる緊急外来のある動物病院があります。まずはかかりつけ医に連絡し、緊急時の対応について確認しておきましょう。
- 受付時間: 24時間対応の病院あり(要確認)
- 費用: 有料
- 地域の動物愛護センター・保健所:
- 緊急で保護が必要な場合や、動物に関する一般的な相談を受け付けています。ただし、夜間・休日の即時対応は難しい場合があります。
- 受付時間: 平日日中(夜間・休日は緊急連絡先のみの場合あり)
- 費用: 無料(一部手続きは有料)
- 弁護士会・司法書士会:
- 遺言書、相続、ペット信託、死後事務委任契約など、法的な相談が可能です。無料相談会を定期的に開催している場合もあります。
- 受付時間: 平日日中(無料相談会は休日開催の場合あり)
- 費用: 初回無料相談、以降は有料
- 社会福祉協議会:
- 生活全般の困りごとや、高齢者福祉に関する相談を受け付けています。ペットの将来に関する間接的な支援策が見つかることもあります。
- 受付時間: 平日日中
- 費用: 無料
- NPO法人・動物保護団体:
- 緊急時のペットの保護や、新しい引き取り先の相談に乗ってくれることがあります。夜間・休日の対応は団体によって異なります。
- 受付時間: 団体による(ウェブサイト等で確認)
- 費用: 無料〜寄付金など

感情的に辛いときの現実的な対処法
大切なペットの将来を考えることは、時に大きな精神的負担を伴います。特に、自身の健康問題や孤独と向き合う中で、感情的に辛くなることもあるでしょう。無理に全てを解決しようとせず、現実的な対処法を見つけることが大切です。
悲しみの中で、自分を責めないでください
ペットへの責任感から、過度に自分を責めてしまうことはありませんか?「もっと早く準備しておけばよかった」「この子を一人にしてしまう」といった気持ちは、深い愛情の裏返しです。しかし、自分を責めることは、解決への道を遠ざけてしまいます。
- 一人で抱え込まない: 信頼できる友人や家族、または専門のカウンセラーに話を聞いてもらいましょう。感情を吐き出すだけでも、心の負担は軽くなります。
- 完璧を目指さない: 全てを完璧に準備することは難しいかもしれません。まずは「今日できること」や「今できること」に焦点を当て、小さな一歩から始めてみましょう。
- グリーフケアの活用: ペットを失うことへの悲しみ(ペットロス)は、大切な人を失う悲しみと同じです。グリーフケアを提供する団体やカウンセラーに相談することも有効です。あなたの感情を理解し、寄り添ってくれる専門家がいます。
- ペットとの時間を大切にする: 不安な気持ちがある中でも、今、目の前にいるペットとの時間を大切にしてください。触れ合いや散歩、遊びの時間は、あなた自身の心の癒しにもなります。
「全部は無理。今日は1つだけ」という気持ちで、少しずつ、自分とペットにとって最善の道を探していきましょう。
よくある質問(FAQ)
高齢の飼い主がペットを残すことに関する、よくある質問とその回答をまとめました。
Q1: ペット信託はいくらくらいかかりますか?
A1: ペット信託にかかる費用は、契約の内容や信託する財産の額、依頼する専門家(弁護士、司法書士、信託銀行など)によって大きく異なります。一般的に、コンサルティング費用、契約書作成費用、信託報酬(年額)、その他実費(登録免許税、公証人手数料など)が発生します。初期費用として数十万円から、信託期間中の報酬を含めると数百万円以上になることも珍しくありません。詳細な見積もりは、必ず専門家にご相談ください。
Q2: 遺言書がない場合、私の死後、ペットはどうなりますか?
A2: 遺言書がない場合、ペットは法律上「物」として扱われ、他の財産と同様に相続の対象となります。複数の相続人がいる場合は、相続人全員の共有財産となり、誰が引き取るか、あるいはどう処分するかを相続人同士で話し合って決めることになります。この話し合いがまとまらないと、ペットの処遇が宙に浮いてしまうリスクがあります。そのため、元気なうちに遺言書を作成し、ペットの引き取り手を明確に指定しておくことが最も確実な方法です。
Q3: 認知症の診断後でも遺言書は作れますか?
A3: 認知症と診断された後でも、直ちに遺言書が作れないわけではありません。重要なのは、遺言書を作成した時点での「遺言能力(意思能力)」があったかどうかです。軽度認知症であれば、医師の判断能力に関する診断書を添えるなど、適切な手続きを踏むことで有効な遺言書を作成できる可能性があります。特に、公証人が関与する公正証書遺言は、公証人が意思確認を行うため、有効性が高いとされています。必ず弁護士や公証役場に相談し、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
Q4: 身寄りがなくてもペットを託せる方法はありますか?
A4: はい、身寄りがなくてもペットを託せる方法はいくつかあります。主な選択肢としては、死後事務委任契約を結び、信頼できる第三者(弁護士、司法書士、専門業者など)にペットの世話や引き取り先の手配を委任する方法があります。また、ペット信託を利用して、ペットの飼育に必要な資金を確保し、受託者に世話を任せることも可能です。老犬老猫ホームや動物保護団体の中には、終身預かりや飼い主の死後の引き取りサービスを提供しているところもあります。お住まいの地域の自治体や社会福祉協議会に相談し、利用できる制度や団体を紹介してもらうのも良いでしょう。
まとめ|全部は無理。今日は1つだけ
高齢の飼い主様が、大切なペットの将来について不安を抱えるのは当然のことです。しかし、今日この記事を読み、情報を得ようとしたこと自体が、大きな一歩です。
今、あなたが抱えている不安や問題は、一人で解決しなければならないものではありません。法的な手続き、費用の準備、引き取り先の確保、そして何よりもあなたの心のケア。これら全てを一度に解決しようとすると、疲れてしまいます。
だから、「全部は無理。今日は1つだけ」という気持ちで、できることから始めてみませんか。
まずは信頼できる誰かに相談することから、あるいはペットの情報を整理することからでも構いません。この一歩が、あなたとペットの未来を守るための大切な始まりになります。

大切なペットの将来について、具体的な手続きや費用、引き取り先の確保など、専門的な知識が必要となる場面が多くあります。一人で悩まず、まず相談するだけでも、具体的な解決策が見つかり、焦らずに準備を進めることができます。
【関連】ペット葬儀について詳しくはこちら
この記事の監修について
本記事は「お葬式.info 編集部」が、行政書士・司法書士・葬儀業界経験者・僧侶を含む監修者チームの助言のもと、公的統計・法令・専門書を根拠に作成しています。個別のケースについては、必ず専門家にご相談ください。編集方針・監修者一覧は編集ポリシーをご確認ください。
※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。費用・制度は変更される場合がありますので、最新情報は各専門家・行政機関へご確認ください。