遺族が利用できる公的支援制度まとめ
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遺族が利用できる公的支援制度まとめ
(読了目安:約12分)
大切な方を亡くされた、その深い悲しみに、心よりお悔やみ申し上げます。
手続きのことが気になりながらも、体も心も動かない——そんな状態の中でこのページを開いてくださったことに、感謝と敬意を贈ります。「やらなければ」と焦る必要はありません。この記事は、今すぐ全部読まなくても大丈夫です。必要なときに、必要な部分だけ、辞書のように開いてください。
あなたのために、情報を丁寧に整理しました。少しでも、心の重荷が軽くなれば幸いです。

公的支援制度を利用する前に:悲しみに寄り添う時間も大切に
大切な人を失った悲しみは、言葉では言い尽くせないものです。この悲しみ(グリーフ:grief=死別などによる深い哀愁・悲嘆のこと)は、誰にとっても自然な反応であり、決して病気でも弱さでもありません。
悲しみは、深く愛した証です
臨床心理士・グリーフカウンセラーの間では、「グリーフは病気ではなく、愛の代償である」という考え方が広く共有されています。泣いても泣かなくても、怒りを感じても、何も感じなくても——それはあなた自身の自然な反応です。悲しみに「正しい悲しみ方」というものは存在しません。
現代のグリーフケアでは、悲嘆を「乗り越えるもの」ではなく「共に生きていくもの」と理解することが主流です(参考:国際グリーフカウンセリング協会ガイドライン)。「早く立ち直らなければ」と焦る必要は全くありません。
最新の研究では「悲嘆の二重プロセスモデル(Stroebe & Schut, 1999)」が支持されており、喪失指向(悲しみと向き合うこと)と回復指向(日常生活を少しずつ取り戻すこと)を行ったり来たりしながら揺れ動くことが、健全な回復の姿とされています。「まだ悲しんでいる自分はおかしい」と思わないでください。
焦らず、ご自身のペースで進めてください
公的な手続きには期限が設けられているものもありますが、まずはご自身の心と体を休ませることが何よりも大切です。この記事に書かれた情報は、「知っておくと安心できる」という気持ちで、できるときに、少しずつ確認していただければ十分です。
遺族年金:残された家族の生活を支える年金制度
大切なご家族を亡くされた後、残された遺族の生活を支えるための重要な公的支援が「遺族年金」です。亡くなった方の年金加入状況や、遺族の構成によって受け取れる種類が異なります。
(出典:厚生労働省「遺族年金」https://www.mhlw.go.jp/、法令情報https://laws.e-gov.go.jp/)
遺族年金の種類と対象者
遺族年金には主に2種類あります。
① 遺族基礎年金
国民年金に加入していた方が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に支給されます。
- 対象となる子:18歳到達年度末日まで(障害がある場合は20歳未満)
- 亡くなった方が国民年金の被保険者であったこと、または老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていることなどが条件です
② 遺族厚生年金
厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた配偶者・子・父母・孫・祖父母に支給されます。
- 妻の場合は子の有無にかかわらず支給されます
- 夫・父母・孫・祖父母には年齢や生計維持の条件があります
受け取れる金額の目安と主な受給条件
| 種類 | 支給額の目安(2026年度) | 主な対象者 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 年額 約816,000円+子の加算額 | 子のある配偶者・子 |
| 子の加算(第1・2子) | 各 約234,800円/年 | 同上 |
| 子の加算(第3子以降) | 各 約78,300円/年 | 同上 |
| 遺族厚生年金 | 老齢厚生年金の報酬比例部分の約3/4 | 配偶者・子・父母等 |
| 中高齢寡婦加算 | 年額 約584,800円(加算) | 40歳以上65歳未満の妻(子なし等) |
※金額は目安であり、個別の状況によって変動します。詳細は日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/)でご確認ください。
遺族年金の手続き方法と必要書類
手続きは、亡くなった方の住所地を管轄する年金事務所または街角の年金相談センターで行います。
主な必要書類(一例)
– 年金手帳
– 戸籍謄本(死亡の事実・請求者との続柄がわかるもの)
– 住民票(世帯全員の記載があるもの)
– 死亡診断書または死体検案書
– 請求者の所得証明書
– 振込先の預金通帳
申告期限:時効は5年です。焦らなくて大丈夫ですが、前もって知っておくと余裕をもって対処できます。
【関連】遺族年金の申請手順をステップごとに解説した記事はこちら
健康保険からの給付金:葬儀費用の一部をサポート
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弁護士法人グループが運営する終活・相続の総合相談窓口。まず話を聞いてもらうだけでも大丈夫です。
大切な方を送り出すための費用は、心身に大きな負担となることがあります。健康保険には、葬儀費用の一部を補助する制度があります。
(出典:厚生労働省「埋葬料・埋葬費について」https://www.mhlw.go.jp/)
埋葬料・埋葬費とは
亡くなった方が加入していた健康保険(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険など)から、葬儀費用の一部として「埋葬料」または「埋葬費」が支給されます。
- 埋葬料:被保険者(亡くなった方)によって生計を維持されていた遺族が葬儀を行った場合に支給
- 埋葬費:遺族がいない場合や遺族が葬儀を行わない場合に、実際に葬儀を行った方が請求できます
受け取れる金額と請求先の目安
| 健康保険の種類 | 支給額の目安 | 請求先 |
|---|---|---|
| 協会けんぽ | 一律5万円 | 全国健康保険協会の都道府県支部 |
| 健康保険組合 | 組合規定による(5万円以上の場合あり) | 各健康保険組合窓口 |
| 国民健康保険 | 3万〜7万円程度(自治体により異なる) | お住まいの市区町村役場 |
埋葬料・埋葬費の手続きと期限
主な必要書類(一例)
– 健康保険証(亡くなった方のもの)
– 死亡診断書または死体検案書
– 葬儀費用の領収書(埋葬費の場合)
– 住民票(世帯全員の記載があるもの)
– 振込先の預金通帳
申告期限:死亡日の翌日から2年以内
2年という期限は、前もって知っておくと焦らずに対処できます。無理のない範囲で、早めに手続きすることをおすすめします。
税金に関する支援:相続税・所得税の特例と軽減措置
大切な方を亡くされた後には、相続や税金に関する手続きも発生します。複雑に感じるかもしれませんが、遺族の方向けの軽減措置が複数用意されています。
(出典:国税庁「相続税・贈与税」https://www.nta.go.jp/)

相続税の基礎控除と主な特例
相続税は、亡くなった方の財産を相続したときに発生する税金ですが、一定額までは非課税となります。
| 特例・控除の種類 | 内容 |
|---|---|
| 基礎控除 | 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)が非課税 |
| 配偶者の税額軽減 | 1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い額まで非課税 |
| 生命保険金の非課税枠 | 500万円×法定相続人の数まで非課税 |
| 小規模宅地等の特例 | 相続した土地の評価額を最大80%減額できる場合がある |
これらの特例を活用することで、税負担を大きく軽減できる可能性があります。必要に応じて税理士への相談も検討してみてください。
準確定申告(所得税)について知っておくと安心です
亡くなった方が個人事業主であったり、年金以外の所得があった場合、亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が確定申告を行う場合があります。これを「準確定申告」と呼びます。
- 申告期限:相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内
- 手続き先:亡くなった方の住所地を管轄する税務署
前もって把握しておくと、期限を過ぎてしまうことなく、落ち着いて対応できます。
手続きの期限一覧表(前もって知っておくと安心です)
| 手続きの種類 | 期限の目安 | 相談・手続き先 |
|---|---|---|
| 死亡届の提出 | 死亡後7日以内 | 市区町村役場 |
| 国民健康保険・年金の資格喪失 | 死亡後14日以内 | 市区町村役場・年金事務所 |
| 準確定申告(所得税) | 死亡後4ヶ月以内 | 税務署 |
| 埋葬料・埋葬費の請求 | 死亡後2年以内 | 健康保険の窓口 |
| 高額医療費の還付請求 | 死亡後2年以内 | 健康保険の窓口 |
| 相続税の申告・納付 | 死亡後10ヶ月以内 | 税務署 |
| 遺族年金の請求(時効) | 死亡後5年以内 | 年金事務所 |
(出典:法務省https://www.moj.go.jp/、国税庁https://www.nta.go.jp/)
【関連】相続手続きのスケジュールと必要書類を一覧でまとめた記事はこちら
生活・経済的な困窮を支える支援制度
急な生活の変化で経済的に困窮してしまった場合も、公的な支援を受けられる可能性があります。一人で抱え込まず、まずは相談してみてください。
生活保護・住居支援・貸付制度
| 制度名 | 内容 | 相談先 |
|---|---|---|
| 生活保護制度 | 最低生活費に満たない場合に不足分を補う | 福祉事務所 |
| 住居確保給付金 | 離職・廃業により住居を失うおそれがある方への家賃補助 | 自立相談支援機関 |
| 生活福祉資金貸付 | 一時的な生活費の低利または無利子での貸付 | 社会福祉協議会 |
| ひとり親家庭等医療費助成 | 医療費の一部を助成(自治体により異なる) | 市区町村役場 |
| 児童扶養手当 | ひとり親家庭の子の養育を支援する手当 | 市区町村役場 |
(出典:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/)
お住まいの自治体独自の支援も確認してみましょう
市区町村によっては、上記以外にも独自の支援制度や相談窓口を設けている場合があります。まずはお住まいの市区町村の福祉課・生活支援窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
心のケアのための支援:悲しみと向き合うためのサポート
公的な支援は、金銭的なものだけではありません。心のケアのための相談先も、あなたのそばにあります。
「もしかして複雑性悲嘆かも?」と感じたら
悲しみが長期化し、日常生活に著しく支障をきたす場合は、「遷延性悲嘆症(複雑性悲嘆とも呼ばれる、通常のグリーフを超えた強度・長期の悲嘆状態)」の可能性があります(参考:DSM-5 診断基準)。これは「意志の弱さ」ではなく、専門的なサポートが有効な状態です。
自分を責めず、専門家に相談することを検討してください。
心のケアに関する相談窓口
| 相談先 | 特徴 |
|---|---|
| グリーフケア専門機関 | カウンセリングやグループワークで悲しみと向き合うサポート |
| 精神科・心療内科 | 心身の不調が続く場合に、医療的なサポートを受けられます |
| 保健センター(各自治体) | 地域の相談窓口や専門機関を紹介してもらえる場合があります |
| NPO法人・自助グループ | 同じ経験をした方々と支え合える場です |
| よりそいホットライン | 0120-279-338(24時間対応) |
「まだ大丈夫」と思っていても、心が限界に近づいていることは本人には気づきにくいものです。少しでも「つらい」と感じたら、どうか相談窓口に声をかけてみてください。あなたは一人ではありません。
【関連】グリーフケアとは?臨床心理士が語る悲しみの向き合い方と専門機関の選び方
公的支援制度の手続き:チェックリストで確認しましょう

できるときに、できることから。以下のチェックリストをお役立てください。
□ 遺族年金に関する確認
- □ 亡くなった方の年金加入状況(国民年金・厚生年金)を確認した
- □ 遺族基礎年金・遺族厚生年金の対象に該当するか調べた
- □ 必要書類(戸籍謄本・住民票・死亡診断書等)を準備した
- □ 年金事務所または街角の年金相談センターに問い合わせた
□ 健康保険からの給付金に関する確認
- □ 亡くなった方が加入していた健康保険の種類を確認した
- □ 埋葬料・埋葬費の対象に該当するか調べた
- □ 死亡診断書・葬儀費用の領収書を保管している
- □ 勤務先・健康保険組合・市区町村役場に相談した
□ 税金・相続に関する確認
- □ 相続財産のおおよその内容を把握した
- □ 基礎控除額の計算と特例の適用可能性を確認した
- □ 準確定申告が必要かどうかを確認した(期限:4ヶ月以内)
- □ 必要に応じて税理士への相談を検討した
□ 生活・心のケアに関する確認
- □ 生活に困窮した場合の支援制度(生活保護・給付金等)を確認した
- □ 心のケアの相談窓口(グリーフケア専門機関・保健センター等)を調べた
- □ お住まいの自治体独自の支援制度を確認した
よくある質問(FAQ)
Q1. 手続きの期限が過ぎてしまいました。もう何もできないのでしょうか?
A1. 制度によって対応が異なりますので、まずは関係機関(年金事務所・市区町村役場・健康保険組合など)にご相談ください。遺族年金は時効が5年、埋葬料・埋葬費は2年と定められていますが、個別の事情によって柔軟に対応していただける場合もあります。「もう遅い」と諦めずに、一度問い合わせてみることをおすすめします。
Q2. 遺族基礎年金と遺族厚生年金は、両方受け取ることができますか?
A2. はい、条件を満たせば両方を受け取ることができます。亡くなった方が国民年金と厚生年金の両方に加入していた場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方が支給される可能性があります。詳細は年金事務所にご確認ください。
Q3. 相続税の申告は必ず必要ですか?
A3. 相続財産の合計額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば、原則として相続税はかからず、申告も不要です。ただし、配偶者の税額軽減など特例を適用して税額がゼロになる場合は、申告が必要となるケースがあります。詳細は税務署または税理士にご相談ください(参考:https://www.nta.go.jp/)。
Q4. 葬儀費用の給付は、どのような費用が対象になりますか?
A4. 埋葬料・埋葬費は、葬儀・埋葬にかかる費用全般が対象となります。具体的には、火葬料・お棺代・葬儀社への支払いなどが含まれます。領収書が必要になる場合がありますので、大切に保管しておきましょう。
Q5. 悲しみが長引いており、日常生活に支障が出ています。どこに相談すれば良いでしょうか?
A5. 臨床心理士やグリーフカウンセラーが在籍する専門機関、または精神科・心療内科への相談をおすすめします。お住まいの地域の保健センターでも相談窓口を紹介してもらえる場合があります。「相談するほどのことでもない」と思わずに、少しでもつらさを感じたら、どうか声をかけてみてください。あなたが助けを求めることは、当然の権利です。
Q6. 一人で手続きを進める自信がありません。どこかに頼ることはできますか?
A6. もちろんです。手続きを一人で全て抱え込む必要はありません。年金手続きには社会保険労務士、税務手続きには税理士、相続全般については弁護士や司法書士が相談に対応しています。また、役所の窓口でも丁寧に案内してもらえます。信頼できる家族や友人に付き添ってもらうだけでも、心の負担は大きく変わります。
まとめ:あなたは一人ではありません
大切な方を亡くされた悲しみの中で、様々な手続きに直面することは、計り知れないご負担です。この記事では、遺族の方が利用できる公的支援として以下の制度をまとめました。
| 支援制度 | 主な内容 |
|---|---|
| 遺族年金 | 生活費を支える年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金) |
| 埋葬料・埋葬費 | 葬儀費用の一部を健康保険から補助 |
| 相続税の特例 | 基礎控除・配偶者軽減・生命保険の非課税枠など |
| 準確定申告 | 亡くなった方の所得に関する申告 |
| 生活困窮者支援 | 生活保護・住居確保給付金・社協の貸付制度 |
| 心のケア支援 | グリーフカウンセラー・精神科・自助グループ等 |
これらの制度は、あなたが少しずつ前を向いて歩んでいくための大切な支えです。しかし何よりも、今は自分自身の心と体をいたわってください。悲しみに正しい期間はなく、回復のペースは人それぞれです。
一人で抱え込まず、窓口に電話するだけでも、専門家に話を聞いてもらうだけでも構いません。「終活大全」は、これからもあなたの心に寄り添い、必要な情報をお届けしてまいります。
【専門家への相談案内】
手続きについてわからないことがあれば、以下にご相談ください。
- 年金の手続き:年金事務所(https://www.nenkin.go.jp/)
- 健康保険の給付:加入している健康保険組合または市区町村役場
- 税金・相続:税務署(https://www.nta.go.jp/)または税理士
- 法的手続き全般:法務省関連情報(https://www.moj.go.jp/)または弁護士・司法書士
- 心のケア:かかりつけ医、保健センター、よりそいホットライン(0120-279-338)
あなたが「相談してよかった」と感じられる一歩を、どうか踏み出してみてください。
【参考出典】
– 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/
– e-Gov 法令検索:https://laws.e-gov.go.jp/
– 国税庁:https://www.nta.go.jp/
– 法務省:https://www.moj.go.jp/
– 日本年金機構:https://www.nenkin.go.jp/
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